レッジョ・エミリア Reggio Emilia

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 レッジョ・エミリア (Reggio Emilia)は、エミリア・ロマーニャ州にあるレッジョ・エミリア県の県都で、正式には「レッジョ・ネッレミリア(Reggio nell'Emilia)」と呼ばれる。

 

 パルミジャーノ・レッジャーノ (parmigiano reggiano)」の産地として有名で、レッジャーノとは当地「レッジョの (Reggiano)」という意味である。

 

 

アクセス

 ミラノから東南に向かい、ピアチェンツア (Piacenza)、パルマ (Parma)の次の町で、列車では1時間半ほどで着きます。駅は東端に位置しています。駅前から北に向かい、三色旗広場 (Piazza Tricolore)からエミリア・サン・ピエトロ大通り (Via Emilia San Pietro)に入ると町の中心に出られます。

 

 車で訪れた場合には、駐車場は町の中心地にはありませんので、駅前や公園周辺に停めて徒歩で回ることになります。

 

 

 小さな町ですから、主な見どころは全て歩いて回ることができます。

 

宿: 大きなホテルは町中にはありません。事前に予約することをお勧めします。

ReggioEmilia_市庁舎_Palazzo Comunale会議室
ReggioEmilia_市庁舎_Palazzo Comunale会議室

 

 写真は、市庁舎(Palazzo Comunale)の会議室です。

 1797年、レッジョエミリア・ボローニャ・モデナ・フェッラーラの代表がこの場所に集まり、チスパダーネ (Cispadane)共和国の建国を宣言をしました。

 その時、新生共和国の国旗としたのが現在のイタリア三色旗の基となりました。なお、当初の三色旗は横に上から赤・白・緑でしたが、現在は縦に右から赤・白・緑です。

 

 申請するとこの「三色旗の間」の見学ができます。

歴 史

 レッジョ・エミリア (Reggio Emilia)は紀元前のローマ帝国時代からあった町でした。

 

 12世紀には、神聖ローマ皇帝フリードリッヒ2世がグレゴリウス7世からの破門を解いてもらうために、執成しを依頼したことで高名なマティルダ伯 (Matilda di Canossa)の町でした。ルネサンス時代にはフェッラーラのエステ (Este)家の支配下にありました。

 

 はるばるイングランドやオランダ地方からローマへ巡礼に行こうとすると、北からのルートではアルプス越えをしてイタリアに入ることになります。ミラノで一休みした後、パヴィア (Pavia)を経由してピアチェンツア (Piacenza)に入り、ここからは二つのルートがありました。

 

 その一つが、パルマ (Parma)、レッジョ・エミリア、モデナ (Modena)、ボローニャ (Bologna)を通るエミリア街道で、ローマ帝国時代から幹線道路でした。なおその後はイモーラ (Imola)、ファエンツア (Faenza)、フォルリ (Forli)からイタリア半島を南北に縦断する形で、アレッツォ (Arezzo)、オルビエート (Orbieto)からローマに入ることになります。

 

 このようにローマへの巡礼街道に繋がる町は、その間の距離はそれほどありませんが、それぞれが異なる貴族に支配されたり、ベネチアの様な都市国家共和国に支配されたり、または自身が都市国家共和国としての歴史を持ったように、独自の歴史を持っています。

 

 城壁で囲まれている町が多いのですが、良く見るとレッジョ・エミリアのように広い道が東西に走る町もあれば、狭くて直線道路がなく、ジグザグに曲がる道が多くて見通しの悪い町など、その形態も異なり、町の印象も異なります。同様に各町の聖堂も、名称は同じでも、おのおの特徴を持っているのです。

  

その他の情報

 「JAPAN-ITALY Travel On-line」「小都市を訪ねる旅」レッジョ・エミリア  イタリアの三色国旗『トリコローレ』発祥の地

 

 

 またレッジョは、町をあげての芸術教育と幼児教育で、欧米および日本でも注目されている。

 → レッジョエミリア教育とは (このサイトによれば「市の税金の半分が教育資金にあてられている」とのこと)

 

 本邦でも「レッジョ•エミリア•アプローチ」を採用している学校があります。→「Daizawa International School」

 

 

 

1. Duomo ドゥオーモ (サンタ・マリア・アッスンタ大聖堂)

 

 エミリア街道から一本南に入った町の中心地にあるプランポリーニ広場 (Piazza Camillo Prampolini)に面して立つ大きな聖堂です。

 

 ドゥオーモの前のプランポリーニ広場は朝市が立つだけでなく、各種の催し物が行われる、正に町の中心部となっています。

 

 

 当初の聖堂は古くローマ帝政時代からとみなされていますが、現在の大聖堂の基礎は9世紀に建設されました。16世紀になって大幅な改修がなされています。

 

