サンマリノ San Marino

San Marino_国会_Palazzo Pubblico
San Marino_国会_Palazzo Pubblico

 

【アクセス】

 ミラノから鉄道で東に向かい、アドリア海の港町のリミニ (Rimini)まで特急では2時間で着きますが、ローカル線では5時間かかります。

 ボローニャ (Bologna)からはローカル線を利用して2時間です。

 

 サンマリノ共和国のサンマリノ市には、リミニからバスを利用して1時間で到着します。バスは1時間に一本ありますが、観光シーズンには相当混雑します。

 

 サンマリノ共和国の人口は3万人ほどで、首都のサンマリノ市には5,000人に満たない人しか住んでいません。そこに毎年200万人の観光客が訪れています。

 

 サンマリノ共和国は周囲をイタリアに囲まれた山の中にある国で、イタリアの国内にありますが、独立国です。入国ビザなしでの入国許可条約に加盟しているので、入国審査無しで入国できますが、独立国ですからしかるべき場所に行くとパスポートに入国証を入手することができます。サンマリノ共和国発行の切手にスタンプが押されます。

 

 欧州ではヴァティカン (Vatican)とモナコ (Monaco)に次いで小さな国です。

 

 サンマリノへの玄関口がリミニ (Rimini)ということで、エミリア・ロマーニャ州に入れています。

San Marino_国旗
San Marino_国旗

【歴 史】

 サンマリノの名前は3世紀の聖マリヌス (San Marinus)から来ています。マリヌスは現在のクロアチア (Croatia)の人で、当時はローマ帝国領でした。ローマ皇帝ディオクレティアヌス帝のキリスト教徒迫害を避け、アドリア海を渡って (Marinusは海の意)ローマに住んだ石工でした。その後リミニの助祭となりますが、最後は山の中に祠を造って生活した隠者です。

 

 サンマリノ共和国は1243年から現在まで、国家元首と国内政治の長の二名の執政官が60人の評議委員の互選で選出される制度を維持してきています。任期は半年間と短く、連続はできません。また欧州連合 (European Union)には加盟していませんが、通貨としてユーロ(€)の使用が認められています。

San Marino_Rocca Guaita (グアイタ城)
San Marino_Rocca Guaita (グアイタ城)

 

【町を歩く】

 サンマリノ共和国の国旗に記されている三個の城は、サンマリノ市にあるティターノ山 (Monte Titano)の三か所の頂にそびえています。

 

 11世紀に建設された一番大きなグアイタ (Guaita)城、一番高い場所にある13世紀建設のチェスタ (Cesta)砦、14世紀のモンターレ (Montale)砦で、この三か所の城をめぐるには、細い山道を上り下りしながら行き来することになります。

 

San Marino_Torre Cesta (チェスタ砦)
San Marino_Torre Cesta (チェスタ砦)

 なお、国内で一番高いティターノ山でも高さは750mほどしかありませんが、サンマリノ共和国の国会 (Palazzo Pubblico)があるサンマリノ市の中心のリベルタ広場 (Piazza della Libertà)は馬の背のような山の上にあるので、バス停からどこに行くにしても急な坂道を登り降りすることになります。それだけにリベルタ広場からの眺望は見事です。

 

 

 国会の正面には聖アガタ (Sant'Agata)、聖マリノ (San Marino)、聖レオ (San Leo)の立像が描かれています。

 

San Marino_Torre Montale (モンターレ砦)
San Marino_Torre Montale (モンターレ砦)

 

 

 

 サンマリノ国内には宿も少ないので、リミニに宿をとって一日観光で訪問することをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

【その他の情報】

 イタリア政府観光局公式サイト

 サンマリノ歴史地区とティターノ山 (世界遺産)

 

 

 

 サンマリノワインの総代理店「株式会社オッジフルッタ」のサイト「SAMMARINESE」→「サンマリノ共和国とは

 

 

1. Basilica di San Marino 聖マリノ聖堂

 

 市の中心のリベルタ広場 (Piazza della Libertà)のすぐ北にあり、その先は絶壁になっています。

 

 聖堂前には広場があり、全体を見渡すことができます。正面は東南を向いています。

 

 

 

 

 

 聖マリノが暮らした4世紀の庵の跡に7世紀に聖堂が建設され、現在の聖堂は1826年に建設された新古典様式の聖堂です。

 

 正面には八本のコリント式柱頭飾りのある円柱が柱廊を構成しています。右に鐘楼があります。 

 

 

 

 

Basilica di San Marino Interno (Wikimedia Commonsより)
Basilica di San Marino Interno (Wikimedia Commonsより)

 

 聖堂内は三廊式で、八本のコリント式柱頭飾りのある円柱が蒲鉾天井を支えています。

 

 

 右側廊の最初は聖母の前のキリスト、左側廊の二番目はロレトの聖母子の礼拝堂になっています。

Chiesa di San Pietro
Chiesa di San Pietro

 

 

 

 

 なお、聖堂の前、右側に小さな聖ピエトロ聖堂 (Chiesa di San Pietro)があります。

 

 1689年に建設された聖堂で、聖マリノの寝室があった場所と言われています。

 

 

2. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

写真右奥が ロコ門 (Porta del Loco または Porta San Francesco)
写真右奥が ロコ門 (Porta del Loco または Porta San Francesco)

 

 バス停から一つ上の道にあるロコ門 (Porta del Loco, Porta San Francesco)をくぐると坂の途中の右側にあります。正面は北西を向いています。

 

 

 

 

 数段の階段を上がり、一か所の扉口の前にはナルテックスのように差し掛け下屋があり、上には丸窓があります。

 

 切妻式の小さな聖堂で、1351年 (1361年から1381年の説あり)に建設されています。

 

 

 

 聖堂内は単廊式です。

 

 

 

 主祭壇にはキリストの磔刑像と、キリストの復活が描かれた祭壇衝立があります。

 

 

 

 両脇には二枚ずつ絵が掛けられています。

 

 左隣に博物館があります。