アスティ  Asti

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町の中心 ローマ広場 Asti
町の中心 ローマ広場 Asti

 アスティは、ピエモンテ州アスティ県の県都。

 ワイン「アスティ・スプマンテ」で有名。

 

【アクセス】

 トリノからジェノヴァ (Genova)行の電車で南下し、40分ほどで着きます。駅は町の南端にあります。

 

 大きな町ではありませんので、徒歩で回れますが、城壁都市によく見られるように、壁内の通路は複雑に交差しており、目的の聖堂に行くのは意外と困難です。駅前には広い駐車場があります。

 

 

【歴 史】

 ローマ帝国時代からローマ第9州の中心都市として発展した古い歴史を持っています。古代では北方民族からの侵略を受け、中世から近世にかけては、イタリアは多くの貴族や豪族、自由都市などに分裂して抗争していました。

 特にこの町を巡っての紛争は絶えず、モンフェラート、ミラノ、ジェノヴァ、サヴォイアなどの強力な近郊の町や貴族からの侵略を受けていました。さらに、フランス、スペイン、神聖ローマ帝国など近隣国家からの支配を受けるなど、町の歴史は紛争の歴史でした。

 地理的に、ピエモンテの交通の要所にあり、豊かなモンフェラート丘陵の中心に位置していたからと言えるでしょう。

トロヤーナの塔 Torre Troyana Asti
トロヤーナの塔 Torre Troyana Asti

 

 12世紀には自立と繁栄を獲得し、商業の中心地となっていました。そのため多くの聖堂が建設されています。また、富裕層が競って高い塔を建設したことから、塔の街として知られていました。最盛期には150ほどの塔が聳えていたといわれています。

 

 しかし多くの塔は崩壊し、破壊され、現在では12ほどの塔が存在しているだけとなっています。

 

 

 写真の「トロヤーナの塔 (Torre Troyana)」は13世紀に建設された時計台で38mあります。

 

 

ロッサの塔 Torre Rossa Asti
ロッサの塔 Torre Rossa Asti

 

 「ロッサの塔 (Torre Rossa)」はローマ帝政時代の西門の近くにあり、町の守護聖人の聖セコンドが幽閉されていたといわれています。12世紀に高さを増して、聖カテリーナ聖堂の鐘楼となっています。16面あるロマネスク様式の塔です。

 なお、塔の所有者がルビー家 (De Rubeis)だったことから赤塔 (Torre Rossa)と呼ばれるようになったとも言われています。

 

 他にも「ナッタの塔 (Torre Natta)」、「コメンティーニの塔 (Torre Comentini)」等が見られます。

 

 

 イタリアには良質のワインの産地が多くありますが、この地域は最高級品のワインが製造される場所として有名です。 

 赤ワインではバローロ (Barolo)やバルバレスコ (Barbaresco)がイタリアを代表するワインとして有名ですが、ここ、アスティでは赤ワインのBarbera d'Astiのほか、発泡性(Spumante)の白ワインが有名です。

 

 

 

 

【その他の情報】

 イタリア政府観光局公式サイト

 「世界遺産地区周辺~アスティのグルメ

 

 

JAPAN-ITALY Travel On-line」→「アスティへようこそ! Benvenuti ad Asti」→「第1回『上を向いて歩こう』

 

 「ミラノ駐在ブログ」→「アスティのワイン祭り

 

1. Duomo (Santa Maria Assunta) 大聖堂

 

 町の北西部に位置しています。駅前のグリェルモ・マルコーニ広場 (Piazza Guglielmo Marconi)から北に向かい、ロータリーを通り、右手のパリオ広場駐車場 (Parcheggio Piazza Campo del Palio)西側のルイージ・エイナウディ通り (Corso Luigi Einaudi)に沿って進みま、リベルタ広場 (Piazza Liberta)に出ます。

 

 さらに西側の道に沿って進み、ヴィットリオ・アルフィエーリ広場 (Piazza Vittorio Alfieri)の先のヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)に突き当たって左折し、すぐにダンテ・アリギエーリ通り (Corso Dante Alighieri)に右折し、すぐのチェザーレ・バッチスティ通り (Via Cesare Battisti)に左折します。