 中央には八角柱の塔が乗り、15世紀にスパーニ (Bartolomeo Spani)により制作された大きな聖母子像が金色に輝いています。

 

 正面のティンパヌムにはミケランジェロの影響を受けたソガーリ (Prospero Sogari)作のアダムとイブの彫刻が乗り、両脇には聖グリサンタ (St.Grisante)、聖ウェネリウス (St.Venerius)など4人の聖人立像が見えます。

 聖堂内は三廊式で広々としており、太い角柱が荘厳さを醸し出しています。

 洗礼堂は13世紀にラテン十字型で建設され、16世紀にルネサンス様式に改修されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト:「Reggio Emilia Città del Tricolore(英語)

Cathedral (英語)

開館時間などが記載されています。

2. Sant'Agostino 聖アゴスティノ聖堂

 

 町の南端にある大きな聖堂です。ドゥオーモの西側のカミッロ・プランポリーニ広場 (Piazza Camillo Prampolini)を南下すると、通りの名前が、クローチェ・ビアンカ通り (Via della Croce Bianca)と変わります。

 

 そのまま進むとスクアドロニ通り (Via Squadroni)に突き当たるので、右折してすぐのルイージ・カルロ・ファリーニ通り (Via Luigi Carlo Farini)に左折し、ルイージ・ロヴェルシ広場 (Piazza Luig Roversi)を越えてバルディ通り (Via Bardi)を進むと、突き当たりにあります。

 

 8世紀初めに建設された時は聖アポリナーレに奉献された聖堂でしたが、13世紀になって改名しています。

 

 ロマネスク様式の聖堂の正面は1452年にバロック様式に改修されています。その後、正面の両側の壁龕内に聖人の立像が飾られました。

 

 聖堂内は三廊式で、イオニア式の柱が整然と並び、白い天井と相まってギリシャ神殿の様な雰囲気になっています。

 

 

 

3. Padri Cappuccini カップチーニ聖堂

 

 レッジョ・エミリアの町の北の閑静な住宅地にある小さな聖堂です。

 

 正面はロマネスク様式に似せて作成され、中央に聖母マリア像が飾られています。

 

 内部は三廊式で修復されたきれいな聖堂です。キリストの受難の浮き彫りを柱に飾り、新しい教会の姿を示しているように思えました。

 

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト:「Reggio Emilia Città del Tricolore(英語)

Church of the Cappuccini (英語)

開館時間などが記載されています。

 

4. Cristo クリスト聖堂

  町を東西に分けるエミリア街道の中心からやや南に下った広い路の交差点にあります。

 

 ドゥオーモの西側のカミッロ・プランポリーニ広場 (Piazza Camillo Prampolini)を南下すると、通りの名前が、クローチェ・ビアンカ通り (Via della Croce Bianca)と変わります。

  そのまま進むとスクアドロニ通り (Via Squadroni)に突き当たるので、左折して次ぎのヴィーコロ・デル・フォッレット通り (Vicolo del Folletto)に右折し、ルイージ・ロヴェルシ広場 (Piazza Luig Roversi)に入ると左側の角にあります。前は広場になっていますので、良く見渡せます。

 

 

 正面は18世紀に、4本の円柱が並ぶバロック様式に改修されていますが、道路からより良く見えるように従来の建物から角度を付けて設計されたように見受けられます。

 

 屋根の上には3体の像が立ち、中央の像は聖書と十字架を持ち、左側の像は聖母子像でしょうか。正面の壁龕には左右に立像が見えます。

 

 聖堂の奥行きはありませんが、路に沿って幅はあります。地元に密着した聖堂と言えるのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公式観光サイト:「Reggio Emilia Città del Tricolore(英語)

"Del Cristo" Church (英語)

開館情報などが記載されています。

 

5. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

 

 町で一番広いポポロ公園 (Parco del Popolo)に建つ立派な市民 (ムニキパーレ)劇場 (Teatro Municipale Romolo Valli)前の、7月7日犠牲者広場 (Piazza Martiri del 7 Luglio 1960)に面して立つレンガ造りの聖堂です。

 

 正面の入口上には聖フランチェスコが聖痕を受ける大きな壁画が飾られています。

 

 またドメニコ派の修道院が隣接しており一体化しています。

 

 

6. Madonna della Ghiara 聖母ギアラ聖堂

 

 町を東西に分けるエミリア街道の西端にあり、オベリスクの建つジョベルティ広場 (Piazza Gioberti)に近く、ドゥッカーレ宮殿 (Palazzo Ducale)の対面にあります。

 

 

 

 1596年4月29日に聾唖の少年がフレスコ画の聖母子像の前で祈っていたときに突然健常者になったと言う奇蹟を基に、翌年フェッラーラ出身のバルビ (Alessandro Barbi)の設計で建設されたバロック様式の聖堂です。

 

 

 

