ボローニャ Bologna_1

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Bologna   二本の斜塔 (Le Due Torri)
二本の斜塔 (Le Due Torri) 塔はそれぞれがねじれて傾いています。

 ボローニャ (Bologna)は、エミリア・ロマーニャ州 (Emilia-Romagna)の州都であり、ボローニャ県 (Città metropolitana di Bologna)の県都である。

 

【アクセス】

 ミラノから特急電車で2時間、ローマからはフィレンツェを経由して2時間半ほどで着くエミリア・ロマーニャ地方の中心都市です。

 

 駅は町の北端に位置しています。バスのターミナルが有り、近郊都市へ多くの便が出ています。

 駅前から東に向かうと直ぐにある9月20日広場には城門の一つ(Porta Galliera)が見えています。駅から町の中心までは1.5kmほどありますので、バスの利用をお勧めしますが、駅前からインディペンデンツィア通り (Via Dell Indipendenza)を真っ直ぐ南下すれば町の中心に行きつきますので、迷うことはありません。

 

 

【歴 史】

 ボローニャは、紀元前6世紀から7世紀のエトルリア時代までさかのぼることができます。

 

 共和制ローマの北方進出に伴って紀元前218年にピアチェンツァ (Piacenza)が建設され、ボローニャは紀元前189年に建設されています。紀元前187年にピアチェンツァからアドリア海の都市、リミニ (Rimini)までを結ぶエミリア街道(Via Emilia)が建設されると、街道の中心地に存在する交通の要所として発展していきます。

 

 またローマの首都がミラノに置かれるとビザンツィン帝国とを結ぶ文化の担い手として、5世紀まで繁栄を続けました。

 

 その後、ボローニャがイタリアのみならずヨーロッパの中心都市となったのは、1088年にヨーロッパで最初の大学が創設され、学問・文化・芸術の中心となって著名な指導者が集まり、学生も全ヨーロッパから集まったことで、人口も増え経済も発展してからでした。

 

 ボローニャ大学ではペトラルカ、ダンテ、ガリレオ、コペルニクスなどの著名人が学んでいます。自由の気質は強く、1164年には神聖ローマ帝国から派遣された支配者を追い出し自由都市を勝ち取っています。

 

 その後神聖ローマ帝国皇帝派とローマ法王派との戦いに巻き込まれて幾度の戦いを経験しますが、ローマ法王により支配された時期を経て、ナポレオンによる支配、オーストリアによる支配の後1860年にイタリア王国に統一されました。

 

中央広場 (Piazza Maggiore)のネプチューンの噴水 (Fontana del Nettuno)
中央広場 (Piazza Maggiore)のネプチューンの噴水 (Fontana del Nettuno)

【町を歩く】

 ルネサンスの薫り高い町で、16世紀から17世紀にかけて活躍したカラッチ (Annibale Carracci)のほか、ボローニャ派の多くの画家が輩出しています。

 

 町にはドメニコ派の総本山である、聖ドメニコ聖堂 (San Domenico?)や巨大な聖ペトローニオ聖堂 (San)など著名な聖堂が多く存在するだけでなく、市内には大小、数えきれないほど多くの聖堂があります。

 

 歴史的建造物の他、ボローニャ派の作品を多く所蔵する国立美術館 (Pinacoteca Nazionale)の他、多くの美術館があり、中世博物館 (Museo Civico Medievale)や考古学博物館 (Museo Civico Archeologico)、図書館、大学の講義室など見るべきところが充実していますので、一日ではとても見切れません。数日間滞在してゆっくり探訪することをお勧めします。

 

 そして、美食の町として有名で、タリアテッレ・アル・ラグーやラザニアなどの郷土料理のほか、モルタデッラやチーズ、高品質なワインを産し、高級なレストランから下町の飲食店まで、どこでも豊かな食事を楽しむことができます。

 

 旧市街は六角形の城壁に囲まれた城壁都市で、現在でも城壁の一部が残り、城外に通じる門の存在がその面影を示しています。

 

 町の中心にある広場を起点として町を探索するのがわかりやすいと思われます。

 なお、現在ラヴェナーナ広場 (Piazza di Porta Ravegnana)にある二本の斜塔を目印にするのも分かりやすいかと思います。

 

 町が神聖ローマ帝国皇帝に与していた13世紀頃には、100を超える塔が存在していたと言われています。当初は戦闘目的で建設されましたが、各家がその財力を誇示する目的で塔を建てるようになっています。

 

 現在見られるのは、アシネッリ (Gherardo Asinelli:97.2m)の塔とガリセンディ (Filippo Garisendi:48m)の塔の二本が残されています。このほかにも町中でよく見ると昔は塔であったと思われる建物があります。

 

 宿は駅前にもありますし、町中にも多くありますが、国際見本市が開かれる際には混み合いますので、事前確認が必要です。

 

 

 

 

 

【その他の情報】

 イタリア政府観光局公式サイト

 ボローニャ Bologna

 

 公式観光サイト 

 Bologna Welcome (英語)  https://www.bolognawelcome.com/en/

 上記サイトの「Discover」→「Places」→「Architecture and Monuments」→「Religious Places」に聖堂のリストがあります。こちら↓

 https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/

 

 

