スポレート Spoleto

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 スポレート (Spoleto)は、ウンブリア州ペルージャ県にある町。

 

 

街の説明

ローマから国鉄を利用した場合、直行便も日中は2時間に1本程度は有りますので、簡単に訪れることができます。所要時間は2時間を見ておけばよいでしょう。

また、フィレンツエからも直行便が有りますが、本数は少ないので、テロントーラ・コルト-ナ(TerontolaCortona)、フォリーニョ(Foligno)、等で乗り換えることで訪れることができます。但し接続便を確認しておくことをお勧めします。なお、3時間以上かかります。

駅は街の北端に在り、旧市街へはバスを利用して1キロ程、坂道を登って行くことになります。

大型のバスは旧市街には入れません。近くで降りてから徒歩で街中に入ることになります。なお、ミニバスが運行されていますが、経路が不明で、街中を移動する手段として利用するのは不便です。大きな街ではありませんので、ゆっくり歩いて見て廻ることができると思います。

旧市街は城壁で囲まれており、現在でもその多くが見られます。城壁内の中心地は丘の上に在るので、どこに行くにも坂道を登ったり降りたりすることになります。直線の道はマッツーニ通り(Corso Mattini)以外には有りませんので見通しが悪い上に、主要道路は交叉していません。曲がった坂道、階段が多くて接続が悪く、地図を持っていても場所の確認に難儀します。

スポレートの街の歴史は古く、ローマ帝国時代には存在しており、その遺跡を見ることができます。

先ず、テッシーノ(Tessino)川を渡り、旧市街に入ると大きな円形劇場の遺跡(Anfiteatro Romano)が見られますし、旧市街を昇って、中央部に在るリベルタ広場(Piazza della Liberta)には半円形の劇場跡(Teatro Romano)が在ります。このような大型の遺跡の他に、ローマ帝政時代の柱を建物の一部に活用していたり、ローマ帝政時代からの噴水や、門が街中に在ったり、とローマ帝政時代の遺跡を街中に多く認めることができます。古代と中世が現代に違和感なしに繋がり、共存している古都と言えるでしょう。

 

街の一番高い所に位置するアルボルノツィアーナ城(Rocca Albornoziana)へはテッシーノ川に掛るポンツィアニーナ門(Porta Ponzianina)の近くから、無料の長いエスカレーターがあります。また、リベルタ広場付近からモンテローネ門(Porta Monterone)付近に向けてもエスカレーターが有り、聖ピエトロ聖堂へ行く際に利用することができます。その他に街中にもエスカレーターが有りますので、上手く利用すると便利です。

 スポレート Spoleto

 

 1. Duomo (S. M. Assunta)

 2. San Domenico

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Duomo   ( Cattedrale di Santa Maria Assunta) 大聖堂

 テッシーノ(Tessino)川を渡って旧市街に入り、山の頂上に見えるアルボルノツィアーナ城に向かってドゥオーモの高い鐘楼を目印に坂道を登って行くとドゥオーモ広場に出ます。街の中央の高台に在る市庁舎から向かうと長い下り階段の下に大聖堂の全貌を望むことができます。

1175年から1227年に掛けて、初期キリスト教の聖堂が在った跡にロマネスク様式で建造されています。左脇の鐘楼は13世紀の建設で、正面下部の柱廊は15世紀に追加されています。中層には薔薇窓が5箇所見えますが、中央の一際大きな薔薇窓の四隅には4大福音書記者の表象が配置され、下には柱と共に支える二人の人物像が彫られています。上層には薔薇窓が3箇所シンメトリーに並び、中央にソルステルノ作(Solsterno1207年、の金色に輝く玉座のキリストのフレスコ画が見えます。

聖堂内は三廊式で床は12世紀ですが、それ以外は17-8世紀に改修されています。

正面の中央祭壇奥のアプシスにはフィリッポリッピの(Fra Filippo Lippi15世紀後半の作品、「聖母の御眠り」が描かれ、左に「受胎告知」、右に「降誕」が、その上の天蓋部分には「聖母の戴冠」が色彩鮮やかに描かれています。なお、「聖母の御眠り」の上方を見ると、円形状に修復された跡が見えますが、以前には「聖帯授与」が描かれており、聖トマスと思われる人物も見えます。

 聖遺物容器の収容される礼拝堂(Cappella delle Reliquie)には、13世紀の作の聖母子画と聖フランシスコがレオン(Leon)に当てた手紙が収容されています。

入口右手のレオナルドの礼拝堂にはピントリッキオ作(Pintlicchio)の「聖母と使徒達」の他にも多くのフレスコ画で装飾されています。

 

なお、フィリッポリッピの墓は聖堂右手の壁に在ります。

San  Domenico   聖ドメニコ聖堂

 街の中心地から南端に向かい坂を下ると市立博物館の有るコリコーラ宮(Palazzo Collicola)前に出ます。その裏に聖ドメニコ広場が在り、聖堂の正面が見えます。白と薄いピンク色の縞模様の大きな建物で、13世紀から14世紀に建設されました。17世紀以降はバロック式に改修されましたが、再度ゴティック式に改装し直されています。