 聖堂内にはグエルチーノ(Guercino)作 キリスト磔刑図を始め、17世紀に作成された多くの絵画が飾られていますが、特に町の同業者組合 (Guild)が貢献しています。

 

 入口付近には羊毛商人と絹商人の同業者組合が奉納した洗礼盤が見られます。

 

 

 公式サイト(http://www.basilicaghiara.it/)に内部の絵画の説明Videoがありました。

以下に転載します。字幕を表示すると固有名詞が判別しやすくなります。

THE TEMPLE OF THE BLESSED VIRGIN OF GHIARA IN REGGIO EMILIA (YouTube 約30分)

 

 聖堂の北隣には、ギアラ博物館 (Museo della Ghiara)があります。

 

 

7. San Giacomo 聖ジャコモ聖堂

 

 町の北のサンタマリア公園 (Parco Santa Maria)の西側に隣接するロマネスク様式の聖堂です。

 聖堂正面はローマ通り (Via Roma)に面しています。写真はダンテ・アリギエーリ通り (Via Dante Alighieri)から見たものです。

 

 鐘楼も目立つ高さではなく、裏庭には楚々とした小さなマリア象が立つ祠があります。

 

 

 

 聖堂内は三廊式でイオニア式の列柱が並びますが、側廊は狭く、特別に華美な装飾も無く、清楚な聖堂です。

 

 

8. San Giorgio 聖ジョルジョ聖堂

 

 町の中心にあるプランポリーニ広場 (Piazza Camillo Prampolini)の西端の道を南下すると、ルイージ・カルロ・ファリーニ通りと名前が変わり、スクアドロニ通り (Via Squadroni)との交差点の先の左側にある大きな聖堂ですが、前に広場が無いため、全体を見渡すことができません。

 

 聖堂の前の道を隔てた館はサン・ジョルジョ宮 (Palazzo San Giorgio)で、現在はパニッツィ図書館(Biblioteca Panizzi)となっています。

 

 

 13世紀初頭に建設されたロマネスク様式の聖堂でしたが、1879年にネオクラシック様式に改修されています。

 

 正面の入口上には馬上の聖ジョルジョが龍退治をしている浮彫が見られます。

 

 

 

 鐘楼は36mの高さを誇っています。

 

 

9. San Prospero 聖プロスペロ聖堂

 

 町の中心にあるドゥオーモ (Duomo)の裏手にあり、聖堂の前には同名の広場 (Piazza S.Prospero)があります。

 

 聖堂の前の聖プロスペロ広場ではドゥオーモ前の広場とは異なり、日用雑貨や野菜などの朝市が立ち、町のにぎわいを伝えています。

 

 

 

 

 レッジョエミリアの町の守護聖人である聖プロスペロを祀り、997年には建設されていましたが、その後16世紀に再建されたラテン十字型の聖堂です。

 

 

 この町では一番大きく立派な聖堂と言っても良いでしょう。

 

 聖堂の脇に聳え立つ八角形の鐘楼は16世紀にリッチ (Cristoforo Ricci)やロマノ (Giulio Romano)により改装されています。正面の壁龕内に6人の聖人の立像が飾られ、屋上には両脇に2名の天使が坐し、頂上には天使に傅かれた聖人像が載っています。

 

 

 正面の階段脇には6頭の赤石のライオンが並びますが、このライオンは柱廊が未完成であったために、他の聖堂で良く見られるような円柱を支えた姿ではなく、独立しています。

 

 

 内部は三廊式で、内陣にはプロカッチーニ (Camillo Procaccini)作のフレスコ画などの聖画が壁面や天井に鮮やかな色彩で飾られています。

 

 

 また右側の礼拝堂には、アンセルミ (Michelangelo Anselmi)作の「キリストの洗礼」やベンザ (Carlo Benza)作の「聖母子と聖グレゴリオ」等の絵画が飾られています。

 

10. San Pietro 聖ピエトロ聖堂

 

 レッジョエミリアを東西に分ける町の中心を通る大通りの名前 (Via Emilia San Pietro)にもなっており、町の東端にある三色旗広場 (Piazza del Tricolore)から北西に250mほどの位置にあります。

 

 

 

 ラテン十字型でロマネスク様式の三廊式の聖堂ですが、修道院を併設している規模の大きな聖堂です。

 

 外壁は紅が塗られて目立つ存在です。

 

 

 

 

内部のようすは、こちら↓をご覧ください (Wikimedia Commons)。

https:/commons.wikimedia.org/wiki/Category:San_Pietro_(Reggio_Emilia)

 

 

公式Webサイト Parrocchia di San Pietro (http://sanpietrore.altervista.org/homew/)では、各礼拝堂 (Cappella)の絵画も見ることができます。

Arte (http://sanpietrore.altervista.org/homew/visita-virtuale-new/)