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 「JAPAN-ITALY Travel On-line」「イタリア100都市リスト」「私の住む町Travel案内 ボローニャ」

 

 

ボローニャ Bologna

 

 1. Duomo (San Pietro) 大聖堂

 2. Santi Bartolomeo e Gaetano 聖バルトロメオと聖ガエタノ聖堂

 3. San Bartolomeo di Reno o Santa Maria della Pioggia 聖バルトロメオ聖堂

 4. San Benedetto 聖ベネデット聖堂

 5. San Colombano e Santa Maria dell'Orazione 聖コロンバーノとサンタマリア・デッロラツォーネ聖堂

 6. San Domenico 聖ドメニコ聖堂

 7. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

 8. San Giacomo Maggiore 聖大ジャコモ聖堂

 9. San Giorgio in Poggiale 聖ジョルジョ・イン・ポッジャーレ聖堂

10. San Giovanni in Monte 聖ジョヴァンニ・イン・モンテ聖堂

11. San Martino Maggiore 聖マルティノ聖堂

12. San Paolo Maggiore 聖パオロ聖堂

13. San Petronio 聖ペトローニオ聖堂

 

 

以下は「ボローニャ Bologna_2」にページ移動します。

 

14. San Procolo 聖プロコロ聖堂

15. San Salvatore 聖サルバトーレ聖堂

16. Santa Cecilia 聖チェチリア聖堂

17. Santa Maria dei Servi サンタマリア・デイ・セルヴィ聖堂

18. Santa Maria (Madonna) di Galliera e di Filippo Neri マドンナ・ディ・ガリエラと聖フィリッポ・ネリ聖堂

19. Santa Maria Maddalena サンタマリア・マッダレーナ聖堂

20. Santa Maria Maggiore サンタマリア・マッジョーレ聖堂

21. Santa Maria della Vita サンタマリア・デラ・ヴィタ聖堂

22. Santi Gregorio e Siro 聖グレゴリオと聖シロ聖堂

23. Santo Stefano 聖ステファノ聖堂

 

 

1. Duomo (San Pietro) 大聖堂

 

 ボローニャの駅前のXXセッテンブレ広場 (Piazza XX Settembre)から南に向かうインディペンデンツィア通り (Via dell'Indipendenza)を町の中心部に向かうと15分ほどで左手に見えてきます。

 

 人通りも多く、車の往来が激しい街並みに沿って建てられていますので、反対側を歩いているとボローニャ特有のポルティコで見通しが悪くなっていますので、見過ごしてしまう恐れがあります。

 

 人通りも多く、車の往来が激しい街並みに沿って建てられていますので、反対側を歩いているとボローニャ特有のポルティコで見通しが悪くなっていますので、見過ごしてしまう恐れがあります。

 

 9世紀以降に建設された聖堂は1131年の大火災で焼失し、12世紀にロマネスク様式で再建されましたが、その後1575年の震災で崩壊し、紆余曲折の末、1605年になって再建されました。

 右奥にある鐘楼は当初ラヴェンナ (Ravenna)で見られるような円柱形だったようですが、ロマネスク様式で再建された後、15世紀になって尖塔が付け加えられていますが、正面からは見えません。

 

 煉瓦積みの正面部分は18世紀半ばに大理石で装飾され完成しています。聖堂正面の左手上に聖ピエトロ、右手に聖ペテロの像が見えます。

 聖堂内は三廊式で、中央主祭壇は6本のコリント式の柱頭飾りの円柱で支えられています。

 12世紀に制作された正面を向くキリストの磔刑像と、両脇に聖母と聖ヨハネの立像が置かれています。

 上には、カラッチ (Ludovico Carracci)1486年作の「受胎告知」が描かれ、天井には音楽を奏でる多くの天使が描かれています。

 両側廊には礼拝堂が並び、アルフォンソ (Alfonso Lombardi)作、テラコッタの哀悼の群像があります。

 

 聖堂内はバロック様式で装飾されています。

2. Santi Bartolomeo e Gaetano 聖バルトロメオと聖ガエタノ聖堂

Chiesa Santi Bartolomeo e Gaetano ドームと鐘楼 (Wikimedia Commonsより)
Chiesa Santi Bartolomeo e Gaetano ドームと鐘楼 (Wikimedia Commonsより)

 

 町の中心の二本の斜塔 (Le Due Torri)があるラヴェナーナ広場 (Piazza di Porta Ravegnana)に聖堂の左側面が面しており、北側のサンヴィターレ通り (Via San Vitale)に後陣が、マッジョーレ通り (Str. Maggiore)に扉口があります。

 

 聖堂の正面は、ボローニャの通りのどこにでもあるポルティコになっており、周囲は人通りも多く、歩道に面した扉口が一カ所あるだけで、聖堂の扉口らしい扉口もないので、見過ごしてしまいがちです。

 

 5世紀に聖バルトロメオ聖堂として存在していたものを、1516年にベネディクト派により改築されたルネサンス様式の大きな聖堂です。鐘楼とドームは後の1694年になって追加されています。

