フォルミージネ Formigine
フォルミージネ (Formigine)は、エミリア・ロマーニャ州モデナ県 (Modena)の都市で、モデナの南西約6kmにある。
アクセス
モデナ (Modena)から鉄道で20分程の所にあります。ただし、イタリア全土を覆う鉄道とは別の鉄道会社が運営していますので、電車はモデナの駅から出発しますが、切符は駅舎ではなく、駅舎を出た駅前広場の一郭にある店で買うことになります。
鉄道の終着駅はサッスオーロ (Sassuolo)です。モデナからの本数は1時間に一本はあるので簡単に往復できますが、休日には大幅に減少します。
歴 史
13世紀初めにレッジョ・エミリア (Reggio Emilia)に対抗するために、モデナ公爵のエステ家が城を建設したことから始まります。その後城は14世紀末にエステ家からカルピ (Carpi)の支配者、ピオ1世(Marco Pio I)に下賜されています。
参考:Carpi の項をご参照ください。
町を歩く
町の中心には現在では空堀となってはいますが、周囲を豪が囲み、方形で角に物見やぐらが立ち、入城門には跳ね橋が供えられた中世の典型的な城が存在しています。
現在では町役場と博物館になっており、城内は町人の憩いの場所となっています。
駅は町の北にあり、駅前のスタツィオーネ通り (Viale della Stazione)からピアーヴェ通り (Via Piave)に左折し、トレント・トリエスティ通り (Via Trento e Trieste)に右折して進むと城の正面にある広場に出ます。
町の中心部は城を中心とした狭い範囲内にあり、すべて歩いて回れます。
1. San Bartolomeo 聖バルトロメオ聖堂
町の中心にある城の前にあり、広場を挟んで聖堂の正面は城の方を向き西面しています。
17世紀に建設されたバロック式の聖堂で、二層に分かれイオニア式の柱頭飾りの付いた白い片蓋柱が切妻屋根を支えています。
入口は一カ所で、上には方形の窓があります。右奥に聖堂の後陣に接して鐘楼が立っています。
聖堂内は三廊式で、中央祭壇の前飾りとして最後の晩餐の場面が多彩色で描かれ、天井からキリストの磔刑像が下げられています。
アプシスには聖バルトロメオが描かれています。柱にはイオニア式の柱頭飾りが施され、蒲鉾天井を支えています。
左右の側廊に礼拝堂が並んでおり、右側廊の最初は洞窟をかたどった中に聖母像が置かれ、二番目は聖アントニオ礼拝堂で、次いで羊飼いの礼拝と続き、四番目にはオルガンが置かれています。
左側廊の最初はキリストの磔刑像が置かれ、二番目はロザリオの聖母礼拝堂です。
2. San Pietro Martire 聖ピエトロ殉教者聖堂
城の正面から広場に向かってみると、広場の右端に聖堂の側面が見えます。聖堂は南北を向いており、入口は南側にあります。
入口は一カ所で上に方形の窓があり、その上の壁龕には聖母像が収められています。
聖堂内は単廊式の小さな聖堂で、主祭壇には聖母子が、右二番目には洗礼者ヨハネと聖クリオ (San Curio)の礼拝堂があります。
3. Santissima Annunciata 受胎告知聖堂
城の前の広場を南の端まで行き、聖ピエトロ殉教者聖堂 (San Pietro Martire)に沿って左折して聖ピエトロ通り (Via San Pietro )を進むと正面に見えて来ます。
入口は西を向いています。聖堂の上層部分は白と黒の横縞模様になっており、上には受胎告知の浮彫が飾られていますが、その上の白縁の丸窓はアーチ方に囲まれており、強烈な印象的を与えています。
両脇に正面からは少し奥に鐘楼が並び立っています。左右対称の均整の取れた聖堂です。
4. Assunta Conventino 聖母被昇天女子修道院
城の北端を東西に走るサンフランチェスコ・ダッシジ通り (Via San Francesco d'Assisi)を城の裏手に向かって行くと、道が左に曲がる角の右側にあります。
ギリシャ十字形をしており、中心には円筒形のドームが載っています。
入口の上には両脇の天使に支えられて被昇天する聖母が描かれています。
フォルミージネ近くの町
Casinalbo カジナルボ
フォルミージネの北隣の町がカジナルボ (Casinalbo)で16世紀に建設されたサンタマリ・アッスンタ聖堂 (Santa Maria Assunta)があります。
右手に鐘楼がそびえる大きな聖堂です。