聖堂は単廊式で、中には多くのフレスコ画が掲示されています。ベネデット礼拝堂(Benedetti di Montevecchio)にはキリストの磔刑の際の釘が聖遺物として収納されています。

 なお、隣接して、元聖ウフィツイオ聖堂(Ex Carceri del Sant’Uffizio)が在ります。

 

 

San Filipo Neri   聖フィリポネリ聖堂

 旧市街の目抜き通りであるコルソ通りの西の端に在る、17世紀のバロック様式の聖堂です。聖堂前のメンターナ広場(Piazza Mentana)から聖堂正面を展望することができます。

聖堂正面には3箇所の入口が在り、10本の片蓋柱が並ぶ壮大な造りです。

 

 聖堂内は三廊式で、中央祭壇には聖人の像が安置され、上には大きなドームを戴いています。右手に「キリストの磔刑図」が見えます。

San Nicolo  聖ニコロ聖堂

  駅前通りからヴィットリア広場に向かい、旧市街に入り、ガリバルディ通りを進み坂道を登り始めるとオリオ塔広場(Piazza Torre dell'Olio)に出ます。エラディオ通り(via Elladio)を進むと左手に見えてきます。

 

14世紀に修道院として建設されましたが、現在は隣接するサンタマリア・デラミゼリコルディア聖堂が劇場として利用されているように、この聖堂もまた、聖堂としての役割を果たしていません。

San Pietro   聖ピエトロ聖堂

 街の北東に離れて存在しています。

 5世紀の墓所に建設されていた初期キリスト教の小型の聖堂を12世紀になってロマネスク様式で再建しています。聖堂は三層構造で、正面には3箇所に入口が在り、其々の両脇にはライオンの彫刻が置かれています。中央の入口周辺は旧約聖書と新約聖書から題材を得た浮彫で飾られていますが、ロマネスク様式の特徴でもある、人や獣を襲うライオンの他、鳥、羊、鹿、葡萄、蛇、奇怪な動物、の浮彫も見られます。初期キリスト教の理念の表現と見做される図像の最盛が見られ、図像学的にも興味の深いものです。

二層目に在る丸窓の四隅には4大福音書記者の表象の浮彫が見られます。三層目にも聖人と動物の浮彫が施されています。

 

聖堂内は三廊式ですが、アプシスにはキリストの磔刑像が在るだけです。左右の側廊には祭壇も見られますが、聖堂正面の浮彫とは大きく異なり、取り立てて装飾の無い、シンプルな構造となっています。

San Ponziano    聖ポンツィアーノ聖堂

旧市街からポンツィアニーナ門(Porta Ponzianina)を出てテッシーノ(Tessino)川を渡り、レッテレ通り(via

Delle Lettere)を北上し、フラミニア大通り(via Flaminia)をこぐって北東に向かうと、右手の丘の上に在ります。更に進むと聖サルバドーレ聖堂に至ります。

12世紀に建造されたロマネスク様式の聖堂です。左手に大きな鐘楼が聳え立ち、正面中央に一つの入口と脇には二頭のライオン像が在りますが、上の丸窓の脇に在る4大福音書記者の浮彫同様に風化がかなり進んでいます。外観は非常にシンプルな聖堂です。

聖ポンツィアーノはスポレート市の守護聖人です。

聖堂内は三廊式で、改修されており中央祭壇は殉教図が飾られています。中央祭壇脇から狭い通路を下って行くと、地下の聖堂に出ます。上層部の聖堂とは雰囲気を一変して、厳粛な中世の世界に踏み込むことになります。中央の祭壇前に石棺が並び、キリストの磔刑図や聖母子のフレスコ画が色彩鮮やかに残っています。

 

翼廊にあたる部分に在る大天使ミカエルのフレスコ画には奉納者が描かれています。

San Rocco  聖ロッコ聖堂

 旧市街を東に向かい城壁を出て城壁に沿って北上し、カルロ通り(via San Carlo)に右折すると、右手に出てきます。なお、左手の奥に聖ピエトル聖堂が見えています。

 

八角形のドームが載るギリシャ十字形の聖堂です。

San Salvatore  聖サルバドーレ聖堂

 旧市街からポンツィアニーナ門(Porta Ponzianina)からテッシーノ(Tessino)川を渡り、レッテレ通り(via

delleLettere)を北上し、フラミニア大通り(via Flaminia)をこぐって北東に向かうと、左手に墓所が見

えてきます。

街の北西の端に位置し、境内はスポレート市民の墓所となっていますが、入口近くは特に裕福な家族の

墓所となっており、家族用の大きな祠が数多く並んでいます。墓所の前には花屋さんが在り、先祖への献花に訪れる家族も見られます。

通路の右手の山側に在る聖堂は、帝政ローマ時代にローマの神々を祀った神殿を活用したもので、初期キリスト教が帝政ローマ時代の建屋を漸時利用して発展していった経過を垣間見ることができます。都市の内部に在る中世以降に建設された聖堂や、改築、改修を重ねて行った聖堂を見慣れた者には或る種の新鮮さを与えるかもしれません。

