ミラノ Milano_1

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Panorama di Milano verso nord dalla terrazza più alta del Duomo, con le montagne del lago di Como sullo sfondo         (Wikimedia Commonsより)
Panorama di Milano verso nord dalla terrazza più alta del Duomo, con le montagne del lago di Como sullo sfondo         (Wikimedia Commonsより)

 ミラノはロンバルディア州の州都で、イタリア北部で一番大きな街です。

 ファッションの発信地として、ショッピングの街として、美術館の街として、観光案内書、美術書などに必ず出ています。

 街中を移動するには、地下鉄だけでなく、街を縦横に走る路面電車の活用がお勧めです。

 

 ミラノ観光局公式サイト(英語版)

http://www.turismo.milano.it/wps/portal/tur/en

  

 

【その他の情報】

 ミラノと言えば「PECK」です。

 詳細はこちら→http://www.amomilano.com/peck_food.html

 公式サイト (英語版)(https://www.peck.it/en

 

 

ミラノ Milano_1

 

  1. Duomo di Milano ドゥオーモ 大聖堂

  2. San Babila 聖バビラ聖堂

  3. San Bernardino Alle Ossa 聖ベルナルディーノ・アレ・オッサ聖堂

  4. San Calimero 聖カリメロ聖堂

  5. San Carlo al Corso 聖カルロ・アル・コルソ聖堂

  6. San Fedele 聖フェデーレ聖堂

  7. San Francesco di Paola パオラの聖フランチェスコ聖堂

  8. San Giorgio al Palazzo 聖ジョルジョ・アル・パラッツオ聖堂

  9. San Lorenzo Maggiore 聖ロレンツォ大聖堂

 10. San Marco 聖マルコ聖堂

 11. San Maurizio 聖マウリツィオ聖堂

 12. San Nazaro Maggiore 聖ナザロ聖堂

 13. San Sebastiano 聖セバスティアーノ聖堂

 14. San Sepolcro 聖セポルクロ聖堂

 

 

以下は ミラノ  Milano_2 にページ移動します。

 

 15. San Simpliciano 聖シンプリチアーノ聖堂

 16. Santo Stefano Maggiore 聖ステファノ聖堂

 17. Santa Maria al Paradiso サンタマリア・アル・パラディーソ聖堂

 18. Santa Maria dei Miracoli presso San Celso サンタマリア・デイ・ミラコリ聖堂と聖チェルソ聖堂

 19. Santa Maria del Carmine サンタマリア・デル・カルミネ聖堂

 20. Santa Maria delle Grazie サンタマリア・デレ・グラツィエ聖堂

 21. Santa Maria delle Grazie al Naviglio サンタマリア・デレ・グラツィエ・アル・ナヴィーリオ聖堂

 22. Santa Maria Incoronata サンタマリア・インコロナータ聖堂

 23. Santa Maria presso San Satiro サンタマリア聖堂と聖サティロ礼拝堂

 24. Sant'Alessandro in Zebedia 聖アレッサンドロ・イン・ゼベディア聖堂

 25. Sant'Ambrogio 聖アンブロージョ聖堂

 26. Sant'Eufemia 聖エウフェミア聖堂

 27. Sant'Eustorgio 聖エウストルジョ聖堂

 

1. Duomo di Milano ドゥオーモ 大聖堂

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 イタリアを代表する大聖堂です。

 

 ローマのヴァティカン(Vatican)の聖ピエトロ(San Pietro)大聖堂とフィレンツエのサンタマリア・デル・フィオーレ(Santa Maria del Fiore)大聖堂は共に大きなドームを誇っていますが、ミラノの大聖堂にはドームがありません。

 

 135本の尖塔が天を刺す様に伸びています。聖人像の他、動物や怪物など3,500を超える彫像で飾られています。

 1386年にヴィスコンティ公 (Gian Gaeazzo Visconti)により建設が始まりました。公はカンドーリャ産 (Candoglia)の大理石での建設を望み (A.U.F.=ad usum fabricae)の刻みをいれた大理石を無税としてミラノに搬入しました。