 聖堂内はラテン十字形の三廊式で、イオニア式の柱頭飾りのある円柱が並んでいます。

 主祭壇にはキリストの磔刑像を収めたキボリウムの上に、十字架を掲げたキリストが立ち、アプシスには聖バルトロメオの殉教の絵が掲げられています。

 身廊の天井には17世紀半ばに描かれた「聖ガエタノの幻視」が一面に描かれています。

 左右の側廊の天井にはフレスコ画の描かれた小さなドームが4個一列に並び、その外側に礼拝所が並ぶ豪壮な造りです。

 右側廊にある「墓所の聖カルロ」はカラッチ (Ludovico Carracci)1614年作、4番目の「受胎告知」はアルバーニ (Francesco Albani )1632年作、左翼廊の「眠れるキリストと聖母」はグイド・レーニ(Guido Reni)1632年作です。ボローニャ派の画家の作品を多く見ることができます。

 ロレトの聖母子の下には哀悼を表す彩色されたテラコッタ製の群像が置かれています。

 扉口の内側の上にオルガンがあります。

 

 全体として豪華な印象を与える聖堂です。

3. San Bartolomeo di Reno o Santa Maria della Pioggia 聖バルトロメオ聖堂

 

 ボローニャ駅前のXXセッテンブレ広場 (Piazza XX Settembre)から南に向かうインディペンデンツィア通り (Via Dell Indipendenza)を南下して町の中心に向かい、細いデ・ファレニャーミ通り (Via de'Falegnami)に右折してガリエラ通り (Via Galliera)に出たら左折すると、小さなピオッジャ広場 (Piazzetta della Pioggia)に出ます。聖堂はその奥に東面しています。

 

 なお、ガリエラ通りをそのまま進むとサンタマリア・マッジョーレ聖堂 (Santa Maria Maggiore)の前に至ります。

 

 聖堂の左側面のリヴァ・ディ・レノ通り (Via Riva di Reno)に沿ってポルティコがあり、それが聖堂の前まで続いているので、聖堂の前に柱廊があるように見えます。

 13世紀に建設された聖堂ですが、16世紀と18世紀に改築され、19世紀に内装も改装されています。

 

 聖堂内にはカラッチ(Agostino Carracci)作の「牧童の礼拝」があります。小さな聖堂です。

 

 なお、通常はサンタマリア・デラ・ピオッジャ聖堂 (Santa Maria della Pioggia)と呼ばれているようです。

 

 

Bologna Welcome (英語):「CHIESA DI SANTA MARIA DELLA PIOGGIA」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/church-of-santa-maria-della-pioggia

入場料(無料)、開館時間等が記載されています。

 

SANTA MARIA DELLA PIOGGIA o San Bartolomeo di Reno

内部の写真があります。(伊語:Google翻訳でお読みください)

http://www.miabologna.it/CHIESE/BASILICHE/PIOGGIA.htm

4. San Benedetto 聖ベネデット聖堂

Bologna   San Benedetto 外観 (Wikimedia Commonsより)
Bologna San Benedetto 外観 (Wikimedia Commonsより)

 

 駅前から9月20日広場 (Piazza XX Settembre)東側のインディペンデンツィア通り (Via dell'Indipendenza)を南下すると右側にあります。左側は大きなモンタニョーラ公園 (Parco della Montagnola)です。

 

 聖堂の前はポルティコになっており、扉口が閉まっていると見過ごしてしまいがちです。ミッレ通り (Via dei Mille)まで行くと行き過ぎです。

 

 通りの反対側から見上げると上層階に三人の聖人像が収められていることが分かります。鐘楼は左手奥にあります。

 

 聖堂内は三廊式です。

 内陣は凱旋門アーチと鉄柵で仕切られています。

 

 数段高くなっている内陣の両脇にはオルガンがあります。

 奥のアプシスにはピエタ画が掲げられています。内陣の上のドームの四隅には福音書記者がその表象とともに描かれています。

 両脇には礼拝堂が並び、蒲鉾天井はバロック様式で飾られています。

5. San Colombano e Santa Maria dell'Orazione 聖コロンバーノとサンタマリア・デッロラツォーネ聖堂

 

 ボローニャ駅前のXXセッテンブレ広場 (Piazza XX Settembre)の東側から南に向かうインディペンデンツィア通り (Via dell'Indipendenza)を町の中心部に向かい、左手に大聖堂 (Duomo)が見えたら、右折しマンツォーニ通り (Via Manzoni)を進み、右側にあるマドンナ・ディ・ガリエラと聖フィリッポ・ネリ聖堂 (Madonna di Galliera e di San Filippo Neri)を越えて、突き当たりを左折し、すぐにパリージ通り (Via Parigi)に右折すると右手に見えてきます。

 12世紀に建設されたロマネスク様式の聖堂です。聖堂の前には柱廊があり、扉口は一カ所で、正面には最後の審判と思われるフレスコ画が描かれていますが、剥離が進んでおりよく分かりません。

 

 脇には小さな広場があります。

 

 16世紀にはサンタマリア・デッロラツォーネ聖堂となっています。

 地下聖堂にはキリストの公生涯を描いたフレスコ画のほかに、多くのフレスコ画が残されています。カラッチ (Ludovico Carracci)、アルバーニ (F. Albani)、グイド・レーニ (G. Reni)、マッサリ (L. Massari)、ドメニキーノ (Domenichino)などボローニャ派の画家の作品とされています。

 

