アルバ Alba

アルバはピエモンテ州クーネオ県 (Cuneo)にある都市。
ブドウ畑の景観が世界遺産に登録されているランゲ地方 (Langhe) の中心都市。白トリュフで有名。
【アクセス】
トリノから南に向かう列車でカルマーニョラ (Carmagnola)まで行き、そこで列車に乗り換えてブラ (Bra)に出て、ブラからバスで行くか、カヴァレールマッジョレ (Cavallermaggiore)まで行って、そこからバスでブラ (Bra)経由で行くか、二通りの方法があります。
従来はカルマーニョラからブラまで列車で行き、ブラでカヴァレールマッジョレから来た列車に乗り換えるか、カヴァレールマッジョレからブラ経由の列車で行きましたが、バスに変更になっています。しかもバスの切符は駅舎で購入することになります。少々厄介です。なお、トリノからアルバまで通しの切符でバスに乗れます。
トリノから出発する場合、出発駅がトリノ・ポルタ・ノヴェラ (Torino Porta Novera)からか、トリノ・ポルタ・スーザ (Torino Porta Susa)からかによって、列車の出発時刻が異なりますので、注意が必要です。どちらにしてもトリノ・リンゴット (Torino Lingotto)を経由します。アルバには、トリノから1時間ほどで到着します。
【歴 史】
先史時代の遺跡が発掘されており、ローマ帝国時代より前に文明が存在していたことが証明されています。
4世紀には早くも司教座が置かれています。神聖ローマ皇帝のバルバロッサが好んだ町として、繁栄した時代の塔が残っています。
アルバ (ALBA)の地名は、AはAngel (天使)。LはLeo (ライオン)。BはBull (牛)。AはAquila (鷲)からできた地名との説もあり、四大福音書記者の表象と密接な関係がある町とみなされています。

【町を歩く】
町の中心の旧市街は城壁に囲まれた六角形のなかにあります。城塞都市では道が複雑に入り組んでいる場合が多いのですが、ここアルバの通りは、分かりやすい方だと思います。小さな町ですから徒歩で十分回ることができます。
なお、町の周囲までぶどう畑が迫っています。近隣は最高級のワインの産地です。
アルバではバローロ (Baroro)やバルバレスコ (Barbaresco)と言った世界的に有名なブランドワインを産しています。また、それ以上に「トリュフの町」として有名です。トリュフだけを扱う専門店があり、トリュフを出す料理店もあり、夏にはトリュフ祭りが開催されます。食通には魅力の多い町です。
【その他の情報】
「JAPAN-ITALY Travel On-line」→「市長が語るわが町観光自慢」→「アルバ市長 ジュセッペ・ロッセット氏」
「JAPAN-ITALY Travel On-line」→「ピエモンテ小都市紀行」→「第8回 アルバ 世界遺産のブドウ畑とトリュフ祭り」
【Alba 付近の町】
ネイヴェ Neive (GoogleMap)
Albaから北東へ10kmにある「ネイヴェ Neive」は、中世の面影を残した村。
「旅の写真帳」→「イタリアの美しい村と町」→「ネイヴェ」
ネイヴェからアスティ (Asti)へは、北北東に30km弱です。
モンバルドーネ Mombaldone (GoogleMap)
Albaから南東へ30kmの「モンバルドーネ Mombaldone」は、城壁に囲まれ中世に迷い込んだような町です。
「イタリア滞在記」→「Mombaldone」
1. Duomo ドゥオーモ (Catedral de San Lorenzo) サンロレンツォ大聖堂
2. Chiesa San Domenico 聖ドメニコ聖堂
3. San Giovanni Battista 洗礼者聖ヨハネ聖堂
4. Chiesa di San Giuseppe 聖ジョゼッペ聖堂
6. Chiesa di Santa Caterina 聖カテリーナ聖堂
1. Duomo ドゥオーモ (Catedral de San Lorenzo) サンロレンツォ大聖堂

駅前から東に向かいローマ通り (Via Roma)を進み、ヴィットリオ・エマヌエーレ通り (Via Vittorio Emanuele)に左折して直進するとドゥオーモ広場 (Piazza Duomo)に出ます。
正面には三カ所の扉口があり、四本の片蓋柱に挟まれて、中央上部には薔薇窓が、両脇には尖塔型の窓があります。
太い四本の片蓋柱の中には左からマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネのアルバの町のシンボルである、大福音書記者の表象が彫られています。

