モデナ Modena

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Modena    ドゥッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)
Modena ドゥッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)

 モデナ (Modena)は、エミリア・ロマーニャ州モデナ県の県都。

 古代に起源を持つ都市で、中世にはモデナ・レッジョ公国の中心都市であった。バルサミコ酢で有名。「モデナの大聖堂、トッレ・チヴィカとグランデ広場」は世界遺産に登録されている。

 

 

アクセス

 ミラノから電車で東に向かい、1時間半ほどでモデナに到着します。駅は北のはずれにあります。町の中心までは駅前からバスもありますが、街路樹に沿って歩いて行ける距離です。町の中心をほぼ東西にエミリア街道が通り、その両側に開けて行った町です。周囲は街路樹で囲まれており、緑の多い落ち着いた町です。

 

 写真は、17世紀半ばに改築され2世紀に渡り、エステ家の居城であったドゥッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)です。駅から町の中心に向かうとその中央に位置する豪壮な館です。

 

 

歴 史

 モデナの町は古く紀元前のローマ時代からの歴史を持ち、エミリア街道の重要な町として発展してきました。12世紀には都市国家共和国となり、東隣の町のボローニャ (Bologna)と競い合っていました。ボローニャにイタリア最古の大学ができると (1088年)モデナは対抗して1182年に大学を創立しています。

 

 イタリアの各地がローマ法王派と神聖ローマ帝国皇帝派に分かれて競い合っていた時代には、法王派についたボローニャに対抗し皇帝派につきましたが、神聖ローマ帝国のフリードリッヒ2世皇帝が戦闘でボローニャの捕虜となり、皇帝派は敗北しました。

 

 その後モデナはフェッラーラ (Ferrara)のエステ家 (Este)の支配下に入りましたが、そのエステ家が1598年に法王によりフェッラーラを追われ、モデナに移り住むとエステ家の都として栄えることになるのです。

 

 

 

Modena   大聖堂近くの市場
Modena 大聖堂近くの市場

町を歩く

 モデナは料理には欠かせない、バルサミコ酢の産地として有名で、製造元を訪問するツアーもあります。また、車好きの方にはフェラーリの町といったほうがお分かりだと思います。正確には郊外のマラネッロ (Maranello)ですが、クラシックカーを始め多くの名車が一堂に集められており、フェラーリ車の歴史が見られる博物館があります。

 

 世界文化遺産に指定された大聖堂の他、ここにご紹介した以外にも町中に多くの聖堂があり、ゆっくり宿泊して観るだけの価値のある町です。

 

 宿は多くありませんが、小さな町ですから歩いて回るためにも中心部に取ることをお勧めします。

 

 ドゥッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)前には市場が立つ広いローマ広場があります。なお、現在は陸軍士官学校となっているため、内部の見学は制限されています。

 

 写真は、大聖堂の近くにある広い市場です。野菜・果物・魚・酒・菓子・チーズ・花・惣菜、何でもそろいます。昼間で終わりますので、午前中に買い出しに行くと良いでしょう。トマトの種類も豊富です。

 

 

 

その他の情報

 

Modena 公式観光サイト「Visit Modena」(英語):

http://www.visitmodena.it/english?set_language=en

 

市内地図:Modena Tourist Map (PDFファイル)

http://www.visitmodena.it/english/tourist-service/nuovamappaCentroMo1118.pdf

 

グランデ広場からの距離と徒歩時間が出ている地図 (pngファイルがダウンロードされます)

http://www.visitmodena.it/english/tourist-service/volantinometrominutoweb.png

 

 

イタリア政府観光局公式サイト

 モデナの大聖堂、トッレ・チヴィカとグランデ広場

 

  「JAPAN-ITALY Travel On-line」「イタリア世界遺産の旅」モデナの大聖堂、鐘楼、グランデ広場」

 

 