聖堂の正面は改修されており、注目には当りませんが、聖堂内に入るとその雰囲気は大きく変わります。

聖堂内は三廊式と言える構造になっていますが、側壁には粗石がむき出しのまま天井まで積み上げられ、正面には祭壇は有りません。アプシスにキリストの磔刑図が掲げられただけです。進むにつれ、コリント式やイオニア式の柱頭飾りの有る堂々とした円柱が並び、正にローマの神殿の光景が見えてきます。高い天井は開放感を与え、高い窓から明るい日差しが差し込んでいます。聖堂内にはフレスコ画もほとんど残っていません。

 

とてもキリスト教の聖堂のなかに居る雰囲気ではありません。

Santa Maria della Manna d’Oro  サンタマリア・デラマンナド-ロ聖堂

 

 大聖堂に向かって左手に位置し、八角形の独特な形態を見せています。ドゥオーモ広場から見ると二階建の聖堂ですが、裏手に回ると、坂に建設されていることから、見上げるほどの高さが在ることが判ります。スポレートの商人の保護を祈念して16世紀から17世紀に掛けて建設されました。隣接して聖エウフェミア聖堂が在ります。

Santa Maria della Misericordia  サンタマリア・デラミゼリコルディア聖堂

 駅前通りからヴィットリア広場に向かい、旧市街に入り、ガリバルディ通りを進み坂道を登り始めるとオリオ

塔広場(PiazzaTorre dell'Olio)に出ます。エラディオ通り(via Elladio)を進むと左手に聖ニコロ聖堂見えてきます。

14世紀に建設された聖堂ですが、現在は改修されて、劇場として利用されており、聖堂の機能を果たしていません。脇から階段を下りて、サンタマリア・デラピアッジャ聖堂の有る広場に出ると、見上げるほどの高さの八角形の後陣の形態が見えます。

(注:聖ニコロ聖堂を参照してください。)

 

 

Santa Maria della Piaggia     サンタマリア・デラピアッジャ聖堂

駅前通りからヴィットリア広場に向かい、旧市街に入り、ガリバルディ広場から円形劇場通り(via Anfiteatro Romano)進み、クアドリオ(via Quadrio)通りに右折すると聖堂前の広場に出ます。聖堂前は広い駐車場になっています。

 

16世紀から17世紀に掛けて改修された聖堂で、入口は東側に在り、4本の片蓋柱が支える背の高い聖堂です。

Sant’Agata    聖アガタ聖堂

 街の高台に在るリベルタ広場には、古代のローマ劇場の跡が在りますが、その脇に在ります。上方からは聖堂の後陣の半円形が見えます。

 

現在考古学博物館の一部になっており、聖堂としての役割を果たしていません。

Sant’Ansano   聖アンサノ聖堂

 半円形の古代ローマ劇場の在る、リベルタ広場から北上し、メルカト広場(Piazza del Mercato)に向かって細い石畳の道を曲がると、道を覆うアーチ(Arc di Druso e Germanico)が見えます。このアーチの支える建物が聖堂です。街で一番古い聖堂で、1世紀のローマ時代の神殿をキリスト教の聖堂に転用した初期キリスト教時代の聖堂です。正面の4本の太いイオニア式の円柱を含め、聖堂は18世紀に改修されています。

 

 聖堂内は単廊式で、中央祭壇には聖者の殉教の場面を描いた絵画が飾られています。取り立てて見るべきものは有りませんが、6世紀半ばにこの地に来た聖イザクの時代の聖堂跡がクリプト(Cript di San Isacco)となっています。現在入室出来ませんが、12世紀のフレスコ画が残されています。なお、クリプトには帝政ローマ時代の列柱を垣間見ることができます。建屋の外からも当時の地上レベルまで下って中を見ることができます。

Sant’ Eufemia   聖エウフェミア聖堂

 大聖堂前の広場からは半円形が三つ連なる後陣が見られます。

12世紀に3廊式のロマネスク様式で建設され、2階にはギャラリーが在ります。2015年現在修復中で中には入れません。なお、司教館博物館も併設されています。

 

 

Santi Giovanni e Paolo 聖ジョバンニとパウロ聖堂

 コルソ通りの西の端に在る、聖フィリポネリ聖堂からサンタマリア・デラマンナド-ロ聖堂に向かってトバジ通り(via Tobagi)にはいり、直ぐに左折して坂道を下った所に在ります。

 

12世紀のロマネスク様式の小さな聖堂です。建屋の側面にフレスコ画が掲げられていますが、風化が激しく、場面は判りません。現在聖堂としての機能は果たしていません。中にはトマスベケットの殉教の場面を描いたフレスコ画が有るとのことです。

Santi Stefano e Tommaso  聖ステファノとトマソ聖堂

 駅前通りからヴィットリア広場に向かい、旧市街に入り、ガリバルディ広場から円形劇場通り(via Anfiteatro Romano)に進むと左手に見えてきます。18世紀の聖堂です。