 現在では主として楽器を展示する博物館 (Museo di San Colombano )になっており、聖堂としての役割は果たしていません。

 

 

月に1~2回コンサートが開催されます。

https://genusbononiae.it/en/palazzi/san-colombano/

 

 

Bologna Welcome (英語)「ORATORIO DI SAN COLOMBANO」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/oratory-of-san-colombano

開館時間などが記載されています。

    

6. San Domenico 聖ドメニコ聖堂

 

 町の南端にあるドメニコ派の総本山です。

 

 1218年にドメニコ(Domenic Guzman)がボローニャの町に入り、ここを拠点として布教活動を始め1221年に死去しています。

 聖堂前には同名の広い広場 (Piazza San Domenico)があり、正面から大きな聖堂を見渡すことができます。聖堂前の広場と聖堂裏手には聖ドメニコの立像があります。

 聖堂は1228年から40年に建設されましたが、当初は聖職者用の建物と一般信徒用の建物は別棟でした。

 

 正面扉口上には大きな薔薇窓があり、ティンパヌムには聖ドメニコが描かれています。

 聖堂内は三廊式です。

 中央内陣には寄木細工で作成された聖歌隊席が半円形に並び正面にはバルトロメオ・チェジ (Bartolomeo Cesi)作の「東方三王の礼拝」が描かれています。

Gloria di San Domenico di Guido Reni
Gloria di San Domenico di Guido Reni

 右側廊には礼拝堂が並んでいますが、中でもひときわ豪華なのが聖ドメニコの墓がある礼拝堂です。

 

 天蓋にはグイド・レーニ (Guido Reni)作、「聖ドメニコの栄光」のフレスコ画が描かれています。

L'Arca di San Domenico
L'Arca di San Domenico

 ニコラ・ピサーノ (Nicola Pisano)1267年作、「聖ドメニコの生涯」を刻んだ彫刻が棺の周囲を飾っています。

 

 棺の上にはニッコロ・ダ・バリ (Niccolo da Bari)、別名ニッコロ・デラルカ(Niccolo dell'Arca)による、最上部に父なる神が、その下にキリストと天使、その下に福音書を持つ聖ドメニコと聖フロリアーノ (San Floriano)像などが並んでいます。

 

 ミケランジェロの作品とされているのは、ボローニャの守護聖人の聖ペトローニオ (San Petronio)像と聖プロコロ(San Procolo)像、それに右前に膝まづき蝋燭立を持つ天使像です。

 

 聖ドメニコ礼拝堂に並んで、聖カテリーナ礼拝堂には16世紀のフィリッピノ・リッピ (Filippino Lippi)作のフレスコ画、「聖カテリーナの結婚」(Matrimonio Mistico di Santa Caterina)があります。

  

La cappella del Rosario
La cappella del Rosario

 聖堂内陣の左側にある、ロザリオの礼拝堂には17世紀の画家による聖母被昇天、聖母の栄光などバロック様式の絢爛豪華なフレスコ画で埋め尽くされています。

Il Crocifisso di Giunta Pisano
Il Crocifisso di Giunta Pisano

 右翼廊の祭壇には17世紀のグエルチーノ (Guercino)作「聖トマソ」(San Tommaso d'Aquino)が見られます。

 

 なお、左翼廊にあるジュンタ・ピサーノ (Giunta Pisano)作「キリストの磔刑」の板絵はイタリア-ゴティックを代表する作品で、13世紀から14世紀に制作されたキリストの磔刑図の原形となった作品です。

 

 非常に華やかで豪華な聖堂です。

 

 

公式Webサイト「Convento Patriacale di SAN DOMENICO」

https://sandomenicobologna.it/

 

Bologna Welcome (英語)「BASILICA DI SAN DOMENICO」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/basilica-of-san-domenico

 

bologna-guide.com (英語) 「THE CHURCH OF SAN DOMENICO」

http://bologna-guide.com/the-church-of-san-domenico/

7. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

 

 町の中心のマッジョーレ広場 (Piazza Maggiore)北側のエンツォ王宮 (Plazzo Re Enzo)に面したリッツォリ通り (Via Rizzoli)を西に進むとすぐに通りの名がウーゴ・バッシ通り (Via Ugo Bassi)に変わります。この通りをさらに西に進み、マルピギ広場 (Piazza Malpighi)に出て左折して進むと右側に聖堂の後陣が見えてきます。

 聖堂の左側面に沿って進むと聖堂前の広場に出ます。正面の広場からは聖堂全体を見渡すことができます。

 

 聖フランチェスコがボローニャを訪れ民衆に福音を行ったことを記念して、1236年から63年に、イタリアで初めてフレンチ=ゴティック様式で建設された大きな聖堂です。

 

 ロマネスク様式とゴティック様式の正面は、太い四本の片蓋柱が屋根まで伸びて三分され、扉口は三カ所あります。中央扉口の上には尖頭型アーチの長い窓が二本横に並び、その上に薔薇窓があります。

 

 両脇の扉口の上の尖頭型アーチは縦に二本並び、その上に壁を穿った薔薇窓があります。

 

 このような壁を穿った丸窓形式は、ピアチェンツァ (Piacenza)ローディー (Lodi)の聖フランチェスコ聖堂でも見られます。

 

 中央扉口は白大理石の柱が並びポーチ状になっています。

 

