フォルリ Forlì

Google マップは現在の Cookie 設定では表示されません。「コンテンツを見る」を選択し、Google マップの Cookie 設定に同意すると閲覧できます。詳細は Google マップの[プライバシーポリシー]をご確認ください。Cookie の利用は、[Cookie 設定]からいつでも変更できます。
Forli  旧市街に入る東端、城門の跡
Forli 旧市街に入る東端、城門の跡

 フォルリ (Forlì)は、エミリア・ロマーニャ州にある都市で、チェゼーナ (Cesena)と並んで、フォルリ・チェゼーナ県 (Forlì-Cesena)の県都である。

 

 

アクセス

 ミラノから電車で東のアドリア海に向かい3時間半ほどで到着します。ボローニャ (Bologna)からは1時間ほどかかります。またアドリア海に面したリミニ (Rimini)までは30分で行けます。

 

 六角形をした城塞都市で、城 (Rocca di Ravaldino)は南東の端にあります。

 

 

歴 史

 

 紀元前、シーザーの時代からローマの支配下にあったとされています。西ローマ帝国の崩壊後はビザンティン帝国による支配も弱く、ロンゴバルド王国の支配下に入った後、8世紀半ばにフランク王のピピンがこの地域一帯をローマ法王に寄進したことから法王領となっています。

 

 ローマ法王側と神聖ローマ帝国皇帝側との抗争時代には西のファエンツァ (Faenza)、東のチェゼーナ (Cesena)との紛争があり、13世紀には神聖ローマ帝国皇帝側の重要な都市となりますが、これは現在の市章に鷲が入っていることでも明らかです。

 

 14世紀はじめにはオルデラフィ (Ordelaffi)家の支配する町となっています。1488年にはミラノのヴィスコンティ (Visconti)家に、1499年にはチェザーレ・ボルジア (Cesare Borgia)に征服された後、ローマ法王領となっています。

 

 フランス革命ではフランスからジャコバイトが直接町を占領するなど、征服された歴史を経てきています。 

Forli  Piazza Aurelio Saffi_市庁舎と塔
Forli Piazza Aurelio Saffi_市庁舎と塔

 

町を歩く

 

 

 駅は町の東北に位置し、駅前からリベルタ通り (Viale della Liberta)で南下すると左側に小学校から大学まで学校が並んでいます。

 

 朝夕は学生が大勢集まりにぎやかです。突き当たりがヴィットリア広場 (Piazza della Vittoria)で、右折するとかつての城門があった場所に、道を挟んで同じ形をした建物があり、そこから旧市街に入ります。

 

 町の中心にあるアウレリオ・サッフィ広場 (Piazza Aurelio Saffi)まで、駅からは1km以上あります。駅前から町の中心までバスの便があります。

 

 なお、アウレリオ・サッフィ広場 (Piazza Aurelio Saffi)はフォルリ出身でイタリア独立時代の政治家 Aurelio Saffi を冠しています。

 

 東から西のスキアヴォニア門 (Porta Schiavonia)まで、ほぼ直線で町を二分する通りがありますが、その他は城塞都市に特有の、曲がりくねり突き当りの多い通りばかりです。

 

 旧市街そのものは広くはないですが、聖堂を探して歩くのは少々厄介です。町の中心にあるアウレリオ・サッフィ広場に面した、聖メリクリアーレ聖堂 (Abazzia San Mercuriale)を起点として動くことが分かりやすいでしょう。

 

 込み入った通りに多くの聖堂が存在し歴史的建造物もありますので、一日で見て回るのは困難です。

 

 市内には現在、20以上の聖堂がありますが、ナポレオンによる占領時代に廃院とされ、そのまま復活しなかった聖堂も数多くあったことが分かっています。町を歩くと元聖堂であったと思われる建屋が銀行になっていたり、公共の施設として利用されていたり、倉庫になっています。

 

 古くからの歴史がありながら、歴史上特に強力な権力者が存在せず、従って秀でた文化財の蒐集や特産品もないので、観光客はほとんどいません。ということで、落ち着いた町並みをじっくり見て歩くことができます。 

 

 