 

 フランス、ドイツから建築技師が招聘されましたが、理論や技術と経験との間で地元ロンバルドの設計者と意見が合わず、聖堂の高さや、幅が数度に渡り変更されてきました。

 

 その後長らく建設工事は中断され、19世紀になって、イタリアの王となったナポレオンにより正面が完成しています。従って、正面5か所の入り口や、ブロンズ製の浮彫は19世紀から20世紀の制作です。

 内部は五廊式の大きな聖堂で、52本の柱で支えられています。

 

 アプシスの大きなステンドグラスは聖書からキリストの生涯が描かれていますが、19世紀の制作です。

 地下聖堂には大聖堂の基礎となった聖テクラ聖堂 (San Tecla)の遺構が見られます。

 

 

 

 拝観料は要りませんが、内部の写真撮影には料金がかかります。内部の撮影が禁止されている聖堂が多く見られるなかで、料金を徴収して写真撮影を許可しているのは良い制度だと思います。

 

 

 なお、多くの美術書や観光案内書に大聖堂の歴史的経過やステンドグラスについて解説(→Wikipedia参照)がありますので、詳細は割愛します。

「Duomo di Milano」公式Webサイト(英語) https://www.duomomilano.it/en/

 イベント情報などが記載されています。

 

2. San Babila 聖バビラ聖堂

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 地下鉄M1線のバビラ駅 (S.Babila)の前にあります。

 

 5世紀に聖バビラの聖遺物がアンティオキア (Antiochia)からミラノにもたらされ、ローマ神殿を改築した聖堂に祀られました。その後11世紀末になって同じ場所にロマネスク様式で再建された聖堂が現在の聖バビラ聖堂の元です。

 16世紀に正面をバロック様式で拡張しています。1853年からロマネスク様式に戻す工事が行われ、現在の正面は1906年に完成しています。現在の鐘楼は、当初の鐘楼が16世紀に崩壊した後1920年になって再建されたものです。

 正面入り口上のティンパヌムにはαとΩが書かれた聖書に手を置き、祝福のポーズを取るキリストがモザイクで飾られ、その下の楣石には中央には神の子羊が、その脇に四大福音書記者の表象が浮彫で飾られています。

 この正面は20世紀になってから改築されています。

 聖堂内は三廊式で当初の遺構は残っていません。中央アプシス上の天蓋には左右に天使が飛翔し、中央の聖バビラの脇には聖ウルバヌス他二名の聖人がモザイクで描かれています。

 

 天井は半円形穹窿で、身廊の左側面に玉座のキリストが、その反対側に向かい合わせになって聖母マリアが、それぞれ四人の聖人と共に描かれています。

3. San Bernardino Alle Ossa 聖ベルナルディーノ・アレ・オッサ聖堂

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 ドゥオーモの後陣から東に進み、フォンタナ広場 (Piazza Fontana)に出て南下し、フォンタナ通りから広いラルガ通り(Via Larga)に出ると通りの向こう側に見えてきます。

 

 奥には隣接して、聖ステファノ (Santo Stefano Maggiore)聖堂の鐘楼が見えています。

  聖ステファノ聖堂に隣接して公共の墓地があった場所に、埋葬する場所の不足から埋葬者を収納する目的で13世紀初めに建設されました。シエナの聖ベルナルディーノに奉献している聖堂です。

 

 三階建ての建屋の上に八角形の塔が載った造りで、17世紀と18世紀に拡張されています。

 聖堂の入口は聖ステファノ聖堂側にあり、聖ステファノ聖堂と一体になっているように見えます。

 

  聖堂内はギリシャ十字形で、主祭壇の両脇にオルガンが配置された清楚な聖堂です。

 

 なお、右手から別室に入ると、中には天井まで人骨が積み上げられています。

 