こちら↓のPDFファイルもご覧ください。

 「イタリアふれあい街歩き」「エミリア・ロマーニャ」「モデナ県」「PDFファイル:モデナ」←(リンク先は「PDFファイル」なので、右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択してダウンロード後、PDFリーダー(Acrobat Reader等)で好みのサイズにして読むのが良いでしょう。

 

 

Video「市庁舎 (コムナーレ宮)とグランデ広場」(YouTubeより)

英語字幕を設定メニューから「自動翻訳」→「日本語」で日本語字幕になります。

1. Duomo (Santa Maria Assunta e San Geminiano) 大聖堂

 

 町の中心にあるグランデ広場 (Piazza Grande)に面して立つ壮大な聖堂です。モデナの守護聖人、聖ゲミニアーノを奉じた聖堂です。

 

 元々あった古い聖堂の上に12世紀に建設されたのが現在の聖堂です。

 

 モデナの大司教はローマ法王に従順でないとして1081年に法王から破門されてしまいます。しかし新たに派遣された大司教は市民の反感が強く町に入れず、モデナの上層市民と一般市民と聖職者が一体となって建築総監督を任命して大聖堂建設にあたったと言う歴史を持っています。

 

 1099年に建設が開始され、1184年に献堂式が行われましたが、その後13世紀まで建設が続けられていました。イタリアの聖堂建築の手本となった「ロマネスク建築の傑作」と言える聖堂です。

 

 

 正面は白大理石で輝き、中央上部には大きな薔薇窓があります。

 その上には「荘厳のキリスト」像の浮彫があり、両脇には四人の福音書記者の表象が配置されています。

 薔薇窓の両脇には片蓋柱が走り、薔薇窓の下には一直線に三連式のアーチ状の柱が並ぶ回廊があり、この回廊は大聖堂の周囲を巡っており、建築の重厚な量塊に軽やかな変化を与えています。

 正面中央には四本足で立つライオンが支える円柱で柱廊が前面に張り出しています。

 壁を支えるアーチ型の柱にはグリフォン、ペリカン、有羽の怪獣等の奇怪なものが彫られています。

 脇柱にはモーゼ、ダニエル、エゼキエル、アアロンなど預言者たちが並んでいます。

 両脇には「カインのアベル殺害」、「カインの改悛」など原罪を示す浮彫があります。

 正面左側の入口の上には、アダムとイヴに関連して、「誕生」、「誘惑」、「楽園追放」、「労働」、の浮彫彫刻が飾られています。

 正面右側入口の上には、「レメクのカイン殺害」、「ノアの方船」、「大地の復活」、等の旧訳聖書からの浮彫彫刻が見られます。

 このような浮彫彫刻はウィリゲルモ (Wiligelmo)の作品であることが正面入口の左側上に掲げられたエノク (Enoch)とエリア (Elijah)の持つ石板に刻まれています。このように作者の名前が記されることは珍しく、しかも正面に表示されているのは稀です。

 

 なお、モデナの北約10kmにあるノナントーラ (Nonantola)の修道院の浮彫彫刻も同じ作者によるものです。 

 

→ 1. Abbazia di Nonantola (San Silvesto) 聖シルヴェスト修道院

 

 

 南側面には現在使用されていませんが、2カ所に入口があり、羊を抑え込んでいるライオンが支える円柱により柱廊が張り出しています。

 壮麗な「諸侯の扉」と呼ばれる方のティンパヌムの楣 (まぐさ)石には聖ゲミニアーノ (San Geminiano)の生涯を表す浮彫があり、その下面には「神の子羊」が、両側柱には聖ピエトロや聖アンドレアなどの聖使徒達の浮彫があります。両脇にあるヘラクレス結びの柱が目立っています。

 北側面の扉口は通称「魚屋の扉」と呼ばれていますが、ここにもライオンが支える円柱があり、柱廊上のティンパヌム脇の装飾帯にはアーサー王の物語の浮彫があり、楣 (まぐさ)石には「海馬に乗る人」や「鶏と狐」等の浮彫で飾られています。