その他の情報

フォルリ公式観光サイト(英語):http://www.turismoforlivese.it/servizi/notizie/notizie_homepage.aspx?lang=3

フォルリ公式観光サイト(伊語) のみ、以下の観光ガイド(PDFファイル:65ページ)がある(英語の説明併記)

Impronte d' Arte - Città di Forlì

上の'Impronte d' Arte - Città di Forlì' を右クリックしてリンク先PDFファイルを保存します。 

 

 

1. Duomo Santa Croce 大聖堂

Forlì  Duomo外観 (Wikimedia Commonsより)
Forlì Duomo外観 (Wikimedia Commonsより)

 

 中央広場からジュゼッペ・ガリバルディ通り (Corso Giuseppe Garibaldi)で西に向かうとドゥオーモ広場 (Piazza del Duomo)に出ます。正面は西北を向いています。

 

 ドゥオーモの正面に向かって左側のオルデラッフィ広場 (Piaza Ordelaffi)にはフォルリ・チェザーレ州の庁舎があります。

 

 これはフォルリ出身の枢機卿ファブリッツォ・パオルッチ (Fabrizio Paolucci)が18世紀に建てた宮殿 (Palazzo Paolucci)で、枢機卿はドゥオーモの建設にも貢献しています。

 

 12世紀に建設された歴史がありますが、16世紀に改築、1841年に大幅改築され、正面には6本のコリント式柱頭飾りのある円柱が切妻屋根を支えています。ローマの聖パオロ聖堂を模倣したと言われています。

 

 鐘楼は1944年に改築されています。

 聖堂内は三廊式で、身廊にはコリント式柱頭飾りのある高い円柱が10本並んでおり壮観です。

 入口から両側廊に2カ所の礼拝堂が並び、16世紀初期の洗礼盤も見られます。右側廊には、聖心の礼拝堂 (Cappella del Sacro Core)が身廊から斜めに飛び出した形態で続いています。

 左側廊には大きな、炎の聖母子礼拝所 (Santuario della Madonna del Fuoco)があります。

 この左側廊の炎の聖母子礼拝所は1619年に炎の中でも燃えずに残った奇跡の木版画が収められており、大聖堂の目玉となっています。

 なお、この聖母子画は、聖ミラコリ聖堂 (Madonna del Fuoco :Chiesa del Miracoli)から移送されたものです。

 天井は華やかに描かれている蒲鉾天井で、ドームには17世紀の聖母被昇天が描かれています。

 左側廊の聖アン礼拝堂にはパルメッツァーノ (Marco Parmezzano)作の聖ロッコ、ロンディネリ (Nicolo Rondinelli)作の聖セバスティアンが掲げられています。

 

 他に、カニャッチ (Guido Cagnacci)作のパドバの聖アントニオなど彩色鮮やかな絵が描かれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「DUOMO DI FORLÌ」:

http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12461

開館時間やイベント情報があります(英語)。

2. Abbazia San Mercuriale 聖メルクリアーレ修道院

 

 町の中心にあるサッフィ広場の北東に位置し、入口は西面しています。フォルリの町を代表する聖堂です。

 

 4世紀に聖ステファノを奉じて建設されていた聖堂が基になっています。1173年に火災で焼失しましたが、4世紀にフォルリの司教だった聖人メルクリアーレを奉じて、1178年(一説に1181年)に新たに建設されています。1585年に当初のバシリカ様式からラテン十字式に拡張されています。

 聖堂の右隣に独立して聳える鐘楼は聖堂と同じ年の1178年の建設で、75mを越える高さがあり、広場でもひときわ目立っています。大きな聖堂ですが、鐘楼があまりにも大きいために小さく見えてしまいます。

 

 なお、モデナの大聖堂の鐘楼、ギルランディーナ (Torre Ghirlandina)の塔は86.12mで最も高く、ピアチェンツァの大聖堂の鐘楼は71m、パルマの大聖堂の鐘楼は64mの高さがあります。

 それぞれの聖堂へのリンクをご覧ください(2019/1現在未実装です)

 15世紀半ばにベネディクト派に属する修道院が右手に回廊状に建設されており、回廊を通してサッフィ広場を見るとまた違った風景になります。

 