 このような骸骨を保管している聖堂は、ローマではサンタマリア・デッラ・コンチェツィオーネ (Santa Maria della Concezione dei Cappuccini)、ドイツのケルンにある、聖ウルズラ (S. Ursula)聖堂の「黄金の間」、チェコではクトナーホラ (Kutna Hora)にある、コストニーチェ (Kostnice)聖堂などで見られます。

 

 一種独特の印象を与える聖堂です。

SANTUARIO DI SAN BERNARDINO ALLE OSSA

公式Webサイト:https://www.sanbernardinoalleossa.it/

 

公式サイトの「Visite」タブに拝観時間等が記載されています。

「Media」タブには以下のYouTube動画が掲載されています。

 

「ミラノのスローツアー: サンベルナルディーノ・アレ・オッサ」

Milan: San Bernardino alle Ossa | Slow Tour a Milano

 こちら↑は「英語字幕付き」ですが現時点(2024/05/25)では自動翻訳不可。

 

 

「ミラノ、サン・ベルナルディーノ・アレ・オッサの地下にあるディシプリニ地下室の探索」

Esplorazione della cripta dei Disciplini sotto a San Bernardino alle Ossa, Milano

 こちら↑は以下のように「設定」→「字幕」→「イタリア語(自動生成)」→「自動翻訳」で「日本語」を選択すると「日本語字幕」が表示されます。訳の精度は今イチですが、概要は分かります。もう少し経てばAI翻訳が進歩してこなれた訳になるはず。

4. San Calimero 聖カリメロ聖堂

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 地下鉄M3線のミッソーリ (Missori)駅とクロチェッタ (Crocetta)駅の中間にありますので、ミッソーリ駅から、路面電車の16番か24番でポルタ・ロマーニャ通り (Corso di Porta Romana)を南に向かい、一つ目の停留所で降り、聖ナザロ聖堂(San Nazaro Maggiore)を南に進みカリメロ通り (Via S. Calimero)に入ると見えてきます。

 

 3世紀に第4代ミラノの司教だった聖カリメロ (St.Calimerius)の聖遺骨が埋葬されている聖堂で、5世紀には聖堂が建設されていたと思われます。現在の聖堂は、1882年に再建されたものです。

 正面入口上のティンパヌムには聖カリメロが祝福のポーズをしているモザイク画が見えます。

 

 アプシスには15世紀の聖母のフレスコ画が、地下聖堂の天井には16世紀のフレスコ画が描かれています。

 

5. San Carlo al Corso 聖カルロ・アル・コルソ聖堂

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 地下鉄のサンバビラ (San Babila)駅からエマヌエーレ2世通りでドゥオーモに向かうと、すぐ右側にあります。

 

 聖堂の前には大きな広場があり、聖堂全体を見渡すことができます。

 13世紀に設立した聖母下僕会の聖堂が18世紀に活動の終焉を迎えたのち、16世紀に対抗宗教改革の先頭に立った枢機卿でミラノ大司教の聖カルロ・ボッロメオ (San Carlo Borromeo)に奉献して19世紀の半ばに建設された、新しい聖堂です。

 

 聖堂の前には八本の太い円柱が並んだ柱廊があり、切妻屋根の上には二体の天使が十字架を掲げ、奥には周囲をコリント式の柱頭飾りの円柱が取り巻く巨大な円筒形のドームが載っています。

 

 聖堂内はコリント式の柱頭飾りの円柱が周回する円形となっており、

 主祭壇には大理石のキボリウムの中にキリストの磔刑像が置かれ、両脇には聖人の立像があります。

 

 左手上層にオルガンが置かれています。

 礼拝堂の上には数多くの頭部が聖堂内を一周して参拝者を見下ろし、上層の壁龕には多くの預言者の立像が一周して置かれています。

 

 下層の壁龕にも立像が並んでおり、いたるところに彫像が見られる聖堂です。

San Carlo al Corso 公式Webサイト

http://www.sancarloalcorso.it/

左サイドメニューの一番下「Orari (時刻表)」に開館時間が記載されています。

Google翻訳でご確認ください。

 

