シエナ  Siena_2

16. San Pietro alle Scale 聖ピエトロ・アッレスカーレ聖堂

 

 大聖堂の正面に向かって右手から延びるカピターノ通り (via del Capitano) を進み、国立美術館 (Pinacoteca Nazionale) を過ぎると正面の階段上に見えてきます。

 

 シエナに2カ所ある、ピエトロに奉献した聖堂の一つで、12世紀にロマネスク様式で建設されましたが、17世紀にバロック様式に改修されています。

 

 正面入口の脇には片蓋柱が各2本並び、アクセントを付けています。入口上のティンパヌムに「聖ペトロの勝利」1706年、の浮彫が見えます。

 

 ステンドグラスは聖ピエトロの磔刑です。鐘楼は1699年の建造です。

 

 アプシスにはラスティーチ作 (Francesco Rustici) の「マリアの勝利」。

 

 左側面の多面祭壇画はロレンゼッティ (Ambrogio Lorenzetti) 作「聖母子と聖人」で、サリンベーニ作 (Ventura Salimbeni)「聖ロックと聖カテリーヌ」も見えます。

17. Chiesa dei Santi Quirico e Giulitta 聖クイーリコとジュリッタ聖堂

 

 大聖堂の正面に向かって右手から延びるカピターノ通り (via del Capitano) を進み、最初の広場 (Piazza Postierla) を右折し、スタッリョレッジ通り (via Stalloreggi) からカステルヴェッキオ通り (via di Castelvecchio) に左折し、直ぐに右折して坂道を登った突き当たりにあります。

 

 煉瓦造りの一般の家屋に同化している建物ですが、現在聖堂としての機能を果たしていません。

 

 なお、元聖堂の前の通りは、現在でも聖クイーリコ通りとなっています。

18. Chiesa di San Raimondo al Refugio 聖ライモンド・アルレフージオ聖堂

 

 カンポ広場の外側を廻るチッタ通り (via di Citta) からバンキ・デソット通り (Banci de Sotto) に進み、更にパンタネート通り (via Pantaneto) に名称が変わり、更にローマ通りと変わってから、ローマ門に向かって進むと左側に広場が出てきます。広場に聖堂の正面が面しています。

 

 白い大理石の小さな聖堂で入口の脇を片蓋柱が三層まで貫いています。

19. San Sebastiano in Valle Piatta 聖セバスティアーノ・インヴァレピアッタ聖堂

 

 大聖堂に向かって左側の狭い道 (vicolo San Girolamo) を下って行くとセルヴァ広場 (Piazza dellaSelva) に出ます。ロマネスク様式の聖堂です。

20. Santuario di Santa Caterina 聖カテリーナ聖堂

 

 聖ドメニコ聖堂からサピエンツア通り (Via della Sapienza) を東に向かい、最初の角を右に折れ、急坂を下って行くと、カテリーナ通りと交差し、右折したところに、聖カテリーナの生家があり、その前にあります。

 

 分かりにくい所ですが、聖カテリーナの生家の案内板に従っていくと分かりやすいと思います。

 

 単廊式の小さな聖堂です。

 

 中央祭壇にはキリストの磔刑の板絵が飾られ、アプシス上はバロック様式の華やかな絵で飾られています。

 

 

 なお、聖カテリーナはシエナ出身の法王、ピウス2世(1458-64) により列聖されました (ドゥオーモのピッコローミニ図書館内にピントリッキオ作「ピウス2世による聖カテリーナの列聖」がある)が、1939年に法王ピウス12世により、イタリアの守護聖人と宣言されています。

 

 現在でも多くの信者や観光客が生家を訪れています。

21. Chiesa e convento della Maddalena マッダレーナ聖堂

 

 ドゥオーモからカピターノ通り (Via del Capitano)を南東に向かい途中からサン・ピエトロ通り (Via San Pietro)と名前が変わり、坂道を登って聖アゴスティノ聖堂前の空き地に出て、旧市街の南端にあるトゥーフィ門 (Porta Tufi)に向かう坂を下ってピエール・アンドレア・マッティオリ通り (via Pier Andrea Mattioli)を南下すると植物園 (Orto Botanico)が右手に出てきます。その先にあります。

 

 

 もともと小さな聖堂でしたが、現在廃墟となっており、聖堂の機能を果たしていません。

 

 なお更に坂道を下るとトゥーフィ門 (Porta Tufi)に至ります。

22. Basilica di San Clemente in Santa Maria dei Servi サンタマリア・デイセルヴィ聖堂

 

 カンポ広場の外側を廻るチッタ通り (via di Citta) からバンキ・デソット通り (Banci de Sotto) に進み、更にパンタネート通り (via Pantaneto) に名称が変わってしばらく進み、聖ジョルジョ聖堂を過ぎて噴水のある交差点を右手にジロラモ通り (via San Girolamo) に下り、聖ジロラモ聖堂に出ると坂の上 (via dei Servi) に見えてきます。

 