 

 道なりに進むと、左にメディチ広場 (Piazza Medici Asti)があり、その先の左側にトロヤーナの塔 (Torre Troyana)が見えます。道の名前がジョバンニ・ゴリア広場 (Piazza Giovanni Goria)に変わり、さらに進むとカテーナ広場 (Piazza Catena)に出ます。

 突き当たりを右折し、すぐのカテドラーレ通り (Via Cattedrale)に左折して、そのまま進むと大聖堂裏手のカテドラーレ広場 (Piazza Cattedrale)に出ます。

 

 またはヴィットリオ・アルフィエーリ広場 (Piazza Vittorio Alfieri)北側の町の中心通り、ヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)を西に進み、聖ジョゼッペ・マレーロ修道院 (Chiesa degli Oblati di San Giuseppe)前のフラテッリ・カイローリ広場 (Piazza Fratelli Cairoli)に右折し、細いフランチェスコ・カラッチオーロ通り (Via Francesco Caracciolo)を北に進むと、大聖堂に出ます。

 

 町の守護聖人の聖セコンドを祀った祠の上に5世紀から6世紀にかけて作られた聖堂を起源としています。

 

 1070年に火災で焼失しましたが、1095年にロマネスク様式で再建されています。この年はウルバン(Urban)2世法王が十字軍の派遣を説いた年に当たり、大聖堂もこのウルバン2世法王に奉献しています。

 

 1266年に再建された鐘楼もロマネスク様式でしたが、17世紀初めにその高さを低くされ現在六層となっています。

 

 大聖堂は高さと幅が24m、長さが82mで、ロンバルド・ゴティック様式の傑作と言えます。14世紀には崩壊し、再建されています。

 聖堂の正面は入口が三カ所あります。それぞれの上に薔薇窓があり、最上部分には十字形の窓があります。

 

 しかし、現在では1470年に聖堂南側の側面に作成された入口から入ることになります。入口はポーチ型になっており、赤と白の横縞模様の柱が並び、ロマネスク様式の柱頭飾りが見えます。

 

 両脇には15世紀制作の聖ペテロ、聖パウロ、聖ジェロラモ、聖ビアージョの立像彫刻が立ち、ティンパヌムには受胎告知のフレスコ画が描かれています。

 

 中央上方には太陽と月のレリーフを左右に配し、天使に囲まれた聖母の立像の上には戴冠するキリストの胸像が見えます。

 

 聖堂内は三廊式で、中央主祭壇にはキリストの磔刑像が天井から下がり、ステンドグラスのアプシス脇には聖職者がグリザイユで描かれています。

 

 

 12世紀半ばに作成された床のモザイクは色彩豊かです。

 

 

 両脇にはオルガンがあり、奥の聖歌隊席は18世紀の制作です。主祭壇の左手の祭壇には「東方三博士の礼拝」のフレスコ画の前に「聖母被昇天」の金の立像が輝いています。

 

 

 天井から側面すべてに絵が描かれており、さらに柱にもアカンサスの葉模様が描かれています。多くのフレスコ画は18世紀のものです。

 

 

 右側廊の聖フィリッポ・ネリ礼拝堂は18世紀にヴィットーネ (Bernard Vittone)が制作しており、祭壇画は、アスティ生まれの画家、ガンドルフィーノ (Gandolfino da Roreto 通称Gandolfino d'Asti)の16世紀初めの作品です。

 聖家族の脇に聖セコンド、聖ビアージョ、聖ダルマツィオ、聖ジェロラモが描かれています。

 

 

 正面入口の左側廊から2番目の壁龕には15世紀末に作成された等身大の九体のテラコッタ製の「哀悼」が見られます。

 

 3番目の壁龕にある「聖母の婚礼」はガンドルフィーノの作品です。

 

 

 正面の入口の柱の脇には二つの石の水盤があります。11世紀初めに作成されたものは、動物と悪魔の頭で飾られた方形で、13世紀初めに作成されたものはライオンとグリフィンで飾られた六角形をしています。