 その両脇には8世紀に制作されたとされる動物と鳥を浮き彫りにした彫刻が見られます。

 

 ナポレオンの命令で修道院は閉鎖されましたが、その後復活。第二次世界大戦で破壊され、戦後再建されました。

 聖堂内は三廊式で、中央主祭壇には大きな大理石に彫像された一面衝立が置かれています。

 衝立は二層構造になっており、中央には聖母戴冠が、その両脇に洗礼者聖ヨハネ他四人ずつの聖人が立ち、聖母戴冠の像の上には父なる神が座し、両脇に聖ピエトロ、聖パオロなど四人ずつ聖使徒がその表象を持った胸像が配置されています。

 

 

 

 

 その上には聖母子像があり、最上部には磔刑のキリストと両脇に聖母と聖ヨハネ像が載っています。

 

 両端の柱には大天使ガブリエルと聖母で受胎告知が表され、その上にラッパを吹く天使が立っています。

 

 四人の聖使徒の胸像の上は尖塔が立ち、それぞれの上には小さな預言者の胸像が載っています。

 

 

 

 衝立の最下段 (Predella)には聖フランチェスコの生涯が表されています。半円形に並ぶステンドグラスから日が差し込んでいます。

 中央主祭壇の奥は周回廊になっており、9個の礼拝堂が取り囲んでいます。これは、他のイタリアの聖フランチェスコ聖堂では見られない形態です。

 周回廊の中央には祈りの礼拝堂、右側二番目は聖痕を受ける聖フランチェコ礼拝堂で、左側から二番目は聖母子と聖ジロラモと聖フランチェスコの礼拝堂でヤコボ・フォルティ (Jacopo Forti)1485年の作品です。

アレキサンダー5世法王の墓 (Wikimedia Commonsより)
アレキサンダー5世法王の墓 (Wikimedia Commonsより)

 なお、両側廊には7カ所の礼拝堂が並んでいます。左側廊三番目は聖ベルナルディーノ礼拝堂で、1410年にボローニャで死去したアレキサンダー5世法王の墓碑があります。

Tomba del docente aristotelico di filosofia e politico Ludovico Boccadiferro
Tomba del docente aristotelico di filosofia e politico Ludovico Boccadiferro

 また、14世紀のボローニャ大学の著名な教授 Ludovico Boccadiferroの墓もあります。

 

 

 

 

 

 

Arca del glossatore Odofredo (dietro l'abside della chiesa di San Francesco)
Arca del glossatore Odofredo (dietro l'abside della chiesa di San Francesco)

 聖堂の後陣の外側には、マルピギ広場 (Piazza Malpighi)に面して円柱で地上高く持ち上げられた三体の神学者の墓があります(左はその一つ Odofredoの墓)

 

 

 

 

公式Webサイト「Basilica Sanfrancesco Bologna」

http://www.sanfrancescobologna.org/

こちら↓に写真があります。

http://www.sanfrancescobologna.org/?page_id=55#!prettyPhoto

 

 

bologna-guide.com 「CHURCH OF SAN FRANCESCO」

http://bologna-guide.com/church-of-san-francesco/

 

 

Bologna Welcome (英語)「BASILICA DI SAN FRANCESCO」

 

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/basilica-of-san-francesco

 

8. San Giacomo Maggiore 聖大ジャコモ聖堂

 

 町の中心の広場からリッツォーリ通り (Via Rizzori)を東に向かい、二本の塔 (Le Due Torri)から北東に向かうザンボーニ通り (Via Zamboni)を進むと右側にあります。

 

 聖堂の前にはロッシーニ広場 (Piazza Rossini)があります。

 

 なお、聖堂の左側に沿ってポルティコを進むと聖チェチリア聖堂 (Santa Cecilia)が隣接しています。

 1217年から建設され、14世紀になって完成しています。15世紀には大幅に拡張され、現在の大きさになっています。

 

 聖堂の正面にある柱廊は、15世紀にベンティヴォーリョオ (Bentivoglio)家により付け加えられたものです。後陣の右側の奥にある鐘楼も同様に1471年に同家により建設されたものです。

 中央の扉口の両脇にはライオンが円柱を支えており、上には大きな丸窓があり、両脇には背の高い尖塔型窓がありますが、その窓の中央の支え柱にも小さなライオンの彫刻が見られます。

 

 切妻式屋根に沿って細やかなアーチ型の彫刻が施されており、頂点には聖大ジャコモの立像が載っています。

 

 現在の聖堂の扉口は正面からではなく、左側面に沿ってポルティコを進むと扉があり、聖堂の左側面の半ばから入ることになります。

L'interno della basilica (Wikimedia Commonsより)
L'interno della basilica (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は単廊式で、中央主祭壇にはキリストの磔刑の板絵が下げられ、キリストの復活と聖大ジャコモ・聖アゴスティノ・聖トマソを描いた祭壇があります。

 

 扉口から入って右側の奥の左側壁には聖母と聖人、聖使徒、キリストの磔刑の礼拝堂が並び、右側壁の一番奥は聖母子と聖母の帯の礼拝堂、四番目は7世パオロの礼拝堂で聖パオロの説教がかけられています。

 