大聖堂の左手奥に七層の高く大きな鐘楼が聳え立っています。頑丈な造りの威厳のある大聖堂です。
12世紀に建設された大聖堂跡に、1486年から16世紀にかけて建設された、ロンバルド・ゴティック様式の聖堂です。16世紀と18世紀に改築を重ね、現在の大聖堂は19世紀にネオ・ゴティック様式で改築されています。

聖堂内は五廊式で、薄い赤と白の縞模様の束ね柱が天空を表す青い穹窿状の屋根を支え、一段高くなった中央内陣には1512年にベルナルディーノにより制作された、木製の寄せ木細工でできた見事な聖歌隊席があります。
案内人に内覧を依頼すると、中に入ることができます。近くで見ると細かな細工が良くわかります。
2. Chiesa San Domenico 聖ドメニコ聖堂

駅前から東に向かいローマ通り (Via Roma)を進み、ヴィットリオ・エマヌエーレ通り (Via Vittorio Emanuele)に左折して進み、ルイージ・パルッツア通り (Via Luigi Paruzza)に右折して一本目のアッカデミア通り (Via Accademia)を左折すると、右側に聖ドメニコ聖堂の後陣が見えてきます。
鐘楼は15世紀から16世紀にかけて建設されています。

アッカデミア通りを右折してテオバルド・カリッサーノ通り (Via Teobaldo Calissano)に入ると聖堂の正面に出ます。
13世紀の末、1292年に建設が開始され14世紀にかけて建設されました。正面はロマネスク・ゴティック様式ですが、大型の煉瓦で交互に組み合わせて縁取る典型的なロンバルディア様式といえます。

聖堂内は三廊式で、正面祭壇にはキリストの磔刑の板絵が下がっています。
円柱の上部は白と黒の市松模様に塗り分けられ、穹窿天井の一部と柱の一部にはフレスコ画が残っています。
なお、ナポレオン占領下では厩として使用されたために、荒廃が進みました。
3. San Giovanni Battista 洗礼者聖ヨハネ聖堂

聖堂内は両側に四カ所の礼拝堂が並ぶ三廊式で、正面主祭壇にはガンドルフ (Gandolfino d'Asti)作のキリストの洗礼画が掲げられています。
バロック様式の聖堂で、内陣には1429年製の椅子があります。
4. Chiesa di San Giuseppe 聖ジョゼッペ聖堂

右手の奥には、赤煉瓦積みのゴティック様式の鐘楼があります。36mの鐘楼の上まで登ることができます。
聖堂内は単廊式で、地下聖堂にはローマ帝政時代の劇場跡や中世の塔の遺跡が見られます。
【関連サイト】
Chiesa di San Giuseppe Alba (英語)
開館時間:月曜を除く14:30~16:30
5. Tempio San Paolo 聖パオロ寺院

駅前から東に向かい、サヴォナ広場 (Piazza Savona)の噴水を見て進むと、広い聖パオロ広場 (Piazza San Paolo)に出ます。
三階建ての近代的な大きな聖堂で、六人の聖人立像が載っています。
6. Chiesa di Santa Caterina 聖カテリーナ聖堂

ドゥオーモの右手側面に沿って進み、後陣が見えるところで右折すると、左手に見えてきます。
聖堂前の広場は駐車場になっており、聖堂の全貌が見えます。
13世紀から存在していたようですが、現在の聖堂は17世紀の建設です。
正面に一つの扉口があり、上層部に丸窓がある、小さな聖堂です。
聖堂内は単廊式です。
7. Chiesa della Maddalena 聖マッダレーナ聖堂

聖コスマとダミアーノ聖堂と道を挟んで対角線上にある聖堂です。
聖コスマとダミアーノ聖堂の白大理石の正面に対し、聖マッダレーナ聖堂の正面は赤煉瓦積みなので、一見すると全く異なる様式のように見えますが、同じバロック様式で、18世紀にベルナルド・ヴィットーネにより、改築されています。