 

 


2. Chiesa di San Giuseppe 聖ジュゼッペ聖堂

 

 町には聖ジュゼッペ聖堂という名称の聖堂が二カ所あります。この聖ジュゼッペ聖堂は、町の南西に位置し、ロエーロ通り (Via Roero)とサン・マルティーノ通り (Via San Martino)の交差する場所の西側にある小さな聖堂です。

 

 通常、聖ジュゼッペ聖堂と言うと、聖ジュゼッペ・マレーロ修道院 (Santuario di San Giuseppe Marello)を指します。→ 次項を参照ください

 

 

 

 17世紀に建設され、18世紀に完成しています。聖堂正面はルネサンス様式イオニア式の柱頭飾りが載る、片蓋柱がアクセントを与えています。入口の両脇にある壁龕には像はありません。

 

 左手の鐘楼はロマネスク様式を残しています。

 

 聖堂内は三廊式でバロック様式の聖堂です。

 

 

3. Santuario di San Giuseppe Marello 聖ジュゼッペ・マレーロ修道院

 

 町を東西に走るヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)を西に向かい、フラテッリ・カイローリ広場 (Piazza Fratelli Cairoli)の前にある大きな聖堂です。

 

 このまま西に向かうと聖カテリーナ聖堂 (Chiesa di Santa Caterina)に至ります。

 

 

 

 元は聖アグネス聖堂でしたが、20世紀になって、トリノで生まれアスティの郊外のサンマルティノ・アルフィエーリ (San Martino Alfieri)で生涯を終えた19世紀の聖人、ジュゼッペ・マレーロ (San Giuseppe Marello)に奉献した新しい聖堂です。

 

 正面入り口は円柱の束ね柱の厚さだけ前に突き出ており、上の壁龕には子供を抱いた聖人の立像があり、そのまま屋根まで伸びて天を突く高さの鐘楼となっています。

 

 

 聖堂内は両脇に礼拝所を並べた五廊式の聖堂です。正面中央主祭壇にはキボリウムの中に子供を抱いた聖人の絵が掲げられ、ピエタ像のある礼拝堂など装飾は新しいものです。

 

 

 

 

 

↓こちらにも内部の写真があります。

「OBLATI DI SAN GIUSEPPE MARELLO 」(http://www.italiavirtualtour.it/dettaglio.php?id=97601)

 FlashPlayerで360°の写真も見られます。

 音が気になる場合はスピーカーアイコンをクリックして止められます。

4. Chiesa di San Martino 聖マルティーノ聖堂

 

 ヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)の中央にあるローマ広場 (Piazza Roma)の南西側に位置し、ローマ広場からサン・マルティーノ通り (Via San Martino)を1ブロック南に進むと、左にジャンカルロ・アリベルティ通り (Via Giancarlo Aliberti)、右にサン・マルティーノ広場 (Piazza San Martino)が見えてきます。

 

 聖堂は、サン・マルティーノ広場の前にあります。

 

 

 886年に建設された古い聖堂ですが、17世紀に崩壊し1736年にバロック様式で再建されています。

 

 正面入口上には聖人の立像が置かれ、左右にも聖職者の像が見えます。

 

 左手の鐘楼はロマネスク様式をとどめています。大きな聖堂ですが、聖堂内は単廊式です。

 

以下の内部写真はWikimedia Commonsより

San Martino 内部 Wikimedia Commons
San Martino 内部 Wikimedia Commons
San Martino バルコニー Wikimedia Commons
San Martino バルコニー Wikimedia Commons
San Martino オルガン Wikimedia Commons
San Martino オルガン Wikimedia Commons
フレスコ画 "La Gloria di Alessandro Sauli"  Wikimedia Commons
フレスコ画 "La Gloria di Alessandro Sauli" Wikimedia Commons

5. Chiesa dell'ex Confraternita di San Michele 聖ミケーレ聖堂

 

 聖マルティーノ聖堂の対面にある小さな聖堂です。

 