 八番目は聖カテリーナ・洗礼者聖ヨハネ・福音書記者聖ヨハネ他の礼拝堂、十番目は聖ロッコ礼拝堂で、カラッチ (Ludovico Carracci)の作品がかけられています。

 

 次いで、右側壁の中央にある、ひときわ大きなポッジ礼拝堂はボローニャ出身の枢機卿の礼拝堂です。

 なお、ポッジ (Palazzo Poggi)の住居は、現在ボローニャ大学の本部になっています。

Lorenzo Costa, Il Trionfo della Morte, Cappella Bentivoglio (Wikimedia Commonsより)
Lorenzo Costa, Il Trionfo della Morte, Cappella Bentivoglio (Wikimedia Commonsより)

 中央祭壇を取り囲むように聖十字架の礼拝堂、聖セバスティアンの礼拝堂などが並んでいます。

 

 左側壁の奥の突き当たりにはベンティヴォーリオ家の礼拝堂 (Cappella Bentivoglio)があり、礼拝堂の左側の壁には、ロレンツォ・コスタ (Lorenzo Costa)1490年作、「名声の勝利」と「死の勝利 (Trionfo della Morte)」があります。

Lorenzo Costa, Pala Bentivoglio, Cappella Bentivoglio (Wikimedia Commonsより)
Lorenzo Costa, Pala Bentivoglio, Cappella Bentivoglio (Wikimedia Commonsより)

 右側の壁には、ロレンツォ・コスタ (Lorenzo Costa)1488年作、「玉座の聖母を崇める一族」があります。

 

 

 全体で30を超える礼拝堂が並んでいます。ルネサンスからバロック様式の装飾になっています。

 

 なお、扉口から左手の主祭壇の方向には入れません。従って多くの礼拝堂や絵画を見ることができません。また写真撮影も禁止です。

 

 

 毎年10月~2月にかけて週末に音楽イベントが開催されるようです。

「San Giacomo Festival」詳細は↓(伊語:Google翻訳でご覧ください)

http://www.sangiacomofestival.it/

 

Bologna Welcome (英語)「BASILICA DI SAN GIACOMO MAGGIORE」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/basilica-of-san-giacomo-maggiore/

 

9. San Giorgio in Poggiale 聖ジョルジョ・イン・ポッジャーレ聖堂

 

 ボローニャ駅前のXXセッテンブレ広場 (Piazza XX Settembre)の東側から南に向かうインディペンデンツィア通り (Via dell'Indipendenza)を町の中心部に向かい、ドゥオーモの手前をマンツォーニ通り (Via Monzoni)に右折し、マドンナ・ディ・ガリエラ聖堂 (Madonna di Galliera e di Filippo Neri)の前を通り、突き当たりをガリエラ通り (Via Galliera)で北上し、一本目のサンジョルジョ通り (Via San Giorgio)に左折して進むと突き当たりにあります。

 

 ただし狭い道で少し斜めになっていますので、突き当たりにある聖堂は見えません。

 

 聖堂の前にはナザリオ・サウロ通り (Via Nazario Sauro)がありますが、広くないので、聖堂の全体は良く分かりません。

 扉口は3カ所あり、中央の扉口の上には三角形の屋根がついています。両脇の扉口の上には壁龕がありますが、中には何も収められていません。

 

 二層式になっており、装飾的な片蓋柱が屋根まで伸びています。

 

 ロンゴバルド王国時代から存在していた古い聖堂ですが、現在の構造になったのは17世紀で、右後方にある鐘楼は18世紀の建設です。第2次世界大戦で崩壊し、再建されています。

 現在は、美術と歴史の図書館となっており、聖堂としての役割は果たしていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

Genus Bononiae 「San Giorgio in Poggiale」(英語)

https://genusbononiae.it/en/palazzi/san-giorgio-in-poggiale/

内部の様子が分かります。

 

 

Bologna Welcome (英語)「BIBLIOTECA D’ARTE E DI STORIA DI SAN GIORGIO IN POGGIALE」(芸術と歴史の図書館 San Giorgio in Poggiale)

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/historical-libraries/biblioteca-darte-e-di-storia-di-san-giorgio-in-poggiale

10. San Giovanni in Monte 聖ジョヴァンニ・イン・モンテ聖堂

 

 町の中心のエンツォ宮 (Palazzo Re Enzo)前からリッツォリ通り (Via Rizzori)を東に向かい、二本の斜塔(Le Due Torri)から右折してメルカンツィア広場 (Piazza della Mercanzia)に入り、通りの名前がカスティリオーネ通り (Via Castiglione)と変わります。

 

 さらに南に向かい、聖ステファノ聖堂 (Basilica di Santo Stefano)を左手奥に見て進み、東西に走るファリーニ通り (Via Farini)を越えてすぐ一本目のヴィーコロ・モンティチェッリ通り (Vicolo Monticelli)を左に入って、坂を上ったところにあります。やや分かりにくい場所です。

 

 エルサレムのオリーヴ山を彷彿とさせる地形に、聖墳墓教会を模して5世紀に建設されています。記録に残る最古のものは1045年で、ロマネスク様式の聖堂を13世紀末に拡張し、15世紀にはゴティック様式で更に拡張されています。

 

