カステッラルクアート Castell'Arquato

Castll'Arquato  城 (La Rocca)
Castll'Arquato 城 (La Rocca)

 カステッラルクアート (Castell'Arquato)は、エミリア・ロマーニャ州ピアチェンツァ県 (Piacenza)の町である。

 

アクセス

 ピアチェンツアとパルマの中間地にある村です。

 ピアチェンツア (Piacenza)からヴェルナスカ (Vernasca)行きのバスに乗り、1時間弱で到着します。途中でフィオレンツォーラ (Fiorenzuola d`Arda)を経由しますので、フィオレンツォーラからバスを利用すると20分程で到着します。

 

 バスの停留所はフィオレンツォーラの駅前にあります。なお、以前は鉄道が通っていたようですが、現在バス路線のみとなっています。

 バスは一日に数本しかありません。村には十分な宿泊施設はありませんので、日帰りで往復するには事前に時間を確認しておく必要があります。

 

 イタリアの美しい村として認定されており、季節になると観光客も多く訪れるようです。

 

Castll'Arquato  ドゥーカ (Duca) 宮
Castll'Arquato ドゥーカ (Duca) 宮

歴 史

 カステッラルクアートはローマ帝政時代には要塞として存在していたようです。歴史に登場するのは12世紀以降で、ピアチェンツアの司教が居住地としていました。

 

 ピアチェンツァからの自立を目指し、自立・被支配を繰り返し、後にミラノのヴィスコンティ (Visconti)家に庇護を求め、更に神聖ローマ帝国からの支援を求め、法王との確執があり、ミラノのスフォルツァ (Sforza)家になってからは支配下に入り、更にパルマ・ピアチェンツァ公国のファルネーゼ (Farnese)家の傘下に入るなど目まぐるしい変遷を経ています。

 

 それだけ交通の要所として支配する価値があったということでしょう。

 

Castll'Arquato  村役場
Castll'Arquato 村役場

街の概要

 カステッラルクアートのバス停からローマ通り (Via Roma)を通り、モンテグッツォ門 (Porta Monteguzzo)を抜けて村の歴史地区に入ることになります。村の中心は小高い山の上にあります。

 

 門をくぐると坂道になり、細く曲がった石畳の道を登って行くと頂上に村役場や聖堂、城 (La Rocca)があります。城は14世紀半ばに要塞化され、高い塔が聳え立っています。城の最上部に登るとアルダ川 (Arda)や遠くまで続く麦畑や葡萄畑が一望できます。風光明美な美しい村です。

 

 なお、村は全て歩いて廻れる広さですが、モンテグッツォ門から村の中心地を通り、頂上の広場を経由して村を抜けるまで、道は一方通行になっていますので、車で訪問した場合には戻れません。中心の広場から村を抜けた少し先まで行くと駐車場があります。

 起伏のある場所にある村ですが、聖堂を巡り、城や歴史的建造物を見て回ると、疲れも忘れ、思わず時間が経過します。石畳の落ち着いた清潔で魅力的な村です。

 

 

その他の情報

 カステッラルクアートについては、こちらのPDFファイルが詳しい。

「イタリアふれあい街歩き」「イタリア州別区分地図」「エミリア・ロマーニャ」「ピアチェンツァ県」「PDFファイル カステッラルクアート」←(リンク先は「PDFファイル」なので、右クリックして「名前を付けてリンク先を保存」を選択してダウンロード後、PDFリーダー(Acrobat Reader等)で好みのサイズにして読むのが良いでしょう。

 

歴史地区の入口から村の中心にある広場に向かって、順番に説明していきます。

1. San Giacomo (聖ジャコモ聖堂)

 

 モンテグッツォ門をくぐってすぐ左のドゥーカ通り (Via Fontane del Duca)に入り、坂を登って行くと左側にあります。

 

 

 12世紀にロマネスク様式で建設された切妻屋根の小さな聖堂です。中央に一か所の入口があり、建物の両端を片蓋柱が支えています。

 

 聖堂内は単廊式です。

 外観上は当時の形態を保ったままですが、現在では教会の木像等の修復を行う工房となっており、聖堂としての役割は果たしていません。

2. San Pietro (聖ピエトロ聖堂)

 

 モンテグッツォ門から村を貫いているスフォルツァ・カオルツォ通り (Via Sforza Caolzio)に沿って進むと左手にあります。

 

 15世紀に建設されたラテン十字形の小さな聖堂ですが、正面はロマネスク様式の聖堂のような造りになっています。

 

 

 中央入口の上には薔薇窓があります。入口は尖塔型アーチになっており、花を縫うように組紐が連なり、葡萄の枝と人物が組み合わされた細かな浮彫飾りのようにテラコッタで飾られています。両端には片蓋柱があります。

 聖堂内は単廊式で、主祭壇にはキボリウムが置かれています。

 左袖廊にはサンタ・フィオラのスフォルツァ (Sforza di Santa Fiora)の墓があり、ローマ帝国の将軍の出で立ちの像が載っています。

3. Santo Stefano (聖ステファノ聖堂)

 

 スフォルツァ・カオルツォ通り (Via Sforza Caolzio)を登って行くと前方に聖ステファノ聖堂の鐘楼が見えて来ます。

 城門のように道の上に建設されたストラディヴァリ宮殿 (Palazzo Stradivari)の下をくぐると隣接して左手にあります。村の道はどこも狭く、車がすれ違うことができない程なので、遠くから見えた鐘楼も近づくと見えなくなってしまいます。

 聖堂の入り口がそれらしくないと、見過ごしてしまいがちです。

 