 正面には一か所の入口があり、ティンパヌムには東方三王を眠りから起こす天使、聖母子を礼拝する東方三王、の浮彫が施されています。その上には大きな薔薇窓があります。

 聖堂内は三廊式で、中央主祭壇奥には聖歌隊席があります。

 

 アプシスにはキリストの磔刑像の両脇に佇む聖母と聖ヨハネが置かれています。

 右側廊にはピノ3世 (Pino III Ordelaffi)の妃で1466年に死去したマンフレディ (Barbara Manfredi)の墓があります。

 

 続いてパルメッツァーノ (Marco Palmezzano)1510年作の「玉座の聖母子と聖ヨハネと聖カタリーナ」が掛けられています。

 左側廊には同じくパルメッツァーノ1509年作の、キリストの復活と聖母子と聖アンセルモ、聖アゴスティノ、聖ステファノ、が飾られた礼拝堂があります。

 聖堂の左側奥にメリクリアーレ礼拝堂が隣接しており、メンゾッキ (Francesco Menzocchi)1547年作の、聖ジャコモと聖家族、のほか、チト (Santi di Tito)他の画家による聖メルクリアーレに関する絵が掲げられています。

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「ABBAZIA DI SAN MERCURIALE」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12579

3. San Biagio 聖ビアージョ聖堂

 

 ドゥオーモ前のオルデラッフ広場 (Piazza Orderaffi)からマロンチェッリ通り (Via Piero Maroncelli)を西に向かい、エピスコピオ・ヴェッキオ通り (Via Episcopio Vecchio)で北に向かうと正面に見えて来ます。

 北西の城壁に近い場所にあり、聖堂の前には広場 (Piazetta San Biagio)があります。聖堂は南面しています。

 

 1433年に聖ジロラモ (San Girolamo)聖堂が建設されていましたが、16世紀に改築後、戦争で破壊され、近年大幅に改築されています。

 

 聖堂前には七つのアーチが並ぶ柱廊が印象的ですが、建物は当初のルネサンス時代の形態を残しています。

 正面の左手には修道院が併設されている大きな聖堂です。

Forlì  San Biagio内部 (Wikimedia Commonsより)
Forlì San Biagio内部 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は三廊式で、交差廊にはドームが載っています。

Forlì  Guido Reni, Immacolata Concezione (Wikimedia Commonsより)
Forlì Guido Reni, Immacolata Concezione (Wikimedia Commonsより)

 15世紀末のパルメザーノ (Marco Palmezzano)の作品「玉座の聖母子と聖人達」や、17世紀のグイド・レーニ (Guido Reni )の「無原罪の御宿り (Immacorlata Concezione)」の作品が破壊されずに残っています。

 

「無原罪の御宿り」についてはWikipediaを。→ 無原罪の御宿り

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DI SAN BIAGIO」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12243

 

 聖堂前の広場の東端から聖堂に沿って北に向かうエミリオ・ダンドーロ通り (Via Emilio Dandolo)の東側 (上のGoogleMapの青いマーカーの場所)に入口が西面している建屋があります。建屋の正面には煉瓦積みの表面に化粧板を止める穴が見られ、入口の上にはアーチ型に積まれた煉瓦の跡が認められます。

 入口が一か所で上に窓があり、聖堂の形態を残しています。聖堂であったと思われますが、現在倉庫に使用されており、聖堂の役目を果たしていません。また案内板も説明もなく、調べても元の聖堂名は不詳でした。

 

4. San Filippo Neri 聖フィリッポネリ聖堂

 

 町を東西に走るジュゼッペ・ガリバルディ通り (Corso Giuseppe Garibaldi)からジョルジーナ・サッフィ通り (Via Giorgina Saffi)入ると右手にあります。

 1642年に建設が始められましたが、1780年に大幅に改築され、正面はバロック様式になっています。

Forli  San Filippo Neri内部 (Wikimedia Commonsより)
Forli San Filippo Neri内部 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内はラテン十字形の単廊式で、両脇に2カ所の礼拝堂が並んでいます。

 