 階段を上った所に二本のイオニア式の柱で構成された柱廊が扉口となっており、ティンパヌムにはニッコロ・デラルカ (Niccolo dell'Arca)1480年作、「福音書記者聖ヨハネを表象する鷲」のテラコッタがあり、その上には丸窓があります。

 

 両脇には尖塔型アーチの窓がある、15世紀のヴェネツィア・ルネサンス様式の均整の取れた形態を示しています。

 

 坂の下から聖堂を見上げると、それほど大きな聖堂には見えませんが、聖堂内に入ると奥行きのある大きな聖堂であることが分かります。

 

 聖堂内はラテン十字形の三廊式です。

 正面主祭壇にはキリストの磔刑の板絵が下げられ、ロレンツォ・コスタ (Lorenz Costa)1501年作、「聖母戴冠と聖人」が掛けられています。

 

 アプシスに沿って馬蹄形に並んだ聖歌隊席は16世紀初めの作品で、背もたれには木目込み細工で絵が施されています。

 右側廊の三番目は、ピエトロ (Pietoro Faccini )1590年作、殉教者聖セバスティアン礼拝堂、七番目はロレンツォ・コスタ1501年作、玉座の聖母子と聖人の礼拝堂です。

 

 左側廊の二番目は聖フランチェスコ礼拝堂でグエルチーノ(Guercino)1645年の作品があります。

 右翼廊には四人の福音書記者像があり、身廊の八角形の柱には聖職者のフレスコ画が描かれています。

 ペルジーノ (Perugino)1500年作、「栄光の聖母子」では聖母子の下に福音書記者ヨハネ、アポロニア、アレキサンドリアのカテリーナ、大天使ミカエルが並んで描かれています。

 

 また、ラッファエッロ (Raffaello)1518年作、「聖チェチリアの法悦」では聖パオロ、福音書記者ヨハネ、聖アゴスティノ、マッダレーナのマリアが同じ高さで並んで描かれています。なお、両方とも現在、国立美術館に所蔵されています。

 

 

 

Bologna Welcome (英語)「CHIESA DI SAN GIOVANNI IN MONTE」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/chiesa-di-san-giovanni-in-monte

 

11. San Martino Maggiore 聖マルティノ聖堂

 

 ボローニャ駅前のXXセッテンブレ広場 (Piazza XX Settembre)の東側から南に向かうインディペンデンツィア通り (Via dell'Indipendenza)を町の中心部に向かい、マルサーラ通り (Via Marsala)に左折して直進すると左側にあります。

 グリエルモ・オベルダン通り (Via Guglielmo Oberdan)との交差路ですが、聖堂前には広場があり、聖母子像の載る円柱があります。

 

 聖堂の左側に並んで、高さに差のない八角形の洗礼堂があります。なお、鐘楼は聖堂の左側奥にあります。

 

 13世紀初めに建設された古い聖堂ですが、正面は1879年になって改装されたもので、一カ所の扉口の両脇と聖堂の端にある片蓋柱は屋根まで伸びており、柱の中に左から聖マルコ、聖マタイ、聖ヨハネ、聖ルカが描かれ、中央の片蓋柱の上には左に聖母、右に聖マルティノが描かれています。

 

 中央の上部には大きな丸窓があります。

 

 聖堂内は三廊式です。

 中央主祭壇の奥にはフランチェスカ (Francesco Francia)作の玉座の聖母子と聖人の絵が掲げられています。

 右側廊の最初にはカルピ (Girolamo da Carpi)1532年作、「東方三王の礼拝」が掲げられています。左側廊の最初にはコスタ (Lorenzo Costa)1506年作「聖母子と聖人」が見られます。

 その他にも聖母被昇天、キリストの磔刑、聖マルティノなど多くの絵画が礼拝堂に掲げられています。

 

 高い天井はボールト天井で太い束柱で支えられています。

 

 

 

Bologna Welcome (英語)「CHIESA DI SAN MARTINO」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/chiesa-di-san-martino

12. San Paolo Maggiore 聖パオロ聖堂

 

 町の中心のマッジョーレ広場 (Piazza Maggiore)の西端から、マッシモ・ダッツェリオ通り (Via Massimo D'Azeglio)で南に向かい、デ・カルボネージ通り (Via de'Carbonesi)に出たら西に向かうと左側に直ぐに見えてきます。正面は道に面して北向きになっています。

 

 1611年にマジェンタ (Ambrogio Magenta)の設計で建設されたルネサンス様式の聖堂です。

 

 聖堂の正面には一カ所の扉口があり、その両脇の壁龕に聖パオロと聖ピエトロを、上層部にも二聖人の像を収め、太い円柱の片蓋柱で下層部を構成するように改築されています。

 

 全体として堅牢な印象を与える造りになっています。

 聖堂内の祭壇にはボローニャ派の画家の作品で天井やドームが描かれ、アルガルディ (Alessandro Algardi)作の彫像が飾られています。

 

 

Decapitazione di San Paolo di Alessandro Algardi

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/9f/Alessandro_algardi%2C_decollazione_di_san_paolo%2C_1641-44.JPG

 

 礼拝堂にはカラッチ (Ludovico Carracci)作「天国」と「煉獄」の絵画などが見られます。

 

Il Paradiso di Ludovico Carracci

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2a/Ludovico_carracci%2C_immacolata_concezione%2C_detta_il_paradiso%2C_1616%2C_01.JPG