 その両側の側柱には一年の季節を表し、毎月の作業を代表する人々の浮彫を見ることができます。

 

 

 また、このようにライオンが扉口の柱を支えている例は、ピアチェンツァ (Piacenza)のドゥオーモや、クレモナ (Cremona)のドゥオーモ等、多くの聖堂で見られますが、キリスト教徒の魂の守護を表していると言われています。

 またライオンが動物を抱え込んでいる場合には、悪魔を抑え込む正義を表していると言われます。ただ単に強いライオンが聖堂の門を守っていると考えれば良いでしょう。

 また、南北両壁面を見上げると、柱頭には鳥や動物、ピュグマリオンと呼ばれる幼児の様な背の人物や、グリーンマンと呼ばれる口や鼻から蔓草などの植物を吐き出している怪獣、更には想像上の怪奇な動物など、独特の飾りが彫られています。

 更にその上の屋根のすぐ下にも上下対称で浮彫にされた人物像や両性具有の人物など怪物的人種が描かれています。このような高い所に置かれた像は見られるものとしてよりは一種の魔除けとして置かれていたと考えてよいでしょう。

 

 大きな聖堂ですが、先ず外側を一周してから内部に入ることをお勧めします。

 

 なお、柱頭飾りなど彫刻の原型は、その多くが隣接するドゥオーモ博物館  (Musei del Duomo di Modena)の中に展示されていますので、間近かに観ることができます。

 ドゥオーモの脇には1169年に建設されたギルランディーナの塔 (Torre Ghirlandina)と呼ばれる鐘楼があります。当初は見張り塔として建設されたようですが、ドゥオーモが完成した後、1319年に尖塔部分が付け加えられ、現在の87mの高さを誇る鐘楼となっています。町で一番高い建物ですから、どこからでもその場所を確認することができます。

 

 

 なお、2018年現在、聖堂内は大修復中で、主祭壇の上の最後の晩餐などの浮彫はよく見えません。また主祭壇でのミサは行われず、地下聖堂で行われています。

 聖堂内は三廊式で、内陣は一段と高くなっているのが特徴で、奥の半地下には古い聖堂を含む地下聖堂 (La cripta)があります。

 

ヴェローナ (Verona)の聖ゼノ聖堂 (San Zeno)の主祭壇を参照。

 

 主祭壇の左端にはライオンが支えている柱の上に半円形の説教壇があります。中央には荘厳のキリストが、その両脇には福音書記者の表象の浮彫があります。

 

 続いて正面に「弟子の足を洗うキリスト」、の浮彫彫刻があり、中央にひときわ長く彫られた「最後の晩餐」があります。中央にキリストが他の使徒より大きく現され、右手でユダにパンを与えており、その胸元に聖ヨハネが顔を埋めています。

 

 聖使徒の足が見えることから、立っているようにも見えますが、聖使徒の手前にテーブルクロスが垂れ下がることで、食卓についていることを表現しています。

 その右には「ユダの接吻とキリストの捕縛」、「ピラトの前のキリストとキリストの鞭打ち」、「十字架を担うキリスト」の浮彫が並んでいます。

 

 これらの浮彫彫刻はアンセルモ (Anselmo da Campione)の作品で、現在でも当初からの彩色が残っています。

 

 現代と異なり、当時の彫刻家や画家の名前は不詳となっているのが通常です。ルネサンスが始まり偉大な芸術家が排出することにより、作者が作品に自分の名前を残す習慣や、作者個人を評価する時代背景ができてきました。そういう中で、この時期に制作者の名前が残されていることは、いかにアンセルモが卓越していたかを示していると言えるでしょう。

 

 建設に関与した工匠達を総称してカンピオネージと呼びます。個人名はありません。

 主祭壇の奥のアプシスには14世紀のセラフィーニ (Serafino dei Serafini)作の「聖母戴冠」が描かれています。

 