 

 

 18世紀に建設されており、入口の上には聖ミケーレが剣と秤を持った浮彫が施されています。

 

6. Chiesa di San Paolo 聖パオロ聖堂

 

 駅前ロータリーからカミッロ・ベンソ・カヴール通り (Via C. Benso di Cavour)を北西に向かい、三差路を左側のピアッツェッタ・サン・パオロ (Piazzetta San Paolo)に入り、次の9月20日通り (Via XX Settembre)との三差路の左手前側にあります。

 

 聖堂の前には広場 (Piazzetta San Paolo)があり、三差路を北(右側)に進み、三角形のスタトゥート広場 (法の広場:Piazza Statuto)を左に見て、突き当たりを小道に右折して、さきほどのカミッロ・ベンソ・カヴール通り (Via C. Benso di Cavour)に出たら左折すると聖セコンド聖堂広場 (Piazza San Secondo)に出ます。

 → 聖セコンド聖堂 (Collegiata di San Secondo)

 

 

 18世紀に建設されており、聖堂内はギリシャ十字形で、主祭壇は聖パオロの祭壇ですが、聖母と聖アンと聖セバスティアンの祭壇があります。

 

内部の写真は、Wikimedia Commonsより。

San Paolo 内部 Wikimedia Commons
San Paolo 内部 Wikimedia Commons
フレスコ画 "conversione di San Paolo" Wikimedia Commons
フレスコ画 "conversione di San Paolo" Wikimedia Commons
Sant'AnnaとMaria Bambina  Wikimedia Commons
Sant'AnnaとMaria Bambina Wikimedia Commons
聖母と聖ヨハネと十字架のイエス  Wikimedia Commons
聖母と聖ヨハネと十字架のイエス Wikimedia Commons

7. Chiesa di San Pietro in Consavia 聖ピエトロ聖堂

 

 駅前のグリェルモ・マルコーニ広場 (Piazza Guglielmo Marconi)から広いパリオ広場駐車場 (Parcheggio Piazza Campo del Palio)西側のルイージ・エイナウディ通り (Corso Luigi Einaudi)を進み、リベルタ広場 (Piazza Libertà)、ヴィットリオ・アルフィエーリ広場 (Piazza Vittorio Alfieri)を通って、町の中心を東西に走るヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)に突き当たります。

 

 突き当たりを右折して東に進み、プリモ・マッジオ広場 (Piazza Primo Maggio)のロータリー手前の右側にあります。

 

 駅前からは1.5kmほどあります。

 八角形の聖堂はエルサレムの聖墳墓聖堂を模しています。12世紀にロマネスク様式で建設されており、マルタ騎士団の洗礼堂として使用されていました。巡礼者の保護を標榜する騎士団ですから、聖堂だけでなく、病院や宿泊施設が併設されていました。

 

 現在では回廊は現代博物館になっています。

 

 赤煉瓦造りで下層部には各角にある太い片蓋柱が目立ちますが、上層部が下層部に比べて非常に小さく、均整を逸しているように見えます。

内部の写真は、Wikimedia Commonsより。

San Pietro 洗礼所  Wikimedia Commons
San Pietro 洗礼所 Wikimedia Commons
San Pietro 洗礼所  Wikimedia Commons
San Pietro 洗礼所 Wikimedia Commons
洗礼所内部 Wikimedia Commons
洗礼所内部 Wikimedia Commons
聖母 Wikimedia Commons
聖母 Wikimedia Commons

8. Chiesa di San Rocco 聖ロッコ聖堂

 

 ロエーロ通り (Via Roero)を南へ下るとサン・マルティーノ通り (Via San Maritino)と合流し、さらに南に進むとセラフィーノ・グラッシ通り (Via Serafino Grassi)と名前が変わります。アンジェロ・ブロッフェリオ通り (Via Angelo Brofferio)と交差する角に聖ロッコ聖堂があります。

 

 また、セラフィーノ・グラッシ通りと名前が変わる前に左折して9月20日通り (Via XX Settembre)に入り東北東方向に直進して500mほど進むと三差路に出ます。その右角に、聖パオロ聖堂 (Chiesa di San Paolo)があります。

