フォンタネッラート Fontanellato
フォンタネッラート (Fontanellato)は、エミリア・ロマーニャ州パルマ県 (Parma)の村。フィデンツァ (Fidenza)の東約6kmにある。
アクセス
パルマ (Parma)の北西約20kmにある村です。バスでは50分ほどかかります。フィデンツァ (Fidenza)からのバスの便もありますが、本数が少ないので、パルマからの訪問をお勧めします。パルマからですと、途中でフォンテヴィーヴォ (Fontevivo)の村を通過します。
バス停からジュゼッペ・マッジーニ通り (Via Giuseppe Mazzini)を進み、城壁の門をくぐって歴史地区に入ることになります。
村の案内
村の中心にはサンヴィターレ城 (Rocca Sanvitale=Castello di Fontanellato)がありますが、現在では村役場と公共の施設、それに博物館となって開放されています。
城の周囲には現在でも水濠がめぐらされており、東面はいかつい塔が入城門を保護しており、その両端には円柱形の櫓が立ち、南面と西面には矩形と円柱形の櫓が立ちその二面の間を矢来壁が囲んでいます。
北面はアーチ型の柱でポルティコ状になっており、奥の壁にはフレスコ画が水郷を挟んで見えます。城主の居住空間であったことが分かります。
村は、イタリアの美しい村に加盟しており、静かで清潔な村です。
歴 史
サンヴィターレ家は12世紀からの古い家柄で、16世紀以降はパルマ公の家臣として伯爵を名乗り、一族は城を数か所構えています。
このフォンタネッラートの城には、一族が1951年まで城主として居住していました。
16世紀初め、当時の城主のジャン・ガレッツォ (Gian Galeazzo Sanvitale)は、ペルミジャニーノ (Permigianino)を招聘して城の一室に、女神ダイアナに鹿にされて犬に殺された、ダイアナとアッテオーネ (Diana e Atteone)の物語を描かせています。
小さな部屋ですが、部屋一面に鮮やかな色彩で描かれており、このフレスコ画を見るためだけでも訪問する価値があります。
なお、入場の時間が限られており、単独での見学はできません。さらに撮影も禁止されています。
ジャン・ガレッツォはフランス王とのつながりが強く、フランス王の傭兵隊長として活躍しています。武具を着けた肖像画はパルミジャニーノの傑作として現在ナポリの美術館で見ることができます。
その他の情報
フォンタネッラートについては、こちらのPDFファイルもごらんください。
「イタリアふれあい街歩き」→「イタリア州別区分地図」→「エミリア・ロマーニャ」→「パルマ県」→「PDFファイル:フォンタネッラート」←(リンク先は「PDFファイル」なので、右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択してダウンロード後、PDFリーダー(Acrobat Reader等)で好みのサイズにして読むのが良いでしょう。
1. Santa Maria Assunta サンタマリア・アッスンタ聖堂
城の南と西の二面を囲むコスタ通り (Via Costa)の西南の角にあり、正面は城を向いて東面しています。
1572年にアルフォンソ・サンヴィターレ (Alfonso Sanvitale)の妻のジェロニマ・ファルネーゼ (Geronima Farnese)により、市場のあった場所に建設されています。
その後、1720年にナーヴェ (Adalbert dell Nave)の設計で現在の聖堂に改築されましたが、その際には聖ロッコ (San Rocco)聖堂、聖ガエタノ (San Gaetano)聖堂、磔刑(Santissimo Crocefisso)聖堂などと呼ばれていました。現在では聖ガエタノ聖堂が一般的な名称になっています。
入口は一か所で、城壁に煉瓦積みの片蓋柱が二層目まで伸びて切妻屋根を支えています。
聖堂内は単廊式で、主祭壇には聖母被昇天の絵がかけられています。天井も彩色された、バロック様式の聖堂です。
2. Santa Croce 聖十字架聖堂
城の南側に広場を挟んで聖堂の左側面が見えます。その左端には大きな鐘楼が接して建っています。聖堂の正面は狭いサンヴィターレ通り (Via Sanvitale)に面していますので、正面からは全体像は見えません。
15世紀半ばにギルベルト (Gilberto II Sanvitale)伯爵により建設されています。
聖堂は煉瓦造りで、正面には一か所の入口があり、周囲を浮き彫り模様が施された柱が並び、上はアーチ型になっています。
両脇を片蓋柱が屋根まで伸びていますが、入口の左側だけに尖塔型の窓があり、右側にはありません。修復された跡が残っていますので、20世紀初期に行われた際の補強の結果かと思われます。
屋根の勾配に沿ってクロスアーチの模様がなされており、ロンゴバルド・ゴティック様式を伝えています。中央上には丸窓があります。
聖堂内は三廊式です。
主祭壇の大理石にはサンヴィターレ家の紋章が刻まれており、内陣にはシエナの画家のナシーニ (Antonio Nasini)作、聖十字架発見の絵が掛けられています。両側面には絵は掛けられていますが、礼拝堂はありません。
3. Santuario della Beata Vergine del Santo Rosario ロザリオの聖母修道院
フォンタネッラートの村に入ると右先方に高い鐘楼が見えてきます。修道院の前にバス停があります。なお、城に行くには一つ先のバス停のほうが近いです。
修道院前にはバス通りと並行して、9月4日通り (Via IV Novembrfe)がジュゼッペ・マッジーニ通り (Via Giuseppe Mazzini)まで伸びていますが、ちょうど聖堂の前にある広場のようになっています。
その道に沿って長いポルティコ が伸びています。聖堂の左側に回廊があります。
14世紀にあった小さな礼拝堂が1512年にドミニコ派の修道院として建設されました。
正面には白い大理石の三連式のアーチでできた柱廊がベランダのように前に突き出ており、上には聖人と聖職者の四体の石像が載っています。聖堂の正面中央には聖母子像が、両脇に聖人像が見えており、新バロック様式のにぎにぎしい装飾になっています。
聖堂内はラテン十字形の単廊式で、中央主祭壇には聖母マリアをかたどった絵が掛けられています。
内陣の両脇の柱には左側にキリストの公生涯が、右側には聖母伝説の絵がはめ込まれており、右手前には正装の聖母子像がおかれています。
両側に4か所の礼拝堂があり、各礼拝堂の前にはスカリオラ (Scagliola)で描かれた彩色祭壇画おかれています。
ドームの四隅には福音書記者が描かれています。
入口の上にはオルガンが設置されています。
17世紀になってバロック様式に改築されています。
公式サイト
http://www.santuariofontanellato.com/
(2019年01月現在メンテナンス中で、閲覧不可)