 また右祭壇のアプシスには、キリストの磔刑の脇に聖母と聖ヨハネが立ち、周囲には蔦が絡まり中に天使や小鳥等が描かれています。また下には天の子羊を中心に12頭の羊が描かれています。この画の構成はローマ (Roma)の聖クレメント聖堂 (San Clement)のアプシスのモザイク画に似ています。

 なお、半地下の地下聖堂 (La cripta)には、1106年聖ゲミニアーノの石棺が安置されました。

 

モデナ大聖堂 公式Webサイト

http://www.duomodimodena.it/

 

Modena 公式観光サイト:「The Cathedral」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/the-cathedral

 

モデナ大聖堂博物館 (Musei del Duomo di Modena)公式サイト(英語)

https://museidelduomodimodena.it/en/

モデナ大聖堂」のすばらしいバーチャルツアーがあります。

こちら↓

http://www.unesco.modena.it/visita-virtuale-duomo/

中央下部の「inizia visita」をクリック。

写真はマウスホイールの回転で拡大・縮小します。

ドラッグして移動すると上下左右に360°のパノラマ画像が見られます。

中を歩く参観者の足音なども聞こえてきます。

 

このバーチャルツアーは非常に良くできていますね。

これで行った気分になれます。(^。^)

 

2. San Barnaba 聖バルナバ聖堂

 

 ドゥオーモの右側面 (南側)のグランデ広場 (Piazza Grande)南側を西へ行き、カナルキアロ通り (Corso Canalchialo)が左にカーブして南下します。ルッジェラ通り (Via Ruggera)に右折(左側はセルヴィ通り Via dei Servi)すると、次の交差点右側で聖バルナバ聖堂の正面に出ます。

 

 17世紀半ばに建設されています。

 一カ所の入口の両脇と二層目に二人ずつ、四人の聖人像が壁龕に納められています。右側面に鐘楼が見えています。

 

 17世紀半ばに建設されています。

 一カ所の入口の両脇と二層目に二人ずつ、四人の聖人像が壁龕に納められています。右側面に鐘楼が見えています。

 

 

 

 

Modena   San Barnaba内部 (Wikimedia Commonsより)
Modena San Barnaba内部 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は三廊式で、主祭壇には天使が矜持する中央に聖バルナバの絵が掲げられています。

 

 両脇に礼拝堂が並び、天井は彩色されている、バロック様式で飾られた華やかな聖堂です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Barnaba Church」

 

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-barnaba-church

3. San Bartolomeo 聖バルトロメオ聖堂

 

 ドゥオーモ右側廊側にあるグランデ広場 (Piazza Grande)からルイージ・アルビネッリ通り (Via Luigi Albinelli)を南下してセルビ通り (Via dei Servi)に突き当たったら左折すると右側にあります。

 

 正面は北を向いています。通りが狭く、聖堂の前には広場はありませんので、聖堂全体を見渡すことができません。

 入口は3カ所あり、上には聖バルトロメオの他、聖フランチェスコと聖イグナティオの立像が壁龕に納められています。

 

 それぞれの脇の白い片蓋柱が天井まで伸び、コリント式の柱頭飾りが施されています。全体は煉瓦色の漆喰で塗られていますので、赤と白のコントラストが目立ちます。

 

 聖堂の左奥には鐘楼があるようですが、地上からは見えません。

 聖堂内は三廊式で、内装はバロック様式です。

 正面主祭壇には彩色大理石の捻り柱が支える天蓋の中にキボリウムが置かれ、中にはキリストの磔刑像が収められています。

 

 両脇には4カ所ずつ礼拝堂があり、右側廊の最初から、パドヴァの聖アントニオの礼拝堂、三聖人の礼拝堂、聖クオレ (San Cuore)の礼拝堂、聖母の礼拝堂と続き、突き当りの右祭壇は聖フランチェスコの礼拝堂です。