13. San Petronio 聖ペトローニオ聖堂

 

 町の中心の大広場 (Piazza Maggiore)の正面にある巨大な聖堂で、1390年の建設当初は、ローマの聖ピエトロ聖堂を越える大きさを計画していました。

 

 長さ132m、幅66m、正面の高さは51mもあります。中央の切妻屋根の両脇に片流れの屋根が二段階に連なっていますので、外観上は五廊式の聖堂に見えます。

 

 聖ペトローニオは5世紀の聖人でボローニャの守護聖人です。

 

 ルネサンスの巨匠クエルチーア (Jacopo della Quercia)により正面の下層部は大理石の化粧板で飾られていますが、上層部は煉瓦のままで現在でも未完成の状況です。

 正面には三カ所の扉口があり、中央扉口のティンパヌムには、クエルチーア作の聖母子像を中心に、左右に聖ペトローニオと聖アンブロージオが立ち、楣 (まぐさ)石にはキリストの公生涯を表した浮彫が見られます。

 

 右側の扉口の上にはキリストと聖母、聖ヨハネ、アリマタヤのヨセフで哀悼を表し、左側の扉口の上には復活したキリストと兵士の彫刻が見られます。

 聖堂内は三廊式で、太い束柱が高いボールト天井を支えています。

 一段高くなっている中央主祭壇にはキボリウムがあり、キリストの磔刑の板絵が下げられています。

 

 アプシスにはアルボロシ (Giacomo Alborosi)1772年作、「聖ペトローニオが見上げる聖母子」の絵が掲げられています。

東方三王の礼拝堂 (Cappella dei Re Magi)
東方三王の礼拝堂 (Cappella dei Re Magi)

 左右の側廊にはそれぞれ11カ所の礼拝堂が並んでいます。

 

 左側廊の一番目は聖アボンディオ (Sant'Abbondio)礼拝堂、二番目は聖ペトローニオ礼拝堂、三番目は聖イーボ(Sant'ivo)礼拝堂、東方三王の礼拝堂、聖セバスティアーノ礼拝堂、聖ヴンチェンツォ礼拝堂、聖ジャコモ礼拝堂、聖ロッコ礼拝堂、聖ミケーレ礼拝堂、聖バルバラ礼拝堂、聖ベルナルディーノ礼拝堂と並んでいます。続いて一番奥には博物館があり、聖遺物などが収容されています。

 右側廊にも同じように礼拝堂が並び、11番目には聖遺物が収められています。

 

 

 この聖堂はボローニャの裕福な実力者達が建設した聖堂ですので、礼拝堂はそれぞれの家の礼拝堂として構成されています。

 例えば左側廊の二番目の礼拝堂には聖ペトローニオの聖遺骨が納められていますので、聖ペトローニオの礼拝堂と呼ばれていますが、コスピ (Cospi)家とアルドロヴァンディ (Aldrovandi)家の礼拝堂でした。

Cappella dei Re Magi (Cappella Bolognini)
Cappella dei Re Magi (Cappella Bolognini)

 四番目の礼拝堂は東方三王の礼拝堂 (Cappella dei Re Magi)ですが、もとはボロニーニ (Bolognini)家の礼拝堂で、ヤコポ・ダ・パオロ (Jacopo di Paolo)作、木造の三面衝立があり、ジョヴァンニ・ダ・モデナ (Giovanni da Modena )作、聖ペトローニオの生涯が描かれています。

 

Giovanni da Modena, L'Inferno (Cappella dei Re Magi)
Giovanni da Modena, L'Inferno (Cappella dei Re Magi)

 礼拝堂は天国と地獄の大きなフレスコ画で飾られていますが、近くで見るためには拝観料が必要です。

L'altare della Madonna in trono di Lorenzo Costa (Cappella di S. Giacomo)
L'altare della Madonna in trono di Lorenzo Costa (Cappella di S. Giacomo)

 聖セバスティアーノ礼拝堂にはフランチア (Francesco Francia)作「聖十二使徒」、「受胎告知」、聖ジャコモ礼拝堂にはコスタ (Lorenzo Costa)作「聖母子と聖人」、聖ロッコ礼拝堂にはパルミジャニーノ作「聖ロッコ」、聖ジロラモ礼拝堂にはコスタ作「聖ジロラモ」、など各礼拝堂に名画がかけられています。

 

 非常に大きな聖堂で一つの礼拝堂もかなり広く設定されています。

 

 

公式サイト「Basilica di San Petronio」 (英語)

http://www.basilicadisanpetronio.org/home/home-eng/

Basilica di San Petronio「SAINT PETRONIO’S CHAPELS」

http://www.basilicadisanpetronio.org/basilica/cappelle/the-chapels/

左右22カ所の礼拝堂の説明へのリンクがあります。リンク先には画像があり、クリックすると拡大表示します。

 

Bologna Welcome (英語)「BASILICA DI SAN PETRONIO」

https://www.bolognawelcome.com/en/home/discover/places/architecture-and-monuments/religious-places/basilica-di-san-petronio

  

La basilica di San Petronio a 360°
4分25秒で4カ所での360°ビュー(インタラクティブ・ビデオ)が見られます。