アーゴルド Agordo
ドロミテ国立公園への入口のベルーノ(Belluno)からバスで北西に向かい、30分程で到着します。国道203号線に沿って南北に長く伸びている町で、この先の小さな村へ向かうバスの中継地となっています。
国道(Strada Regionale203)に沿ってクロッタ屋敷 (Villa Crotta-De Manzoni)があります。Villa Crotta とは16世紀に所有していた家族の名前で、18世紀末になってイタリアの国民的詩人で作家のマンツィーニの邸宅となっています。
建屋の周辺に人物像が並ぶ、瀟洒な造りの豪邸です。ヴェネツィアの富裕層が建設した家で、町が避暑地であったことが伺えます。
そこから国道(Strada Regionale203)を100mほど南下すると左側に「戦争記念碑(Monument ai Caduti)」があります。
柱はろうそくを模しています。
銘板には
"Agordo
Onora Tutti i Caduti
Per La Difesa
Della Patria"
「Agordo 祖国防衛のためのすべての戦没者に敬意を表する」と記載されています。
1. Santa Maria Nascente サンタマリア・ナッシェンテ聖堂
国道(Strada Regionale203)を北上し通りの名前がリベルタ広場(Piazza della Libertà)と変わり、少し進むと右側に見えてきます。
9世紀に建設された聖堂を12世紀にロマネスク様式で改築しましたが、その後も改築を重ねてきています。
正面の扉口の両脇に鐘楼が建つ構造は、ドイツ地方では見られますが、イタリアではあまり見られない構造です。
聖堂の扉口の上には三体の殉教聖女の立像があります。
聖堂内は三廊式で束ね柱がボールト天井を支える大きな聖堂です。主祭壇には大きなキリストのエルサレム入城の絵が掲げられています。
聖堂内はバロック様式で飾られていて、扉口の内側にはオルガンがあります。
チェンチェニーゲ・アゴルディーノ Cencenighe Agordino
アーゴルドから国道(Strada Regionale203)を北西に10kmほど進むと村に到着します。
チェンチェニーゲ湖 (Lago di Cencenighe)の湖畔に沿った小さな村で15世紀初めにヴェネツィアの傘下に入っています。
アーゴルドよりは小さな村ですが、近年は石炭産業で栄えたこともあり、地域の行政機関があり、周辺の村落の中心地となっています。
2. Sant'Antonio Abate 聖アントニオ・アバテ聖堂
村の北にあるバスターミナル北側の11月4日広場(Piazza 4 Novembre)にあります。
1250年代にゴティック様式で建設された歴史を持っています。その後18世紀初頭に新しく建設されました。
オーストリアの影響を受け、鐘楼の上にはアルプス山系の北側で見られる玉葱型の屋根が載っています。
内部は三廊式で、木製の主祭壇があります。