 左側廊は同じく、聖ベルナルディーノ (San Bernardino)の礼拝堂、聖ジョゼッペ (San Giuseppe)礼拝堂、受胎告知、聖母の礼拝堂が並び、左祭壇は聖イグナティオ (San Ignazio)礼拝堂です。

 天井は蒲鉾天井で、透視図法で描かれた多くの天使が天空に乱舞しています。

 

 非常に華やかな聖堂です。

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Bartolomeo Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-bartolomeo-church

4. San Carlo 聖カルロ聖堂

 

 大聖堂の右脇にあるグランデ広場(Piazza Grande)からカステッラーロ通り (Via Castellaro)に進み、カルロ通り (Via San Carlo)との交差点の東北にあります。

 

 

 

 入口は一カ所、交叉廊の上に円柱形のドームが載る、17世紀に建設されたバロック様式の聖堂です。

 

 現在学校が併設されています。催し物会場として利用されており、聖堂としての役割を果たしていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Carlo Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-carlo-church

内部の写真があります。写真右上の「拡大」ボタンクリックで拡大します。

5. San Domenico 聖ドメニコ聖堂

 

 ドッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)の西側にある聖堂です。1707年に宮殿の改築に合わせて聖堂も改築されています。

 

 入口は一カ所で、両側にイオニア式柱頭飾りのある柱が何本も聳える大きな聖堂で、交叉廊には八角形の大きなドームが載っています。

 回廊部分は現在学校として利用されています。

 前回訪問時には聖堂の中に入れましたが、2018年現在修復中で、中には入れません。

 

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Domenico Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-domenico-church

6. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

 

 ドゥオーモの右側面のグランデ広場 (Piazza Grande)の南側を西に向かい、カナルキアロ通り (Corso Canalchialo)に入り、左にカーブして南西方向に進むと左側にあります。町の南西端に位置し、裏手は町を取巻く街路樹となっています。

 

 グランデ広場 (Piazza Grande)から500mほどと、市街から離れていますが通りに面していますので、迷わずに行くことができます。

 1221年に建設され、その後数世紀にわたり改築されて現在のような大きな聖堂になっています。聖堂前には広場があり、聖堂全体を見渡せます。小さな円形の泉 (写真左下)があり、聖フランチェスコの銅像が脇に立っています。

 正面には薔薇窓があり、両脇に片蓋柱が走るゴティック様式で、裏手には八角形の鐘楼が聳え立っています。

 

 聖堂内は三廊式で、キリストの十字架降下と群像のテラコッタ像があります。

 

 

 

 

 

 

 

Modena City Guide「San Francesco Church」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/san-francesco-church

内部の写真があります。

7. San Giorgio 聖ジョルジョ聖堂

 

 ドッカーレ宮殿前のローマ広場から南下するとすぐ右手にあります。

 

 

 1647年に建設されたバロック様式の聖堂です。赤い漆喰にイオニア式の柱頭飾りの付いた白い柱がコントラストを示しています。

 

 

 入口は一カ所で、両脇の壁龕には聖人像が二層になって置かれています。

 

 屋根の上には聖母子像があり、中央にはドームが載っています。

 聖堂内はギリシャ十字形で、主祭壇には聖母が、その他に聖フィリポネリ、聖ジュゼッペの祭壇があります。多くの柱で飾られた華やかな聖堂です。

 

 

Modena 公式観光サイト:「San Giorgio Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-giorgio-church#prettyPhoto

内部の写真があります。右上の「拡大ボタン」クリックで拡大します。

 

Modena City Guide (英語):「San Giorgio Church」

http://www.laguidadimodena.it/guida/chiese-modena/san-giorgio

内部の写真があります。

 

8. San Giovanni Battista 聖ジョヴァンニ洗礼堂

 