 中央主祭壇には大きな大理石製のキボリウムが置かれ、中央に聖母子画が収められています。両脇の柱に聖人と聖母の立像があります。

 

 右翼廊は聖ジュセッペと聖人、左翼廊はロレトの聖母像が飾られています。

 

 天井の聖フィリッポネリの栄光、のほか、聖人の死、は18世紀の画家マルケッティ (Giuseppe Marchetti)の作品です。

5. San Francesco 聖フランチェスコ聖堂

 

 ドゥオーモ広場からジュゼッペ・ガリバルディ通り (Corso Giuseppe Garibaldi)を西に向うと左側にあります。通りに面しており、正面は北面しています。

 

 一般の建屋と変わらない造りなので、聖堂と気づかずに通り過ぎてしまいがちです。

 

 なお、聖堂左側のフランチェスコ・マルコリーニ通り (Via Francesco Marcolini)を進むと、突き当たりの駐車場左側にある聖ジャコモ聖堂 (San Giacomo)に出ます。

 聖堂内は単廊式で、両側に4カ所礼拝堂が並んでいます。

 主祭壇奥の聖歌隊席の上には天使と共に被昇天する聖フランシスコの絵が掲げられています。

 小さな聖堂ですが、地元に密着して活動しているように見受けられ、現代的な飾り付けがなされています。

 

 イオニア式の柱頭飾りの柱が印象的です。

6. San Giacomo (Musei San Domenico) 聖ジャコモ聖堂

 

 ドゥオーモ広場 (Piazza Duomo)からジュゼッペ・ガリバルディ通 (Corso Giuseppe Garibaldi)りを西に進み、フランチェスコ・マルコリーニ通り (Via Francesco Marcolini)で南下すると突き当たりに広い駐車場があります。その左側に大きな聖堂が見えています。町中からは少し離れています。

 

 ドメニコ派の聖堂で、13世紀に建設されています。ルネサンス期に拡張され、16世紀には修道院を拡充し、18世紀にバロック様式に改築されて現在の大きな聖堂となっています。

 ナポレオン支配の時代には廃院にされ、軍事施設として利用されていました。

 現在では大部分が美術館 (Musei San Domenico - Forli)になっています。 21世紀になって、聖堂として改装が進められています。

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DI SAN GIACOMO」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12211

こちら↑に内部の写真があります。

 

美術館Webサイト

https://www.mostraeternoeiltempo.it/it/musei-san-domenico/

 

7. Madonna del Fuoco Chiesina del Miracolo 聖ミラコロ聖堂

 

 聖メルクリアーレ修道院 (Abazzia San Mercuriale)からジュゼッペ・ガリバルディ通り (Corso Giuseppe Garibaldi)をドゥオーモに向かって西に進み、ドゥオーモ広場 (Piazza del Duomo)の手前で左折して、細いコヴェリ通り (Via Leone Cobelli)に入り、道なりに右に曲がる隅にあります。

 

 聖堂は19世紀初めに新古典様式で正面は緩い凹型に造られています。

 

 聖堂の名前が示すとおり、この地に、炎の聖母 (Madonna del Fuoco)が出現するという奇跡が起こったと言われています。その姿を描き表した画像はこの場所に建てられた家に保存されていましたが、1428年2月4日の火災で焼失しました。

 しかし、炎の聖母は全く損害を受けずに残りました。その後、炎の聖母は大聖堂に収容され、現在でも大聖堂の中で見ることができます。

 

 ドゥオーモの同名の礼拝所はこの聖堂より大きな規模になっています。

 

 聖堂の入口の上には大火の様子を描いたフレスコ画があります。非常に小さな聖堂です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DELLA MADONNA DEL FUOCO」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12600

8. San Sebastiano 聖セバスティアーノ聖堂

 

 聖ジャコモ聖堂 (San Giacomo)の北側にある小さな聖堂です。1494年にルネサンス様式で建設されたギリシャ十字形の聖堂です。

 

 サイコロの形をした煉瓦の塊のような建物で、中央に円柱形のドームが載っています。

 

 

 ブルネレスキ (Brunelleschi)やアルベルティ (Alberti)を模倣した聖堂と言われています。

 