 

 

 赤煉瓦造りで二層式の聖堂で、入口は一カ所、上に角窓が一つのシンプルな造りです。

 左手奥に鐘楼があります。聖堂内は単廊式です。

 

9. Collegiata di San Secondo 聖セコンド聖堂

 町の中心に位置し、聖堂の前には同名の大きな広場 (Piazza San Secondo)があります。聖セコンドは、120年ころにこの地で殉教したと言われ、そのために、聖セコンドを町の守護聖人として祀った聖堂です。

 町で一番古い聖堂と言われています。

 

 1256年にロマネスク様式で建設されていますが、鐘楼も同時期の建設とみなされています。なお、正面は1462年にゴティック様式で改修されています。

 

 入口は三か所あり、中央入口の上には丸窓があり、その上の壁龕に聖セコンドの小さな立像が見えます。

 

 ティンパヌムには2名のフレスコ画が見えますが、剥落しており人物を同定できません。

 

 なお、入口の張り出した部分と、屋根の上の尖塔や十字架は18世紀に追加されたものです。また、右側廊がわの入口は15世紀に追加されています。

 

 

 

 聖堂内は三廊式で、12本の柱が穹窿天井を支えています。柱頭飾りの一部にロマネスク様式独特の、ライオン、犬、人魚、緑男などの彫刻が残されています。

 

 

 

 中央主祭壇にはキリストの磔刑像が天井から下がり、町の模型を捧げ持つ聖人の立像が飾られています。

 

 聖歌隊席は彫刻が施された17世紀の制作で、両脇には18世紀のビアンキ (Cav.Bianchi)作の聖セコンドの逸話が大きなフレスコ画で描かれています。

 

 

 主祭壇の右手の祭壇は18世紀にヴィットーネ (Bernardo A. Vittone )が建設した聖セコンドを祀ったものです。左手の祭壇は16世紀建設で、聖セコンドの殉教の大きなフレスコ画があります。

 

 

 左側の祭壇の手前は鐘楼の壁に当たり、エルサレムの遠景が描かれたフレスコ画の下の壁龕ピエタ像が置かれています。

 

 右側廊には13世紀から15世紀に追加された4カ所の礼拝堂が並んでいます。

 

 多面祭壇画の「東方三博士の礼拝」は16世紀のガンドルフィーノ (Gandolfino da Roreto 通称Gandolfino d'Asti)の作品です。その他の絵画は17世紀以降のものです。

 

 

 内陣の左手から入れる地下聖堂のなかでも一番古い部分は6世紀に作られ、高さの低い円柱で支えられています。

 

 その後ロマネスク様式で改築され、さらに15世紀から16世紀に拡張されています。

 

 

 聖セコンドの聖遺骨は15世紀製の銀の聖遺物容器に収納されています。17世紀にはローマ帝政時代の溝のある円柱で補強された他、ルネサンス様式の飾りも追加されています。

 

 なお、地下聖堂は下り階段脇のスイッチを押すと電灯が灯ります。

 

 入口の上には18世紀のオルガンが置かれています。

 

 巨大な建設のドゥオーモに対して市民が親しみをもって接している聖堂のように見受けられました。

 

10. Chiesa di Santa Caterina 聖カテリーナ聖堂

 

 町を東西に走る主要通りであるヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)の西端に位置し、その先にはローマ帝国時代の街壁と、西門が見えてきます。

 

 隣接して建つ鐘楼は赤塔 (Torre Rossa)です。16面ある多角塔ですので、遠くからは円柱形に見えます。

 

 聖堂正面の入り口は一つで、両脇が外側に湾曲した造りは、まさにバロック様式です。

 

 聖堂前の広場から一段高くなっていますので、正面からは上層部の円柱形のドームはよく見えませんが、左手に回り鐘楼側から見ると巨大な大きさであることが良くわかります。

 

 

 聖堂内はギリシャ十字形です。

 