 または、噴水のある交差点を更にローマ門に向かって進み、細いクレメント通り (vicolo San Clement) に右折すると聖堂の脇に出ます。

 

 旧市街の南の高台にあるロマネスク様式の大きな聖堂です。聖クレメント聖堂 (San Clement) の跡に13世紀建設に建設され、15世紀まで拡張が続きました。

 

 正面は粗石のままで、右手に大きな鐘楼が聳え、大きな聖堂にもかかわらず入口は中央に一つだけで、薔薇窓もなく、無骨な印象を与えます。

 

 聖堂内は一変して、見事な絵画、装飾で溢れています。一見すると三廊式に見えますが、ルネサンス期に左右の側廊の脇に柱の数だけ礼拝堂が追加拡張されており、五廊式と言えます。

 

 中央祭壇にはベルナルディーノ作 (Bernardino Fungai) 1501年、の大きな「聖母の戴冠」が飾られ、内陣には背の高い聖職者席が半円形で並んでいます。アプシスのステンドグラスは19世紀の物です。

 

 アーチの乗る円柱の柱頭飾りはイオニア式です。

 

 右翼廊奥にはキリストの磔刑の板絵があり、正面に並ぶ最右翼の祭壇にはメンミ作 (Lippo Memmi) の「ポポロの聖母」の小さな絵が見えます。

 

 側面にはマッテオ作 (Matteo di Giovanni) 1491年、「赤子の虐殺」が描かれ、中央の左手の祭壇には、胸に多くの剣が刺さる「悲しみの聖母像」が、最左翼の祭壇にはタッデオ作 (Taddeo di Bartolo) 1404年、「羊飼いの崇拝」と、その脇壁にはピエトロ・ロレンゼッティ作 (Pietro Lorenzetti)「ヘロデ王の宴」、「聖ヨハネの死」のフレスコ画が描かれています。

 

 右手の3番目の礼拝堂にはコッポ作 (Coppo di Marcovaldo) 1261年、「聖母子と天使」があるほか15世紀から16世紀のシエナ派の絵画が多く飾られています。また、入口付近のキリストの磔刑図は14世紀で、洗水盤は13世紀のものです。

 

 なお、聖堂前からはシエナの旧市街が一望でき、お勧めの絶景ポイントです。

23. Santa Maria della Scala サンタマリア・デッラスカラ施療院

 ドゥオーモの正面の前の広場を介して対面にあり、一般の家屋と見間違える建屋の中にあります。

 

 北イタリアからローマへの重要な街道上に位置する街として、シエナは活況を呈しますが、9世紀以降巡礼者や貧困者を救済する目的で建設されたことを起源に持ちます。

 

 1300年の聖年の以降ローマへの巡礼は一層盛んになり、巡礼者の宿として、また市内の貧窮者を受け入れる慈善事業の中枢に位置していたのがこのサンタマリア・デッラスカラ施療院でした。

 

 その活動の歴史を示す大きなフレスコ画が巡礼の間一面に描かれています。施療院の建設・巡礼の受け入れ・婚礼・食物の配布・治療の実体・教育・介護・施療等が細かく描かれています。

 

 

 地下には礼拝堂があり、聖遺物容器も収容されています。

 

 なお、考古学博物館も併設されており、エトルリア時代の墓石も多数展示されています。

24. Chiesa della Santissima Annunziata サンティッシマ・アヌンンツイアータ聖堂

Santa Maria della Scala (Wikimedia Commonsより)
Santa Maria della Scala (Wikimedia Commonsより)

 

 サンタマリア・デッラスカラ施療院に接続しており、15世紀の建設です。

Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

 

 中央祭壇にはベッキエッタ作 (Becchietta)「復活のキリスト」像が立ち、アプシスにはコンカ作 (Sabastiano Conca) 1732年、「ベセスダの霊泉」のフレスコ画が飾られています。

25. Chiesa di Santa Maria di Provenzano サンタマリア・プロヴェンツアーノ聖堂

 

 旧市街のメイン通りであるバンキ・ディソプラ通り (Banchi di Sopla) に面したトロメイ広場 (Piazza Tolomei) から左手に廻り、モロ通り (via del Moro) を進むとプロヴェンツアーノ広場に出ます。

 

 宗教改革に対抗して民間主導で慈善事業活動が盛んになり、法王庁からは平信徒への霊的な指導が行われるなか、マリア信仰が一層盛んになって行きます。その流れの中で、16世紀末にスペインの兵士が壁龕にあったマリア像を射撃訓練の標的とした際、銃が暴発したとの事件が起こり、その後このテラコッタ製のマリア像は多くの奇跡を起こしています。

 

 このマリア像を祀って建造されたのが、この聖堂です。しかもローマの聖ジェス聖堂 (San Gesu:ローマの項をご参照ください) をヴィニョーラが模倣して設計しています。聖堂は1595年に建設が開始され、1604年に完成しています。早くも1634年には法王により、参事会教会に格上げされています。

 