 聖堂内にはパルメッツァーノ (Marco Palmezzano )作のキリストの磔刑が収められていましたが、現在隣の美術館(Musei San Domenico - Forli)に収容されています。

 

こちら↓の情報によると、http://www.cultura.comune.forli.fc.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=17194

現在は、展示会・イベントに使用されているようです。

9. Santa Lucia 聖ルチア聖堂

 

 旧市街の東端から、東西に走るレップブリカ通り (Corso della Repubblica)を進むと北側にあります。対面には史跡のメレンダ宮 (Palazzo del Merenda)があります。

 

 パオラのフランチェスコ (Francesco di Paola)派により1614年に建設されましたが、正面は19世紀に改築されています。

 

 入口は一カ所で、両脇の壁龕に聖人像が収められています。鐘楼は左の奥にありますが、近くでは見えません。

 聖堂内は単廊式です。

 

  中央主祭壇には東隣の町のフォルリンポポリ (Forlimpopoli)の初代司教だった聖ラッフィーロ (San Ruffillo)の石棺が安置され、両脇には花束を掲げた天使の立像があります。

 

 アプシスにはカリタスの文字と天空に浮かぶ天使と聖人が描かれ、天井にも同じ主題の絵が描かれています。

 両側には三カ所ずつ礼拝堂が並び、柱には福音書記者がその表象と共に立つ像が収められています。

 その他絵画が掛けられており、小さな聖堂ですが、入口から見た印象とは異なり中は華やかなバロック様式の聖堂です。 

 

 

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DI SANTA LUCIA」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12422

10. San Pellegrino Laziosi (Santa Maria dei Servi) 聖ペリグリーノ聖堂

 

 町の中央広場 (Piazza Aurelio Suffo)からレップブリカ通り (Corso della Repubblica)で東に向かい、右折してビオンド通り (Via Flavio Biondo)で南下すると、モルガンニ広場 (Piazza G. B. Morgagni)に出ます。聖堂は広場の左側にあります。

 

 モルガンニ広場は、並木道になっており、聖堂全体を見渡すことはできません。

 

 12世紀半ばに建設されました。その後1645年、1750年と改築され、大きな聖堂になっています。

 

 入口は3カ所あり、中央の入口は尖塔型アーチになっています。左側奥に鐘楼があります。

 

 1435年に「聖母の下僕会」に属し、現在では「サンタマリア・デイ・セルヴィ聖堂 (Santa Maria dei Servi)」として名前が通っています。

Forli  Santa Maria dei Servi ペリグリーノ礼拝堂 (Wikimedia Commonsより)
Forli Santa Maria dei Servi ペリグリーノ礼拝堂 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は三廊式で、両側に5カ所の礼拝堂が並んでいます。

 

 右側の 3番目が聖ペリグリーノ礼拝堂です。15世紀から16世紀のフレスコ画が見られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「BASILICA SANTUARIO DI SAN PELLEGRINO LAZIOSI」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12599

11. Santa Maria della Visitazione o del Suffragio サンタマリア・デラ・ヴィジタツィオーネ聖堂

 

 レップブリカ通り (Corso della Repubblica)を西に進み、町の中央にあるサッフィ広場 (Piazza Aurelio Saffi)に出る手前の南側にあります。

 正面は北面しています。

 

 1723年に建設されましたが、ドームが完成したのは18世紀末で、聖堂が完成したのは20世紀になってからです。

 

 

 

 

 正面から見ると入口が一カ所で、両脇に太い柱が屋根を支えるルネサンス様式の聖堂に見えますが、脇から見ると大きな円柱形が建屋のほとんどを占めていることが分かります。

 

 ローマのサンタマリア・クイリナーレ (Santa Maria al Quirinale)聖堂を模倣しています。

 

 通常はサッフラッジョ聖堂と呼ばれています。

 

 

Forli  Chiesa del Suffragio内部 (Wikimedia Commonsより)
Forli Chiesa del Suffragio内部 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は楕円形の大きなドーム型で、祭壇は4カ所あり、主祭壇には、ご訪問と聖フランチェスコと聖ヨハネが描かれた絵が掲げられ、左側の祭壇にはファンザレーシ (Antonio Fanzaresi)作「聖ジョゼッペの死去」が見られます。