 町の中央を東西に走るエミリア街道の北側に面し、町の中央部に位置するマッティオッティ・ジャコモ広場 (Piazza Matteotti Giacomo)の西端にあります。東端にはヴォト聖堂 (Madonna del Voto)があります。

 

 木々の茂る広場で、人通りの多い道を歩いていると気付かずに通り過ぎてしまう程、この洗礼堂は周囲に同化しています。高い鐘楼も無く、大きな入口も無いためでしょう。

 

 それでいて一本中に入った路地から見える洗礼堂は不思議に存在感があります。

 

 当初は大天使ミケーレに奉献されていましたが、16世紀に再建され現在の形態となりました。

 グイド・マッツォーニ (Guido Mazzoni)1477年作のテラコッタ製の「哀悼」の群像があります。

 

 ボローニャ (Bologna)のサンタマリア・ヴィタ聖堂 (Santa Maria della Vita)のニッコロ・デラルカ (Niccolo dell'Arca)1462年作のテラコッタ像と比較して観ると良いでしょう。

 現在は洗礼堂としての機能を果たしておらず、催し物の会場として利用されているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Giovanni Battista Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-giovanni-battista-church

 

Modena City Guide (英語):「San Giovanni Battista」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/san-giovanni-battista-church

写真があります。

9. San Paolo 聖パオロ聖堂

 

 大聖堂の右手にあるグランデ広場 (Piazza Grande)からフランチェスコ・セルミ通り (Via Francesco Selmi)で南下していくと左側にあります。聖堂の左側に鐘楼があるのでそれと分かります。聖堂の前から右手に向かいサンパオロ (Via San Paolo)通りがあります。

 

 右手のサンパオロ通りは、非常に細い道ですし、聖堂の前には広場もありませんので、全体を見渡すことはできません。

 正面には一カ所の入口があるだけの小さな聖堂ですが、裏手には回廊があり、現在美術館などとして利用されています。聖堂としての役割を果たしているとは思われません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Modena 公式観光サイト (英語):「San Paolo Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-paolo-church

10. San Pietro 聖ピエトロ聖堂

 

 旧市街の東南の端に位置し、西南の端にある聖フランチェスコ聖堂 (San Francesco)と対をなしています。

 

 

 10世紀末に建設されたベネディクト派の修道院跡に15世紀後半からピエトロ・バラバーニ (Pietro Barabani)の設計で建設され、16世紀初旬に完成した聖堂で、現在でもベネディクト派の修道院です。

 

 側面の広場には12世紀の石柱に14世紀に制作された十字架が載り、正面の扉口にはカミロ (Andrea Camillo)とビソーニ (Paolo Bisogni)作の浮彫が飾られています。

 聖堂内はラテン十字型の5廊式の広い聖堂で、白い柱と天井で清楚な印象を与えます。

 中央主祭壇にはキリストの磔刑像とアプシスにはキリストの公生涯からの絵が掲げられています。

 柱に沿って、リッチ (Calro Ricci)、ドッシ (Dosso Dossi)、セッティ (Ercolo Setti)などの作品を始め多くの彫像が立ち並び、天国の鍵を持つ聖ペテロの立像を見ることができます。

 身廊左側には16世紀に設置されたオルガンがあります。

 

 左右の側廊には礼拝堂が並んでおり、ベガレーリ (Antonio Begarelli)作の「哀悼」の群像のテラコッタ象が見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「San Pietro Apostolo in Modena Abbey」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/san-pietro-apostolo-in-modena-abbey

 

11. San Vincenzo 聖ヴィンチェンツォ聖堂

 

 ドゥッカーレ宮殿前のローマ広場 (Piazza Roma)から東にミリターレ通り (Corso Accademia Militare)を進み、突き当たりのカナルグランデ通り (Corso Canalgrande)を右折し、エミリア街道に出る一本手前の右側にあります。

 

 正面は通りに面して東面しています。両脇にコリント式の柱頭飾りが付いた五本の柱が並ぶ堂々とした造りで、屋根には殉教者像が載っています。

 