 聖堂正面は二層式で、下段の入口の脇と上段の窓の脇にはそれぞれ壁龕があり、聖人の彫刻が納められている小さいながらも堂々とした造りです。

 

 聖堂内は、宗教改革に対抗して建設された当時の時風を反映し、信徒に対して説教が良く届くように単廊で、身廊は短い造りになっています。なお、奇跡のマリア像が祀られています。

 

 7月のパリオの祭典の際には、パリオの旗はこの聖堂からカンポ広場に持ちだされ、優勝した後には勝利者により感謝の祈りが挙げられると言う、栄誉ある聖堂です。

26. Santa Maria in Portico a Fontegiusta サンタマリア・インポルティコ・アフォンティジェスタ聖堂

 

 シエナの街を護る城門の一つ、北端のカメリア門から、コモリア通り (via Comollia) に入り、フォンテギウスタ通り (via Fonte Giusta) を下ると正面にあります。

 

 1480年頃の建設で、ほとんど正方形の造りです。入口の上には聖母の浮彫があります。

 

 その上の丸窓にも聖母子のステンドグラスが見えます。

 

 

 聖堂内は三廊式で、ルネサンス様式を踏襲しています。

 

 

 正面には聖母の生涯を題材とした絵が描かれ、側壁にも聖母戴冠や聖母被昇天が描かれています。

27. Chiesa e convento di Santa Mustiola 聖ムスティアラ聖堂

Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

 

 ドゥオーモから南に向かい、坂道を登って聖アゴスティノ聖堂前の公園に出て、旧市街の南端にあるトゥーフィ門 (Porta Tufi) に向かい坂を下って (via Pier Andrea Mattioli) 行くと右手にあります。

Santa Santa Maddalena と Santa Mustiola
Santa Santa Maddalena と Santa Mustiola

 

 自然史博物館 (Museo di Storia Naturale) の一部となっています。その先に植物園 (Orto Botanico) があり、更にその先が聖マッダレーナ聖堂です。

聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)
聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)

28. Sant'Agostino 聖アゴスティノ聖堂

 

 大聖堂の正面右手から延びるカピターノ通り (via del Capitano) を進み、国立美術館 (Pinacoteca Nazionale) を過ぎると正面に聖ピエトロアッレスカラ聖堂が見えてきます。そのまま道なりに坂道を登って行くと、聖堂前の公園に出ます。

 

 街の南西にある大きな聖堂で、サンタマリア・デイセルヴィ聖堂と谷を挟んで対峙しています。

 

 1258年に修道院として建設されました。18世紀に罹災しています。

 

 収納されていたとされるマッテオ作 (Matteo di Paolo) 「赤子の殺害」は現在サンタマリアデラスカラ施療院脇のサンティッシマ・アヌンツイアータ聖堂に展示されています。

29. Santi Pietro e Paolo 聖ピエトロ・エパオロ聖堂

 

 大聖堂の正面右手から延びるカピターノ通り (via del Capitano) を進み、国立美術館 (Pinacoteca Nazionale) を過ぎると正面に聖ピエトロアッレスカラ聖堂が見えてきます。そのまま道なりに坂道を登って行き、3本目のチェルキア通り (via delle Cerchia) を右折し、聖ルカ聖堂前を左折してスペランディエ通り (via delle Spirandie)  を進むと左手に大きなドームが見えてきます。

 

 1361年に現在地に移転し、1622年に拡張されています。ドームは八角形の柱が支える大きなものです。

 

 なお、内陣にはアンドレア (Andrea) 作「聖母戴冠」、ペトロッツイ (Astolfo Petrozzi) 作「聖パオロの死」があるようですが、現在

 コントラーダ の一つ「蝸牛」の会館として活用されており、聖堂としての機能を果たしていません。

Wikimedia Commonsより
Wikimedia Commonsより

30. Chiesa di Santo Spirito 聖スピリト聖堂

 

 カンポ広場の外側を廻るチッタ通り (via di Citta) からバンキ・デソット通り (Banci de Sotto) に進み、さらにパンタネート通り (via Pantaneto) に名称が変わってしばらく進むと、左手の坂の下にスピリト広場 (Piazza Santo Spirito) がみえ、そこに聖スピリト聖堂があります。

 

 1345年建設された後、ドメニコ派の聖堂になり、1498年から1504年にかけて再建されています。ドームは1504年の建設です。

 

 スペイン系の墓や絵画が見られ、スペイン礼拝堂にはソドマ作 (Sodoma)「聖ジェームズ」「聖母と聖人」があります。その他にペトラッッツィ作 (Astolfo Petrazzi)「パラオのフランチェスコ」があります。

聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)
聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)

31. Oratorio della Compagnia della Santissima Trinità 聖三位礼拝堂

聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)
聖堂内部 (Wikimedia Commonsより)

 

 サンタマリア・デイセルヴィ聖堂の裏手にある聖堂で、一般には公開されていません。

 ここから坂を下がると、街の南端にあるローマ門が見えてきます。