6. San Fedele 聖フェデーレ聖堂

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 ドゥオーモの北側からサンラッファエレ通り(Via San Raffaele)で北に向かい、トンマーゾ・マリーノ通り(Via Tommaso Marino)に出て左折するとアレッサンドロマンゾーニ (Alessandro Manzoni)の銅像のある聖堂前のサン・フェデーレ広場(Piazza San Fedele)に出ます。

 

 6世紀に書かれた史料によると、聖フェデーレはローマ帝国時代の兵士で、4世紀初頭にミラノの北にあるコモ(Como)で殉教したとされる聖人です。

 

 枢機卿でミラノの大司教だった聖カルロ・ボッロメオ (San Carlo Borromeo)は聖人の聖遺骨をミラノに移葬し、1569年から1579年に建設されたイエズス会の聖堂です。

 

 設計はペリグリーノ・ティッバルディ (Pellegrino Tibaldi)で、聖セバスティアーノ (San Sebastiano)聖堂も手掛けています。

 

 中央の入口の脇に上層部まで貫く6本のコンポジットの柱頭飾りのある円柱が伸び、上には切妻屋根が載り、聖母被昇天の彫刻があります。

 

 左右には上下層に各二人の聖人の立像があり、その脇にその聖人の殉教場面が浮彫で描かれています。花綱や天使の顔など多くの彫刻で飾られた華やかな聖堂です。

 

 聖堂内は単廊式で、枢機卿の支援を得たフランチェスコ・マリア・リッキーニ (Francesco Maria Richini)により拡大され、16~17世紀の画家による絵画のあるバロック様式で飾られた聖堂です。

 

 入館料は€5 (2024/05/25現在)。

 

内部詳細は以下を参照

「Museo San Fedele」 Webページ:https://www.sanfedeleartefede.it/eng/

上記ページ中段の「EXPLORE THE ITINERARY」の「Explorer」をクリックして、マウスホイール回転で内部レイアウトが拡大し、各ポイントをクリックすることで絵画等をご覧になれます。

 

7. San Francesco di Paola パオラの聖フランチェスコ聖堂

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 スカラ座の前からアレッサンドロ・マンゾーニ通り(Via Alessandro Manzoni)を北東に向かい、地下鉄3号線のモンテナポレオーネ(Montenapoleone)駅の対面で、道の右側にあります。

 

 南イタリアのカラブリア州にあるパラオの生まれで、聖フランチェスコを崇敬し清貧と瞑想に徹した15世紀の修道僧フランチェスコの起こしたミニミ修道会の聖堂です。

 

 1693年に建設されたロココ様式の大きな聖堂です。通りに面して入口が3か所あり、屋根の両端に聖人立像が載り、二層部分の最上部にはCHARITASの文字が見えます。

 聖堂内は単廊式で、中央主祭壇にはフランチェスコの絵が収められた大きなキボリウムがあり、裏には聖歌隊席が見えます。

 

 側壁に礼拝堂が並び、グルディッチ(Carlo Maria Gludici)、クッキ(Giobannni Antonio Cucchi)、グエリーニ(Giacomo Guerrini)など17世紀の画家の作品が見られます。

 聖歌隊席の奥と入口の上にはバロック様式のオルガンがあります。

 

8. San Giorgio al Palazzo 聖ジョルジョ・アル・パラッツオ聖堂

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Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

 

 ドゥオーモ広場の南西端から南西に向かうトリノ通り(Via Torino)を進み、聖セバスティアーノ聖堂(San Sebastiano)を右側に見て、そのまま進むと右側に見えてきます。ドゥオーモ広場前から路面電車を利用するとすぐです。2番でも14番でもどちらの路面電車でも聖堂前は同じ路線を走っています。聖堂前には広場があります。

 

 750年にナタリス(Natalis)大司教により建設された旨が記載された墓石が存在していたことで、建設年度が推定されています。

 