 楕円形のドームから十分に採光されており、聖堂内を明るく照らしています。

 

 

 主祭壇にはキリストの磔刑像があり、奥には聖カタリナ他の殉教者の絵が飾られています。

 

 ドームの天井には牧者としてのキリストが描かれています。

 

 

 悲しみの聖母の礼拝所など、バロック様式で飾られた聖堂です。

 

 

 

 入口の上にはオルガンがあります。

 

11. Chiesa di Santa Maria Nuova サンタマリア・ヌオヴァ聖堂

 

 駅前のグリェルモ・マルコーニ広場 (Piazza Guglielmo Marconi)から北に向かい、ロータリーを通り、右手のパリオ広場駐車場 (Parcheggio Piazza Campo del Palio)西側のルイージ・エイナウディ通り (Corso Luigi Einaudi)に沿って進みま、リベルタ広場 (Piazza Liberta)に出ます。

 

 さらに西側の道に沿って進み、ヴィットリオ・アルフィエーリ広場 (Piazza Vittorio Alfieri)の先のヴィットリオ・アルフィエーリ通り (Corso Vittorio Alfieri)に突き当たって、右折して東に進むと、聖堂と同名の広場 (Piazza Santa Maria Nuova)が右手にあります。

 

 なお、そのまま道なりに500mほど進むと聖ピエトロ聖堂 (Chiesa di San Pietro in Consavia)に出ます。

 

 

 11世紀にロマネスク様式で建設されましたが、14世紀、18世紀に改修されています。

 

 入口が一つ、上には聖母子の浮彫があり、その上に丸窓があります。

 

 聖堂内は単廊式ですが拡張され、両脇に礼拝所が並んでいます。

 

 

 

 中央祭壇にはキリストの磔刑が置かれ、アプシスにはガンドルフィーノ (Gandolfino d'Asti)1496年作の、「聖母と聖人と天使」画が飾られています。

 

 

 天井は穹窿式で、採光は十分には取られていません。

 

 

 

 

 内側にはオルガンが設置されています。地味な印象の聖堂です。

 

12. Santissima Trinità e Sant'Evasio 聖三位一体と聖エヴァシオ聖堂

 

 駅前のグリェルモ・マルコーニ広場 (Piazza Guglielmo Marconi)から北に向かい、ロータリーからカヴール通り (Via C. Benso di Cavour)を北上して行くと左手にあります。

 

 狭い道ですが両脇に商店が並び人通りが多いので、小さな聖堂ですから見落としがちです。

 

 

 道なりにさらに進むと聖セコンド聖堂 (Collegiata di San Secondo)前の広場に出ます。

 

 聖エヴァシオは3世紀半ばにローマからアスティの司教として赴任してきて、殉教者となった聖人です。

 

 聖堂は16世紀の建設ですが、1760年に現在のバロック様式の聖堂に改装されています。

 

 正面は19世紀に改修され、入り口脇には片蓋柱が上層部まで通っており、間の花綱の浮彫飾りがきれいです。

13. Santuario Beata Vergine del Portone (Madonna del Portone) 聖母修道院

 

 町の西端にある、聖カテリーナ聖堂 (Chiesa di Santa Caterina)前の広場 (Piazza Santa Caterina)から、サンタンナ通り (Via Sant'Anna)を南下してカルミネ通り (Via Carmine)との交差点にあります。 

 

 ドームを載せた大きな聖堂です。20世紀の建設です。

 

 

 

 【注意】

 以下の記述ですが、クリックすると「Flash Player」をダウンロードするよう勧めてきます。

 しかし「Flash Player」は、2020年にはサポートを終了するとAdobeが公式に発表しています。セキュリティ上いろいろ問題があるので、Webサイトは、「Flash Player」からHTML5への移行が進んでいます。

 以下のリンク先もいずれHTML5に変わると思います。(2020年6月追記)

 

 

 内部の360°ビューはこちらからご覧になれます。

 Italiavirturaltour.it「Santuario della Madonna del Portone

 始めは外観ですが、画面右端中央の►をクリックして内部ビューを選択できます。