 

 イオニア式の柱が並ぶバロック様式の聖堂です。

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DEL SUFFRAGIO」:http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12418

12. Santissima Trinità 聖三位一体聖堂

 

 ドゥオーモ広場からガリバルディ通り (Corso Giuseppe Garibaldi)を西に向かい道なりに進むと通りが緩やかに左に曲がる所の右側に小さなアンブロージ広場 (Piazzale Melozzo degli Ambrogi)があり、聖堂はその右手奥にあります。正面は東面しています。

 

 この聖堂前の広場 (Melozzo degli Ambrogi)は「フォルリのメロッツォ (Melozzo da Forlì)」と呼ばれ、ローマ法王シスト4世の元で活躍したフォルリを代表する15世紀末の画家の名前から来ています。聖堂の中に画家の墓があります。

 

 

 現在のドゥオーモ(Santa Croce)に司教座が移る前にはこの聖堂に司教座がおかれていました。

 

左手に見える鐘楼は14世紀の建設です。

 現在の聖堂は4世紀頃からあった聖堂の上に18世紀にバロック様式で建設されています。当初は西面していました。正面は薄いピンク色で彩色されています。

 

 聖堂内は単廊式で、両脇に四カ所の礼拝堂が並んでいます。

 

 右側二番目には聖遺物が収められ、三番目にはキリストの磔刑像が、四番目にはキリストと聖人が描かれています。

 

 

 

 

 

Facebook「CHIESA DELLA SS. TRINITÀ forlì」に内部の写真があります。

https://www.facebook.com/pages/CHIESA-DELLA-SS-TRINIT%C3%80-forl%C3%AC/1499199806959985

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DELLA SS. TRINITÀ」:

http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12597

 

 

13. Sant'Antonio Vecchio 聖アントニオ旧聖堂

 

 町の中心のサッフィ広場 (Piazza Aurelio Saffi)の西南の端からディアズ通り (Corso Armando Diaz)に入り、曲がりくねった道なりに進み、サンタントニオ・ヴェッキオ通り (Via Sant'Antonio Vecchio)と交差する左側にあります。

 

 12世紀半ばにロマネスク様式で建設された聖堂です。

 

 ナポレオン占領下で廃院とされ、後に第一次大戦の犠牲者を祀る慰霊者聖堂となっています。改築され、現在もロマネスク様式の面影を残しています。小さな聖堂です。

 

 

 中に掲げられていた絵画は美術館(Musei San Domenico - Forli)に収容されています。

 

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DI SANT' ANTONIO VECCHIO」(英語のページ無しのため伊語)

http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=27288

これ↑によると「外部または特別なイベント中のみ公開」されるようです。

14. Caritas Forli-Bertinoro (Buon Pastore) 良き羊飼い聖堂

 

 ドゥオーモの北側にあるオルデラッフィ広場 (Piazza Ordelaffi)を北東に進み、突き当たりを左折して、マロンチェッリ通り (Via Piero Maroncelli)で北西に向かいすぐにチェザーレ通り (Via Hercolani Cesare)に入って北上し、ミッレ通り (Via dei Mille)と名前が変わって、東に向かうフォッサート通り (Via Fossato Vecchio)との交差路の北側にあります。

 

 民家のような建物で、表札がなければ聖堂とは分かりません。良く見ると屋根の上に十字架があります。町の案内所にも聖堂として出ていません。

 

 ベルティノロ (Bertinoro)はフォルリの東南約15kmにある寒村ですが、12世紀には神聖ローマ帝国の砦が建設され、14世紀早々にはフォルリのピノ1世オルデラッフィ (Pino I Ordelaffi)の離宮もあった、フォルリと非常に近い関係にある村です。

 

 現在はフォルリと同じ司教区に属しています。

15. Carmine カルミネ聖堂

 