 13世紀に建設された聖堂は17世紀半ばにアヴァンツィーニ (Bartolomeo Avanzini)により改築されましたが、第二次世界大戦で破損しています。

 

 なお、アヴァンツィーニはサッスォーロ (Sassuolo)にあるエステ家の宮殿も設計しています。

12. Madonna del Voto ヴォト聖堂

 

 町の中央を東西に走るエミリア街道の北側に面し、町の中央部に位置するジャコモ・マッティオッティ広場 (Piazza Giacomo Matteotti)の東端にあります。西端には聖ジョヴァンニ洗礼堂 (San Giovanni Battista)があります。

 

 1630年にモデナで猛威を振るったペストが終焉したことに感謝して、1634年にバロック様式で建設された大きな聖堂です。中央には大きなドームが載っています。

 正面には一カ所の入口と上に矩形の窓があり、脇に片蓋柱が屋根まで伸びています。形態はボローニャの聖サルヴァトーレ聖堂 (San Salvatore)を模倣していますが、壁龕に聖人像はありません。

Modena   Madonna del Voto 内部 (Wikimedia Commonsより)
Modena Madonna del Voto 内部 (Wikimedia Commonsより)
Madonna del Voto  Ludovico Lana (Wikimedia Commonsより)
Madonna del Voto Ludovico Lana (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内にはラーナ (Ludovico Lana)作のペストの流行で苦しむ市民と天上の聖母の絵が掲げられています。

 

 病を治療する聖ロック (San Roch)、聖セバスティア (San Sebastian)、聖オモボノ (San Omobono)が描かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「Madonna Del Voto Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/madonna-del-voto-church

13. Santa Maria della Pomposa サンタマリア・デラ・ポンポーザ聖堂

 

 ドッカーレ宮殿前のローマ広場 (Piazza Roma)から南下して最初のターリオ通り (Via del Taglio)を右折して西に進むと突き当たりにポンポーザ広場 (Piazza della Ponposa)があり、聖堂の右側面に出ます。

 当初は、町を東西に走るエミリア街道の西端の城壁に面して建設されていたようですが、現在は市外に出る道の一本手前を北に入った所に佇む1135年建設の小さなロマネスク様式の聖堂です。

 

 正面には一カ所の入口と上に矩形の窓があるだけです。煉瓦積みのままで、脇には鐘楼も無い非常に目立たない聖堂です。

 内部は単廊式で、主祭壇には聖母子の絵が掲げられています。

 

 数次に渡り改修されましたが18世紀にバロック様式の聖堂になり、ロマネスク様式の遺構はほとんどなくなっています。

 

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「Santa Maria della Pomposa Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/santa-maria-della-pomposa-church

 

Modena City Guide (英語)「Santa Maria della Pomposa Church」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/santa-maria-della-pomposa-church

内部の写真があります。

 

14. Santa Maria delle Assi o della Trinita サンタマリア・デレ・アッシ聖堂

 

 町の東南に位置し、エミリア街道を南下して聖ピエトロ聖堂 (San Pietro)に行く途中にあります。

 

 正式名から分かるように、聖三位一体聖堂とも呼ばれています。

 

 12世紀に建設された、ロマネスク様式の小さな聖堂です。交叉廊の上にはドームが載り、後陣の右奥に鐘楼があります。

 入口は一カ所で、ティンパヌムには聖母戴冠が描かれていますが、かなり剥離しています。屋根の両脇には可愛らしい常樹の実が乗っています。

 聖堂内は単廊式で、両脇に三カ所の礼拝堂があり側壁は彩色されています。

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「Santa Maria delle Asse Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/santa-maria-delle-asse-church#prettyPhoto

 

 

Modena City Guide (英語):「Santa Maria delle Assi Church」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/santa-maria-delle-assi-church

内部の写真があります。

15. Sant'Agostino 聖アゴスティノ聖堂

 