 正面には3か所入口があり、切妻屋根の上には聖ジョルジョと天使が載っています。右手奥に鐘楼が見えます。

 聖堂内は三廊式で、両脇に礼拝堂が並んでいます。

 中央主祭壇には大理石のキボリウムが置かれ、中にキリストの磔刑が置かれ、下にはナタリス大司教が移葬されています。

 内陣の両脇に説教壇があり、右手に「神殿での少年イエス」の大きな絵が見えます。交差廊の上のドームには四大福音書記者が、表象と共に描かれています。

 右側廊の三番目の、受難の礼拝堂には中央にキリストの十字架降下を配し、1623年にはフランチェスコ・マリア・リキーニ(Francesco Maria Richini)により、バロック様式に改装されています。

 

 右と上の半円にキリストの受難が描かれ、蒲鉾天井にカルガリオの丘の磔刑図を配した、ルイーニ(Bernardino Luini)1516年制作の大きな板絵があります。

 

 右側廊の最初の礼拝堂では聖ヒエロニムスや東方三博士の礼拝など、フェラーリ(Gaudenzio Ferrari)作の絵画が見られます。入口の上にはオルガンがあります。

9. San Lorenzo Maggiore 聖ロレンツォ大聖堂

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 地下鉄M2でサンタンブロージョ駅に行き、94番のバスで、東に向かい二つ目で下車すると左手に見えます。聖ロレンツォ大聖堂前を通っていた路面電車の3号線は現在廃止されていますので、バス利用が便利です。

 

 聖堂の前の広場には列柱が並んでいますので、ローマ帝国時代の遺跡に来たような印象を受けます。

 

外観 360° ヴァーチャルツアー (以下の公式Webサイトより)

https://www.360visio.com/wp-content/uploads/2015/MI/202sLorenzoColonne/output/index.html

 

 4世紀後半の帝政ローマ期に、城壁の外に建設されていた4か所の聖堂の一つで、聖アンブロージョが建設に関与しています。ローマ帝国皇帝の礼拝堂として建設されたと推定されています。

 

 城壁外側の地盤の弱い箇所に建設されたために、それほど大きな聖堂ではありませんが、四方を尖塔で囲む集中様式の聖堂として最古の部類に属しています。コリント式の柱が並ぶポルティコは3世紀の建造です。

 11世紀から12世紀にかけて数度の火災に遭いましたが、当初の形態で再建されてきました。

 

 ドームは1573年に崩壊した後再建されましたが、ミラノでは一番大きなドームです。

 

 聖堂の南奥には殉教聖人、聖アクイリーノに奉献した、八角形の聖アクイリーノ(Cappella di Sant' Aquilino)礼拝堂があります。

 天井には4世紀に作成された、中央には一段高くに、髭の無い若いキリストが座し、両脇に12使徒が座る「法を授けるキリスト」のモザイク画が見られます。背景は黄金色に輝いています。モザイク画としてはミラノでも最古の部類に入ります。

 

 その他、剥落していますが、牧童を描いたモザイク画の他に荒野のヒエロニムス、マグダラのマリア等のフレスコ画で飾られています(以下の『「聖アクイリーノ(Cappella di Sant' Aquilino)礼拝堂」ヴァーチャルツアー』でご覧になれます)。

 聖アクイリーノの聖遺物は17世紀制作の聖遺物容器に保管されています。

 

なお、この礼拝堂に入るには拝観料が必要です。

『「聖アクイリーノ(Cappella di Sant' Aquilino)礼拝堂」ヴァーチャルツアー』(公式Webサイトより)

https://www.360visio.com/wp-content/uploads/2015/MI/0360INTERM/SLorenzo/2Aquilino/output/index.html

公式Webサイト「Basilica San Lorenzo Maggiore Milano」

https://www.sanlorenzomaggiore.com/

 

公式Webサイトの一番下に「ヴァーチャルツアー」があり、クリックすると以下の360°ツアーができます。

 

大聖堂のヴァーチャルツアー

https://www.360visio.com/wp-content/uploads/2015/MI/0360INTERM/SLorenzo/1Centrale/output/index.html

 