 町の中央のサッフィ広場 (Piazza Aurelio Saffi)の北隣に郵便局 (Ufficio Postale Poste Italiane)があり、その東のドン・ピッポ広場(Piazzetta Don Pippo)から北進むと通りの名前がフィレルジティ通り (Via Filergiti)に変わります。五叉路の先にカルミネ広場 (Piazza del Carmine)があります。五叉路をアントニオ・フラッティ通り (Via Antonio Fratti)に左折して北側に進みます。次の交差点でマッジィーニ通り (Corso Giuseppe Mazzini)に出て、右折すると聖堂の正面に出ます。

 14世紀半ばに建設された聖堂は1482年に拡大されています。18世紀半ばに改築されて現在のバロック様式の聖堂になっています。ナポレオンの占領時代には軍の兵舎として使用されていました。

 

 聖堂の正面には化粧板を止める穴が多く見られますが、煉瓦積みのままです。一カ所の入口の上には馬に乗った聖ヴァレリアーノ (San Valeriano a cavallo)の浮彫があり、その両脇の花綱飾りの浮彫は一部剥落しています。

 両脇に四人の町の守護聖人の立像があります。この入口は元々ドゥオーモにあったものですが、1841年にドゥオーモを改築する際に、ここに移されています。

 

 左側面にある鐘楼は1498年のものです。

 

 

Forli  Chiesa Della Madonna del Carmine内部 (Wikimedia Commonsより)
Forli Chiesa Della Madonna del Carmine内部 (Wikimedia Commonsより)

 聖堂内は単廊式で両脇に5カ所礼拝堂が並んでいます。

 

 

 主祭壇にはパルメッツァーノ (Marco Palmezzano)作、受胎告知がありますが、原作は美術館(Musei San Domenico - Forli)に収容されています。

 

 

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA DEL CARMINE」:

http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12596

16. Corpus Domini コーパス・ドミニ聖堂

Forli  Chiesa del Corpus Domini 1971年10月18日撮影 (Wikimedia Commonsより)
Forli Chiesa del Corpus Domini 1971年10月18日撮影 (Wikimedia Commonsより)

 ドゥオーモの北側にあるオルデラッフィ広場(Piazza Ordelaffi)に面しています。正面は東面しています。

 

 入口が一カ所で切妻屋根の小さな聖堂です。右側に鐘楼があります。

 

 バットゥーチ・ネリ (Battuti Neri)信徒会の聖堂があった場所で、1786年の大地震の後に新しく建設されています。現在女子修道院となっています。

 

 内部には15世紀と16世紀の絵画が掲げられているようです。

 

 

フォルリ公式観光サイト「CHIESA E MONASTERO DEL CORPUS DOMINI」:

http://www.turismoforlivese.it/servizi/menu/dinamica.aspx?ID=12595

開館時間等の情報があります。

 

 

フォルリの近くの町

フォルリンポポリ Forlimpopoli

Forlimpopoli  Basilica di San Rufillo外観 (Wikimedia Commonsより)
Forlimpopoli Basilica di San Rufillo外観 (Wikimedia Commonsより)

 

 フォルリの東南東約12kmに、フォルリンポポリ(Forlimpopoli)の町があります。電車で一つ目の近さです。バスでも行けます。

 

歴 史

 紀元前にローマの執政官により建設された歴史を持ち、西ローマ帝国時代にはラヴェンナの下で栄えており、ベネディクト派の修道院が建設されています。フォルリの傘下に入った後、ローマ法王との抗争を経て、フォルリ同様に16世紀には法王領となっています。

 

町を歩く

 町は現在町役場になっている城 (La Rocca)を中心に旧市街を構成しています。6世紀に建設された聖ルッフィーロ聖堂 (San Ruffilo)のほか、聖ピエトロ聖堂、セルヴィ聖堂など、歴史のある町です。

 

 

その他の情報

フォルリンポポリ 公式観光サイト(英語):http://www.forlimpopolicittartusiana.it/en/

 

 

イベント情報

 毎年6月下旬の9日間、フードとワインフェスティバル「Festa Artusiana」が開催され、15,000人ほどの人で賑わうようです (2019年は6月22~30日開催)

イベントの様子はこちら↓ 楽しそうですね!

https://www.bordersofadventure.com/forlimpopoli-food-festival-italy/