ヴィジェーヴァノ Vigevano

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ドゥッカーレ(Ducale)広場とブラマンテの塔(Torre Bramante)
ドゥッカーレ(Ducale)広場とブラマンテの塔(Torre Bramante)

【アクセス】

 ミラノのジェノヴァ(Genova)駅から始発の電車で30分ほど南下した所にある、小さな街です。

 1345年にヴィスコンティ(Visconti)家のルドヴィコ・イル・モーロ (Ludovico il Moro)が建設した要塞を起源とし、その後、周囲はミラノ公スフォルツア(Sforza)家の狩猟場として位置付けられ、城は徐々に拡大されて宮殿へと変わり、街の中央を占めるほどの規模となっています。脇には大聖堂と広場があります。

 大都市ミラノからわずか半時間ほどの距離にある街ですが、都会の喧騒を逃れて、長閑な散策のできる街で、靴で有名な街です。

Sforza城への上層の通路
Sforza城への上層の通路

 

 駅は街の東側にあるので、西に向かって街に入っていきます。街の通りから幅7m、長さ164mある、上層はなだらかな坂になっている屋根付きの通路(Strada Coperta)で、丘の上にある城に直接入れるようになっています。

 

街への下層の通路
街への下層の通路

 

 下層はアーチ状の屋根で、平らな通路(Sotterranee)で街中に続いています。このような二重構造の通路は他の欧州の城では見られません。

 

 街は城を中心にしたほぼ円形の城塞都市で、通りは曲がっており、複雑に交差していますが、旧市街は城の周辺が中心で、通りは比較的幅があるので、見通しもよく、聖堂巡りに困難はありません。

 

【街を歩く】

 街の中心のドゥッカーレ広場(Piazza Ducale)は、横134m、縦48mもある広さですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの立案を元に、ブラマンテが設計したという、歴史的にも見ごたえのある広場です。

 

 周囲を84本の円柱が取り囲み、ポルティコの中にはおしゃれな店が並んでいます。街のシンボルでもある、ブラマンテ作の64mの高い塔(Torre Bramante)を見ながら食事もできるお勧めの場所です。塔の上からはアルプス山系が望めます。

 

1. Duomo 大聖堂 (Cattedrale di Sant'Ambrogio)

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 駅前から伸びるカイローリ通り (Via Cairoli)からロッカ・ヴェッキア通り(Via Rocca Vecchia)に右折し、城に入る屋根付きの通路の下層路(Sotterranee)を利用して街の中心まで進み、9月20日通り(Via XX Settembre)に出て直進すると、大聖堂の前に出ます。

 

 聖堂の正面はバロック様式で、中心軸からややそれて、右を向いていますが、広場に向かって緩やかに凹んで湾曲をしているためにその偏りも気がつかないほどです。

 

 大聖堂の正面には入口が4か所見えますが、一番左は門になっており、ローマ通り(Via Roma)につながっています。963年 (一説に967年)に建立された聖堂で、現在の大聖堂は1530年にミラノ公フランチェスコ2世により改築され1680年に完成しています。

 

 大聖堂の前は街の中心にある、ドゥッカーレ広場 (Piazza Ducale)で、大聖堂は長方形のドッカーレ広場の短辺を占めています。従って聖堂の正面からは両脇のポルティコに沿って商店が並び、遥か先に対面の商店が見えています。

 

 聖堂内はラテン十字形の三廊式です。

 

 正面主祭壇の両側の側柱に説教壇があり、右手の説教壇を聖職者像が、左手の説教壇は四大福音書記者の表象像が支えています。その奥の両脇にオルガンがあります。

 

 

 主祭壇は18世紀に改修され、四人の聖職者が囲むキボリウムの上にキリスト像が載っています。

 

 

 天井には昇天する聖人とさらにその上には父なる神とキリスト、聖母、聖人が描かれています。

 

 その奥の金色に輝く蒲鉾型天井の下が聖歌隊席になっています。

 

 交差廊上のドームには殉教者と天使が描かれていますが、全ての天井にフレスコ画が描かれた華やかな聖堂です。

 

聖カルロ礼拝堂 (Cappella di San Carlo)
聖カルロ礼拝堂 (Cappella di San Carlo)

 

 右翼廊の聖カルロ礼拝堂(Cappella di San Carlo)ではマクリーノ・ダルバ(Macrino d'Alba)やベルナルディーノ・フェラーリ(Bernardino Ferrari)の傑作が見られます。

 

 また、聖ジャコモと聖クリストフォロ(Cappella di San Giacomo e San Cristoforo)礼拝堂でもベルナルディーノ・フェラーリの絵画が見られます。

 

 なお、16世紀の聖遺物容器や後期国際ゴティック様式のタピストリーがあります。

2. San Bernardo 聖ベルナルド聖堂

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 聖フランチェスコ聖堂 (San Francesco)の前のダンテ・アリギエーリ通り(Via Dante Alighieri)を西に進み、コルソ・カヴール(Corso Cavour)との交差路の西南角にあります。

 

 1496年にミラノ公モーロにより城建設のために破壊されていますが、1576年に再建されました。

 

 正面は1908年に改築されていますが、バロック様式の聖堂です。

 

 

 入口上にはピエタが描かれ、両脇には聖人の立像が描かれています。

 

 

 聖堂内は単廊式で、1960年に改装されています。

 