10. San Marco 聖マルコ聖堂

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 地下鉄M2のランザ(Lanza)駅前からポンテッチオ通り(Via Ponteccio)を東に進むと左手に見えてきます。大きな聖堂で、聖堂の前には同名の広場があり、聖堂の正面を見ることができます。ブレラ美術館(Pinacoteca di Brera)のすぐ北側に位置しています。

 

 既にこの土地に聖堂は存在していたようですが、記録に出てくるのは1254年からで、ゴティック様式で建造されました。17世紀にバロック様式に大幅に改修され、正面は19世紀に改築されています。

 

 

 正面の大きな入口の上のティンパヌムには聖母子と聖人が描かれ、楣石には聖マルコの他、四大福音書記者の表象が刻まれています。上には大きな薔薇窓があり、切妻屋根の上には三本の尖塔が載っています。両脇の入口の上には尖塔型アーチの窓があり、左右対称の均整のとれた形をしています。

 聖堂内は三廊式ですが、右側廊には9か所に独立した礼拝堂が身廊の柱の幅で側廊の幅より長い奥行きで並びますので、右側のみ二列の側廊がある、四廊式のように見えます。

 

 ドームを含めて、穹窿天井には何も描かれていません。

 中央主祭壇にはキボリウムが置かれ、聖アゴスティノが祀られています。内陣より奥の天井と側面には多くの絵が描かれています。

 

Giovanni Paolo Lomazzo, San Pietro e la caduta di Simon Mago (1571) WikimediaCommonsより
Giovanni Paolo Lomazzo, San Pietro e la caduta di Simon Mago (1571) WikimediaCommonsより

 右側廊の奥に独立して並ぶ礼拝堂の、最初は聖フォッパ(San Foppa)礼拝堂で、ロマッツオ(Giovanni Paolo Lomazzo)作の「San Pietro e la caduta di Simon Mago(1571)」のフレスコ画が掲げられています。

 

Cappella della Madonna della Cintura
Cappella della Madonna della Cintura

 二番目は聖母の帯礼拝堂(Cappella della Madonna della Cintura)です。

 三番目は聖マルコ礼拝堂、四番目は聖ジョゼッペ礼拝堂、五番目はキリスト磔刑の礼拝堂、八番目は聖母子礼拝堂と並び、袖廊部分にはアレキサンドロ4世法王がアゴスティノ派を認証している場面を描いた、大きなフレスコ画があります。

 

 左側廊の二番目は東方三王の礼拝、四番目はキリストの変容、五番目はキリストの洗礼と並び、六番目は聖カルロと洗礼者聖ヨハネと聖フランシスコの礼拝堂で、ジョヴァンネ(Palma il Giovane)作の絵が掛けられています。

 

 なお、ブレラ美術館の西側にある、サンタマリア・デレ・カルミネ(Santa Maria delle Carmine)聖堂の正面も聖マルコ聖堂とよく似た造りになっています。

 

 正午から四時までは閉門されます。

 

 

公式Webサイト「Comunita Pastorale Paolo Ⅵ (パウロ 6 世 ミラノ司牧共同体)

https://sanmarcomilano.com/

 

「パウロ 6 世 ミラノ司牧共同体」には以下の4教区がある、

San Marco教区、San Simpliciano教区、Santa Maria Incoronata教区、San Bartolomeo教区

とのことで、トップページに上記4つの聖堂へのリンクがある。

 

11. San Maurizio 聖マウリツィオ聖堂

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Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

 

 地下鉄M1のコルドゥーシオ(Cordusio)から西にメラヴィーリ通り(Via Meravigli)を進み、通りの名前がコルソ・マジェンタ(Corso Magenta)と変わってから、その南側にあります。地下鉄の便はさほど良くはありませんので、ドゥオーモ広場から16番の路面電車を利用してコルソ・マジェンタ(Corso Magenta)で下車することをお勧めします。なお、その先にサンタマリア・デレ・グラツィエ(Santa Maria delle Grazie)聖堂があります。

聖堂右手には市立考古学博物館が併設されています。

 