 17世紀に建設されたバロック様式の聖堂です。通りに面して左手に鐘楼があり、入口が一つありますが、現在聖堂としての役割は果たしていないようです。

 

 聖堂前から右奥には、聖三位一体聖堂 (Santissima Trinità)の鐘楼が見えます。

4. Santissima Trinità (サンティッシマ・トリニタ:聖三位一体聖堂)

 

 スフォルツァ・カオルツォ通り (Via Sforza Caolzio)を、聖ステファノ聖堂 (Santo Stefano)を過ぎて道なりに進むと右に直角に曲がり、さらに右に曲がって坂を登って行きますが、その曲がり角から道に沿ってU字型の中にあります。

 曲がり角には高い鐘楼が聳えています。

 

 1770年に建造された大きな煉瓦造りの聖堂で、構造からみて単廊式ですが、現在聖堂としての役割を果たしていません。

5. Santo Spirito (サント・スピリト聖堂)

 

 サンティッシマ・トリニタ聖堂 (Santissima Trinità)の先の右側に隣接してあります。

 

 道に沿って塀があり、門には天使が聖霊を両脇から捧げる絵がありますから、わかり易いと思います。

 門を入ると広場になっており、小さな建屋があります。12世紀に建設された聖堂を16世紀になって改築しており、病院として利用されていました。

 

 現在では自然史博物館 (Museo Geologico)になっており、聖堂としての役割は果たしていません。

6. Santa Maria Assunta (サンタマリア・アッスンタ聖堂)

 

 スフォルツァ・カオルツォ通り (Via Sforza Caolzio)を登り詰めた村の中心のドン・エンリコ・カニョーニ広場 (Piazza don Enrico Cagnoni)にあります。

 

 広場には村役場や城があり、飲食店もあって、村の中心地であることがよくわかります。城の塔に登ると聖堂の大きさや構造が良く判ります。

 広場からは聖堂の後陣と鐘楼が望めますが、聖堂の正面は広場と反対側にあります。

 

 聖堂の左側は一段高い柱廊になっていて、広場からはこの柱廊に沿って進むと聖堂前の広場に出ます。しかし正面前の小さな広場からは聖堂の全体像は見られません。

 

 なお、カステッラルクアートの聖堂は全て通りに面していますので、聖堂の正面は一定方向を向いてはいません。また、通りからは聖堂の全体像を見ることはできません。前に広場があるのはこの聖堂だけです。

 

 8世紀半ばに建設されましたが、1117年の大地震で崩壊し、1122年に再建されています。

 

 聖堂の正面には中央に一か所の入口があり、太目の片蓋柱が屋根まで伸びている他にはほとんど装飾はありません。煉瓦と石の交じり合った造りのロマネスク様式の聖堂です。

 聖堂内は三廊式で、正面にはキリストの磔刑像が天井から下げられています。

 

 アプシスには何も飾りがありません。祭壇は石造りで、正面の中央にはキリストが、左右にはご訪問と受胎告知の浮彫があり、左右の側面には天使と聖人が巻物を示しています。

 身廊の柱の柱頭飾りは組紐模様が多く観られますが、奇怪な怪獣や人物などロマネスク様式独特の装飾も見られます。

 右側廊正面の祭壇の右手には全身が入れるほど大きな、自然石を彫った洗礼盤が置かれています。

 入ってすぐの右側廊の奥には小さな部屋ですが、サンタ・カテリーナ (Santa Caterina)礼拝堂があります。四方の側面はキリストの公生涯を描いた15世紀のフレスコ画で埋め尽くされています。

 

 洗礼、エルサレム入城、最後の晩餐、洗足、捕縛、鞭打ち、道行、磔刑、十字架降下、哀悼、復活など多くの場面が丁寧に描かれています。

 中に、聖カテリーナの殉教と聖アガタの殉教の場面が見られます。

天井には福音書記者がその表象と共に描かれていますが、全て極彩色で残っています。

 

 ドームは一変してバロック様式で飾られています。

 なお聖堂の右手に隣接して博物館があります。

 

 

 

 15世紀に作成された、聖母マリアを中心に12人の聖人が二層になって並ぶ大きな一面の祭壇衝立や、同じく15世紀作成のキリストの磔刑の前の聖母と福音書記者聖ヨハネのフレスコ画、拷問具を手に持つ聖アガタの立像、司祭服、などの他多くの板絵やフレスコ画や、聖遺物容器が展示されています。

 カッセリ (Cristoforo Caselli)作、羊飼いの礼拝、は1502年の作品で、ヴェネツィアで活躍したチーマ・タ・コネリアーノ (Cima da Conegliano)の影響を受けた傑作です。

 

 他にもフランチェスコ (Francesco Fiorentino)作と看做されている、聖母の礼拝、等傑作が見られます。

7. San Nicolò (聖ニコロ聖堂)

 

 村の中央の広場からアントニオ・ヴァッサリ通り (Via Antonio Vassalli)で一旦村を抜ける方向に進みます。そのまま進むと駐車場があります。

 

 途中でグアニエーリ・ヴィラッジ通り (Via Guanieri Villaggi)に入り、道なりに細い道を進むと左手にあります。

 切妻屋根の小さなロマネスク様式の聖堂で、正面は煉瓦の上に漆喰が塗られています。

 

 入口上の楣 (まぐさ)石には神の手が彫られており、上には三位一体を表す三つ葉形の窓があります。

 右手に鐘楼がありますが鐘はありません。構造からみて単廊式の聖堂です。

 

 

 現在廃墟となっており、聖堂としての役割を果たしていません。