 町の西端にあり、元はエステ家の礼拝所として、14世紀半ばにアウグスト派により建設されましたが、1659年にフランシス1世の葬儀に際し、エステ家の菩提寺となりました。

 

 聖堂内は豪華なバロック様式の装飾が施され、天井は見事な絵画で飾られています。

 

 テラコッタ製のキリストの十字架降下のほか、14世紀のトマソ・ダ・モデナ (Tomaso da Modena)作、聖母子像があります。

 

Modena City Guide (英語):「Sant'Agostino Church」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/sant-agostino-church

内部の写真が多数あります。

Palazzo dei Musei
Palazzo dei Musei

 なお、聖堂を構成していた建屋の一部がエステ家美術館 (Galleria Estense )となっています。

 

 トマソ (Tomaso da Modena)、ドッソ・ドッシ (Dosso Dossi)、パルマ・イル・ジョヴァーネ (Palma il Giovane)、グエルチーノ (Guercino)、ルカ・フェラーリ (Luca Ferrari )、フランチェスコ・フェッラーリ (Francesco B. Ferrari )、グイド・レーニ (Guido Reni)、バウツ (Albrecht Bouts)など、エステ家が蒐集した著名な画家の作品が数多く収容されており、必見です

 

 なお同じ建屋に市立博物館 (Palazzo dei Musei)や図書館もあります。

 

16. Sant'Eufemia サンテウフェミーア聖堂

 

 大聖堂 (Duomo)の正面から西に延びるサンテウフェミーア通り (Via Sant'Eufemia)を進むと左側にあります。聖堂の前の道は少し広くはなっていますが、広場とは言えないので、聖堂全体を見ることはできません。

 

 7世紀にベネディクト派により建設されています。

 扉口が一つ、上に方形と丸窓があるだけの小さな聖堂で、片蓋柱が切妻屋根を支える単純な構造です。

 

 聖堂内は八角形になっています。正面にはピエタの絵が掲げられています。天井中央には天使が描かれ、聖エウフェミアとライオンの絵も見えます。

 

 左側にはロレート (Loreto)の聖母子像のレプリカが置かれた祭壇があります。

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「Sant' Eufemia Church」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/sant-eufemia-church#prettyPhoto

 

 

Modena City Guide (英語):「Sant'Eufemia Church」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/sant-eufemia-church

17. Tempio Monumentale San Giuseppe 聖ジュゼッペ聖堂

 

 モデナの駅前からクリスピ通り (Viale Francesco Crispi)を進むとロータリーの対面に見えて来ます。駅から一番近い聖堂です。右手には植物園があります。

 

 ギリシャ十字形の聖堂で、中央のドームの脇に四本の八角形の塔が建ち、それぞれに小さなドームが載る目立つ存在です。

 正面の扉口は柱がせり出し、切妻屋根が載っています。上にある丸窓の周囲には福音書記者の表象が配置され、屋根はアーチ型に列柱が両脇からせり上がるロンゴバルド様式になっています。

 

 外観は古さを出していますが、第一次大戦で戦死した兵士を祀って20世紀初頭に建設された戦没者慰霊の聖堂です。

 聖堂の内部は周囲に聖人を描いたステンドグラスが並んでいます。

 

 

 福音書記者聖ヨハネの下にはモデナ県の、聖マルコの下にはモデナ市など、それぞれの奉納者名が記されています。

 地下聖堂にはモデナの大司教の墓の他に戦死者の名簿が刻まれています。

 

 

 

公式観光サイト Visit Modena (英語):「Monumental Temple to the Fallen of World War I」

http://www.visitmodena.it/english/tourist-information/discover-the-area/art-and-culture/churches-baptisteries/monumental-temple-to-the-fallen-of-world-war-i

 

Modena City Guide (英語):「The Tempio」

http://www.laguidadimodena.it/en/guide/modena-churches/the-tempio