 16世紀初めにベネディクト派の女子修道院の廃墟となっていた別棟の上に建設されています。

 

 聖堂の入口はマジェンタ通り(Corso Magenta)に面しており、三層構造の正面は階段上に入口が一つ、二層にはアーケード型の細い窓が三連並び、最上層に丸窓がある地味な正面です。

 

Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

 聖堂内は三廊式で、両脇に各 4か所礼拝堂が並んでいますが、奥行きが短いために、単廊式の聖堂のように見えてしまいます。

 

 中央主祭壇には東方三博士の礼拝が描かれ、左右には聖堂建設の奉献者ベンティヴォーリオ(Alessandro Bentivoglio)とその妻のイポリタ(Ippolita Sforza)が洗礼者聖ヨハネや聖チェチリアと共に描き込まれ、その上には聖母被昇天が掲げられています。

 

 右側廊初めから、聖パオロ(San Paolo)、十字架降下(Deposition)、聖カタリナ(Santa Caterina)、この人を見よ(Ecce Homo)礼拝堂が並び、左側廊には祭壇から、十字架降下(Deposition)、洗礼者聖ヨハネ(San Giovanni Battista)、聖ステファノ(San Stefano)、復活(Resurrezione)の礼拝堂が並んでいます。この空間は一般信徒用の聖堂です。

 

 主祭壇の左手から奥に進むと、手前の聖堂と同じ広さで、聖歌隊席を中心にした、修道女の聖堂と呼ばれる聖堂がつながり、一般信徒用の聖堂とは別の空間が広がっています。

 

「修道女の聖堂」360° ヴァーチャルツアー

https://www.360visio.com/wp-content/uploads/2015/MI/SMaurizio/CoroHR/output/index.html

 

 周囲の壁には旧約聖書と新約聖書からの絵画が掲げられていますが、キリストの受難伝が中心に描かれています。正面の修道院への上に最後の晩餐、左手に十字架降下、右手にキリストの捕縛。左上にむち打ち、右上はピラトの前のキリストの絵が掲げられています。

 左右の側廊には 5か所の礼拝堂が並び、右側廊二番目には、ジョヴァン・ジャコモ・アンテニャーティ(Giovan Giacomo Antegnati) 作のパイプオルガンと聖チェチリア(Santa Cecilia)の礼拝堂で、左側廊二番目は聖ピエトロと聖パオロの礼拝堂です。

 

二連式の聖堂ですが、どちらの空間にも多くの絵画が飾られており、美術館のような聖堂です。

12. San Nazaro Maggiore 聖ナザロ聖堂

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 地下鉄M3線のミッソーリ(Missori)駅から路面電車16番か24番でポルタ・ロマーナ通り(Corso di Porta Romana)を南東に向かうと、一つ目の停留所の前に聖ナザロ聖堂があります。

 

 現在地下鉄M4線の工事中で、リナーテ空港(Linate Aeroporto)駅からサン・バビラ(San Babila)駅まで開通しています。

 

 

 2024年中にはスフォルツァ・ポリクリニコ(Sforza Policlinico)駅が開業し、M3線のミッソーリ(Missori)駅で乗り換えできるようになるとのことです。

 

 元は、聖使徒聖堂(Sant'Apostolorum)でした。4世紀にローマ帝政期の城壁の外にあった4か所の聖堂の一つで、当時のミラノ司教の聖アンブロージョにより建設されました。当時としては十字形をした聖堂建築は斬新なデザインでした。聖使徒の聖遺物が埋葬されていましたが、397年に聖ナザロ(St. Nazarus)の聖遺骨が発見され、移葬されたことから聖堂の名前が変更されています。

 

11世紀にロマネスク様式に改築されています。なお、路面電車の走る道から正面に見えるのは、元の聖堂のナルテックス部分に16世紀初頭にブラマンテ(Donato Bramante)により建設されたトリウルツィオ霊廟(Trivulzio Mausoleum)です。長方形の武骨な建物に見えますが、中は八角形の塔で棺が納められています。