 

 17世紀の主祭壇は大理石製で、内陣には15世紀の木製の聖歌隊席があります。

 

 アプシスにはキリストの磔刑図が掲げられています。

 

3. San Cristoforo in San Pietro Martire 聖クルストフォロ・イン殉教者聖ピエトロ聖堂

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 ドゥオーモ広場から城を周回するポポロ通り(Via del Popolo)に出て、南下していくとコルソ・レプッブリカ (Corso Repubblica)とカッロビオ通り (Via Carrobbio)との交差点にマッテオ広場(Piazza Matteo)があり、奥に聖堂が見えてきます。

 

 1363年に建設されたロンゴバルド・ゴティック様式の聖堂でしたが、1446年に元の聖堂を交差廊とする聖堂に拡大されています。

 

 正面入り口は一つで、上に丸窓があり、両脇には尖塔アーチ型の窓が並び、矩形の片蓋柱が切妻屋根まで伸びています。屋根には三か所尖塔が載っています。

 

 

 聖堂内は三廊式です。

 

 

 内陣は一段と高いところにあり、天井はフレスコ画で天使が描かれ、アプシスはステンドグラスになっています。

 

 

 内陣の下は地下聖堂になっています。


 

 イオニア式の柱頭飾りのある大理石の柱が並び、中央には15世紀に街で死去した、ヴィジェヴァーノの街の守護者であるマッテオ・カレリ福者 (Beato Matteo Carreri)の聖遺骨が祀られています。

 

 

 右側廊には聖クリストフォロの立像のある礼拝堂の他、パドゥアの聖アントニウスや聖母を祀った礼拝堂が並び、左側廊には、聖ドメニカ、聖ピウス5世法王の礼拝堂があり、また壁龕内には降誕の場面を再現した彩色された等身大の像が置かれています。

4. San Dionigi 聖ディオニージ聖堂

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 ドゥオーモ広場の北側に並ぶポルティコの半ばほどから北に向かう狭いサンタクローチェ通り(Via Santa Croce)を進むと左手正面に見えてきます。

 

 バロック様式の聖堂で、二層の上に円柱形のドームが載っています。

 

 史料に最初に出てくるのは1323年と早く、城に隣接して建設されていました。慈愛の兄弟会の小祈祷所として利用されていました。

 

 現在の聖堂は18世紀の建設で鐘楼も追加されています。

 

 聖堂内には5か所の礼拝堂があり、中央の主祭壇は多彩の大理石で飾られています。15世紀作成の彩色された「哀悼」の群像と、聖ディオニージの殉教の絵が飾られています。

 

 

 現在では公会堂(Auditorium San Dionigi)となっており、聖堂としての役割をはたしていません。

5. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

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 ドゥオーモ広場の北西の端からポルティコを抜けて、狭いジョルジョ・シルヴァ通り (Via Giorgio Silva)に左折し、直進するといつの間にか通り名がリベラツィオーネ通り(Via Caduti per la Liberazione)と変わり、サンフランチェスコ通り(Via San Francesco)とダンテ・アリギエーレ通り(Via Dante Alighieri)の交差する小さな広場に出ます。

 

 広場にある井戸の前には聖フランチェスコが鳥と戯れる像(Fontana di San Francesco)が置かれており、その前が聖堂です。

聖堂正面 (Wikimedia Commonsより)
聖堂正面 (Wikimedia Commonsより)

 

 正面入り口は一つで、上に丸窓があり、両脇には尖塔アーチ型の窓が並び、矩形の片蓋柱が切妻屋根まで伸びています。屋根には5か所尖塔が載っています。

 

 正面は聖クリストフォロ・イン殉教者聖ピエトロ聖堂(San Cristoforo in San Pietro Martire)とほとんど同じ形をしています。

右側面入口
右側面入口

 

 1379年に建築され、1447年に改築されて1457年に完成しています。鐘楼は1475年の建設です。

 

 ナポレオン時代は兵舎として使用されましたが、その後聖堂として復活しています。なお、正面は20世紀に改装され右側面に入口が追加されました。

 

 

 聖堂内は三廊式です。

 

 

 正面主祭壇には大理石のキボリウムがあり、その上には聖フランチェスコのフレスコ画が見えます。

 

 右手にはオルガンがあります。

 

 身廊の天井には12使徒が描かれ、主祭壇の上の八角形のドームとアプシスのステンドグラスから採光されており、穹窿天井を支える束ね柱は全て、赤と灰色の縞模様の大理石で、聖堂の中に独特の雰囲気をもたらしています。

 

 

 側面には16世紀から17世紀のフェラーリ(Bernardino Ferrari)派の多くの作品が掲げられています。


6. Santa Maria del Popolo サンタマリア・デルポポロ聖堂

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 街の中央のドゥカッーレ広場 (Piazza Ducale)の西端から城を周回するポポロ通り(Via del Popolo)に出て南下し、フェリーチ・カヴァロッティ通り(Via Felice Cavallotti)との交差点にあります。

 

 T字路になっていますので、聖堂の前に広場があるようにも見えます。小さな聖堂です。

 

 

 17世紀末に建設されたバロック様式で、正面は18世紀になって完成しています。

 

 聖堂内には、聖母の結婚、受胎告知、聖母戴冠など聖母に関する18世紀に描かれたフレスコ画が見られます。