裏手に回ると本来の聖堂が見えてきます。

主祭壇 WikimediaCommonsより
主祭壇 WikimediaCommonsより

 聖堂内はラテン十字で中央主祭壇奥のアプシスには聖ナザロの聖遺骨が安置されています。

 交叉廊の中央には八角形の塔が載り、左袖廊の南側に聖カレリーナ礼拝堂があります。

 

 

 収納されている絵画などより、構造上興味のある聖堂です。

13. San Sebastiano 聖セバスティアーノ聖堂

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WikimediaCommonsより
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 ドゥオーモ広場から南西に向かうトリノ通り(Via Torino)を進むと右側に見えてきます。なお、そのまま進むと聖ジョルジョ・アル・パラッツオ(San Giorgio al Palazzo)聖堂が同じく右側に見えてきます。

 

 1576年にミラノに蔓延した疫病が終焉したことに感謝して1577年から建設された聖堂です。

枢機卿でミラノの大司教だった聖カルロ・ボッロメオ(San Carlo Borromeo)が、ペリグリーノ・ティッバルディ(Pellegrino Tibaldi)に設計させたイエズス会の聖堂です。聖フェデーレ聖堂も手掛けています。

 

 本来、トレント公会議後の精神を基に新たに建設される聖堂は、矩形で長さが求められましたが、この聖堂は従前の聖堂を改築したことで、ローマのパンテノンを彷彿とさせる円筒形の聖堂でした。円筒形の上に一回り小さな円筒を載せ、その上にドームが載った形でしたが、その後1617年にファビオ・マンゴーネ(Fabio Mangone)が内陣を追加し、その上にドームを載せたことで、円筒形に矩形の建屋が接続し、ドームが2個載っている形となっています。全体として小さな聖堂です。

 聖堂内は八角形で、正面に内陣が突き出ており、右手に受胎告知の絵がある礼拝堂、左手にピエタ像が配置された礼拝堂、聖セバスティアーノの殉教場面の絵のある礼拝堂が並び、入口の左右にはオルガンが配置されています。

 

 なお、ドームを支える八本の柱にはローマ門、ヴェネティア門など、ミラノ市の主要な門を表す紋章が付いています。

 

14. San Sepolcro 聖セポルクロ聖堂

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 ドゥオーモ広場からトリノ通り(Via Torino)で南下し、サンタマリア・プレッソ・サン・サティロ(Santa Maria presso San Satiro)聖堂を左に見て、次のアソーロ通り(Via delle Asole)に右折し、突き当りを左折すると聖堂の正面前の広場に出ます。

 

 1030年にロゾーネ(Benedetto Rozone)の設計で建設された歴史を持つ古い聖堂です。

 その後、1578年にミラノの大司教で、後に列聖された聖ボッロメオ(Carlo Borromeo)により再建され、1605年にはボッロメオ枢機卿(Federico Borromeo)により、バロック様式に改修されています。その後も1717年に改築されていますが、正面は1894年に煉瓦積みの、当初のロマネスク様式に近い姿に改築されています。

 

 入口は 1か所で、中央がせり出ており、3連式のアーチが並んでいるために柱廊があるように見えます。両脇に鐘楼と時計台が同じ高さで聳えています。

 聖堂内は三廊式で、主祭壇の下には横たわるキリスト像が置かれ、奥には昇天するキリストを載せたキボリウムが置かれており、下から聖ピエトロ他聖人と天使が見上げている彫刻があります。

 聖母子と聖ボッロメオ、聖母子と枢機卿ボッロメオの絵が掲げられています。

 この聖堂の大きな特色はテラコッタの群像にあります。

哀悼、はフォンデュリス(Agostino de Fondulis)派の作品とみなされています。キリストが弟子の足を洗う洗足、やキリストの捕縛、等どれも等身大で、彩色されており、臨場感があります。

 

注:フォンデュリスの作品で傑作とされるのは、サンタマリア・プレッソ・サン・サティロ(Santa Maria presso San Satilo)聖堂にある、哀悼の群像です。